先週の予測として、週末にアメリカの雇用統計を控えていることで、前週に引き続き決算を手掛かりとした物色となり、好決算銘柄が日替わりで買われる相場状況となるとしました。 日経平均の指数に関しては前週末に20,583円まで上昇してきたことで、ここから上を試すには出来高や売買代金の増加が維持されなければ難しいとしました。その理由は、20,400~20,600円の価格帯での売買代金が累計で46兆円と多いためです。
結果的には、週始めの8月3日(月)、4日(火)は利益確定売りで2日連続の小幅安で20,500円台を維持し、その後はNYダウは早期利上げ観測から下落が続くものの、日経平均は当面は為替が円安方向に傾き国内決算はおおむね好調だったことで先物主導で輸出関連株中心に買われました。6日(木)は前日にアメリカで為替が125円台を付けたことで一時20,817円まで上昇しました。売買代金も3兆円を超すことで、売りものをこなし20,400~20,600円の価格帯を突破することができました。週末の7日(金)は△60円の20,724円で引けました。
日経平均の指数だけみると、相場は一見強そうにみえますが相場全体が上昇しているわけではなく、好決算の値ガサの主力株が買われて日経平均の指数を引き上げています。例えば7日(金)は△60円の20,724円ですが、値上がり銘柄数は838に対して値下がり銘柄数は936となっており、予想を上回ったソフトバンクが日経平均をけん引していました。
先週はアメリカ株安、原油価格の下落、TPP閣僚会議で合意できずの流れから利益確定売りをこなしての上昇ですが、円安と好決算銘柄による偏った上昇という側面もあり、強気になるのは注意が必要と思われます。
7日(金)の日本市場の引け後のアメリカでは、雇用統計の結果がやや予想を下回ったものの、失業率や平均時給などは予想通りであったことで労働環境は改善が続いているとの見方から9月利上げ観測が再燃し、為替は一時1ドル=125.07円を付けましたが、引け値は124.24円でした。NYダウは利上げ観測を嫌気し一時▼141ドルの17,279ドルまで下げ▼46ドルの17,373ドルで引けました。
今週は先週末に決算のピークを通過したものの、まだ600社以上が残っており再び外部環境に目が向かう中、個人投資家による好業績発表銘柄への個別物色が中心となりそうです。 週末には8月SQ算出日を控えており需給面では機関投資家などが夏休みで市場ボリュームが減少する傾向があり、SQに絡んで先物主導の上下動となる可能性があります。
海外の不透明要因の1つはアメリカでの利上げ観測の再燃があります。先週末の7月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想をやや下回ったものの、引き続き20万人以上の増加を維持しており、失業率や平均時給は予想通りとなったことで、9月利上げ観測が再燃しており、為替もドル高へ振れて、アメリカ株式にとってはマイナス要因となっています。 一方でドル高・円安は日本株式にとってはプラスですが、日本株式が外国人買いによって上昇することを考えるとアメリカ株式が調整となる中、日本株式が独歩高というのは考えにくいところです。先週は一時1ドル=125円台を回復しましたが、6月5日の年初来高値1ドル=125.86円を突破するような動きは日銀の黒田総裁が先日、円安けん制発言をしていることから難しいように見えます。そうなると為替が年初来高値(円は年初来安値)に近づいても日経平均も年初来高値の20,952円を試すぐらいのところがピークで、そこから調整入りというシナリオも考えられます。
今週は、先週末のアメリカの雇用統計を受けて9月利上げ観測から為替が目先円安に振れ易いことから、輸出関連株が引き続き物色されるのか、それともアメリカ株安の影響を受けることになるのか注目することになります。また、引き続き決算は残っており、これが一巡するまでは全体相場は動きづらいので、もみあいながらの個別物色となりそうですが、材料によっては週末のSQに伴う上下動も考えられます。
8月10日(月)は、先週末の欧米株安とやや円高への動きから▼106円の20,618円と売り先行でスタートしましたが、企業決算は好調なことから下値では押し目買いが入り売り一巡後は下げ幅を縮める展開となり、▼12円の20,712円となりました。さらに後場になると先物主導でプラスに転じ△84円の20,808円となって柴田罫線ではろく買という買法則が出現しました。過去の事例では相場が当面の高値圏で買法則が出現して、当面のピークになる場合もありますので注意が必要です。相場には上にも行き過ぎがありますのでNYダウが目先反発に転じれば想定した19,000~21,000円のボックスを少し超える動きもでてくることになるでしょう。今週はSQ絡みの動きもあり指数の動きには注意すべきと思われます。
先週の予測では、7月14日のマド埋め(20,120~20,322円)が完了し、25日移動平均線(31日20,369円)を回復し、20,500円台となったもののアメリカの7月雇用統計を控え様子見から20,600円台からは上値は重いとしました。
先週は週前半は20,500円台での小幅な2日連続安の後、8月5日(水)はアメリカで9月利上げ観測から為替が一時1ドル=125円台となり、円安の動きとなったことで△93円の20,614円と3日ぶりに反発しました。さらに8月6日(木)は前日のアメリカで9月利上げ観測が高まり、円の124円台後半の推移を受けて、輸出関連株中心に買われ一時20,817円を付け、△50円の20,664円となりました。週末は先物主導で△60円の20,724円で引けました。
NYダウの下落にもかかわらず、円安への傾きと好決算が続いていることで売買代金も増加が維持され、売りものをこなして年初来高値に接近する動きとなりました。
今週は決算のピークも過ぎ、国内から海外に目が向けられることになります。アメリカ市場では9月の雇用統計が引き続きよければ、FOMCでの利上げスタートの可能性が高いという見方が強まっており、株式市場にとっては、それまではマイナス要因となりそうです。為替は1ドル=125円台を突破する動きとなれば日本経済にとってはプラスでもアメリカ経済にとってはマイナス要因となるため相場の反応を見極めるところです。たとえ円安となって日経平均が上昇しても、年初来高値を超えたところ21,000円水準は当面のピークとなる可能性があります。
8月10日(月)は先週末の欧米株安とやや円高となっていることを受け▼106円の20,618円で寄り付くものの、売り一巡後は先物主導で下げ幅を縮小し、後場になると中国株高が買い安心感となりプラスに転じて△84円の20,808円と4日続伸となりろく買という買法則が出現しました。高値圏での買法則は当面のピーク圏で出現することがありますので注意が必要です。
先週の予測では、週末に雇用統計を控え9月利上げの思惑もあることから、その前の経済指標は注目となるとし、すでに約3年間の上昇トレンドを切っていることから早い段階で上昇トレンド内に回復できなければ調整入りが本格化するとしました。
結局は前週末の7月31日(金)の17,783ドルまでの戻りが精一杯で、早期利上げ懸念から7日連続安となりました。
週末の8月7日(金)は雇用統計の結果がほぼ予想通りとなり、引き続き20万人台を維持したことで、雇用環境は改善しているとして、9月利上げ観測が高まりNYダウは一時▼141ドルの17,279ドルまで下げ、▼46ドルの17,373ドルで引けました。
今週は、先週末の雇用統計の結果を受け9月の雇用統計が引き続き好調であれば、9月のFOMCで利上げが開始されるとの見方が強まっており、それまでは上値の重い展開が想定されます。柴田罫線では上値は17,800ドルで下値は17,100ドル台のレンジの動きが想定されます。
先週の予測では、週末の雇用統計やその前の経済指標をみながら9月利上げへの思惑から123~125円のレンジの中でドルの高値を試すが125円突破難しいとしました。
結局、週末の雇用統計を受けて9月利上げ観測が高まり、ドル買い・円売りの流れが強まりザラ場では125円台乗せもありましたが、引け値では突破できませんでした。
8月5日(水)はADP雇用統計は予想を下回るものの7月ISM非製造業景況指数は10年ぶりの高水準となったことで、9月利上げ観測が高まり2カ月ぶりにザラ場で125円台をつけました。そして週末の雇用統計を受けて再び125.07円までドルが買われましたが、引け値では124.24円と大きくドルが売られました。
今週は、9月利上げの可能性を見極める展開となり、もみあいが想定されます。7月小売売上高などの経済指標の内容を検討することになりそうです。早期利上げが高まってドルが買われ7日(金)の125.07円を上回れば6月5日の年初来高値125.86円を試す動きも想定されますが、ここを突破するのは現時点では難しいと思われます。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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