先週は、21日(月)~23日(水)まで連休で営業日は2日間でしたが連休中の世界の株式は軟調な展開となりました。特に22日(火)はアメリカの利上げの先送りによる不透明感とイエレン議長が先送りの理由に中国経済と世界的な景気への懸念を示していたことや、アジア開発銀行がこの日2015年中国経済成長率予測を7.2%から6.8%へ引き下げ、2016年成長予測を6.7%と発言したこと、さらにフォルクスワーゲンの排ガス規制への不正問題でヨーロッパ株式が大幅下落となったことでNYダウも▼179ドルの16,330ドルとなりました。その後NYダウは23日(水)▼50ドルの16,279ドル、24日(木)は▼76ドルの16,201ドルと3日続落となりました。
これを受けて連休明けの24日(木)の日本市場は▼264円の17,803円で寄り付くと先物主導で下げ幅を拡大し▼498円の17,571円と安値引けとなりました。 この時点ではチャート上の下値ポイントとして目先は9月8日の17,415円に対するダブル底か、もしくは日経先物での安値17,150円近辺でのダブル底のどちらかであり、もし世界同時株安が継続すれば最大で16,300~16,600円のゾーンを考えました。
結果的には、24日(木)の引け後の時間外取引で日経先物は17,060円まで下落し、同じくシカゴ日経先物も17,060円まで下がって、17,415円まで戻して引けていました。25日(金)の日経平均はマイナスから始まると思われていましたが、寄り付きは△46円の17,618円で始まり、そのまま上昇して17,800円をこえました。しかし、前場は売り圧力が強く17,483円まで下げて▼11円の17,560円でしたが、後場になると昼に安倍首相と黒田日銀総裁との会談が伝わると追加緩和期待から先物主導で上げ幅を拡大し△308円の17,880円の高値引けとなりました。9月末の権利取りの動きも相場を押し上げたようです。
日本市場の引け後の週末のアメリカ市場は、イエレン議長が演説で、米国経済への自信や中国や世界経済への懸念は市場が考えているほど悪くないということや、年内の利上げに言及したことで不透明さがやや晴れ、また、4-6月期GDP確報値が予測の+3.7%を上回る+3.9%と上方修正されたことで一時△250ドル強の16,465ドルまで上昇しました。しかしバイオ株が下落となったことでS&Pは▼47Pの4,686Pとなり、NYダウも△113ドルの16,314ドルまで上げ幅を縮小して引けました。シカゴ日経先物は17,785円でした。
先週の日経平均は、連休明けの9月24日(木)に大きくマドを開けて17,483円まで下落したものの、翌日25日(金)は追加の金融緩和期待と9月末の権利取りの期待と先物に配当再投資の買いも入って△308円の17,880円と大幅反発しました。
今回の急落の原因は、イエレン議長の「利上げ」先送りの理由として述べた内容にあります。中国の経済懸念から世界経済への警戒感を述べて「利上げ」先送りの理由としたことで、中国経済や世界経済が予想以上に悪いのではないかと不安が広がり「リスク資産からの逃避」が起こりました。このため9月24日(木)の引け後イエレン議長が講演で中国や世界の経済は市場が予想しているほど悪くないと述べ年内利上げを示唆しました。 この結果9月25日(金)のNYダウは一時250ドルをこえて16,465ドルまで上昇しましたが、その後バイオ関連株が下落となり、上げ幅を縮めて△113ドルの16,314ドルで引けました。イエレン議長の発言に一貫性がなく市場が不信感をもっている可能性があります。
今週は、アメリカの年内利上げの示唆で不透明さが晴れてきたものの、実際に利上げをやれるかどうかはまだわからないところがあります。それまではアメリカ株式は上値の重い展開が続き、利上げがなされた時点で上昇していれば、材料出尽くしていったん下落のあと上昇。下落していれば悪材料出尽くして上昇というのが一般的に考えられるパターンです。そのため今週は基本的には16,000~16,650ドルの間のもみあいが想定されます。
日経平均は、先週末の反発は日銀の追加の金融緩和期待からの上昇であり、その期待感が低くなれば催促相場として下げる可能性もあり、逆に期待が高まれば戻りを試していくとこになるでしょう。柴田罫線でみるチャートの形としては、9月8日の17,415円を守ってそのまま上昇して9月17日の18,468円を終値で上回れば買転換出現と同時に2番底が確認される型となります。 逆に9月8日の17,415円を下回れば先物主導での安値17,150円(9月24日の時間外取引とシカゴ日経先物で17,060円をつけた)を現物で試すことになります。さらに再び世界同時株安のような動きとなって17,000円を切ってくると今年の1月16日の16,592円(最大で16,300円台)が下値ポイントということもチャート上では考えられます。今週は9月8日の17,415円を守って2番底確認の動きとなっていくかどうかに注目となります。
9月28日は9月期末の権利落ち日で配当落ち分が約110円あったことで▼69円の17,811円でしっかりと寄り付きました。しかし、その後は断続的に先物に売りが出て日経平均も下げ幅を拡大し、いったん下げ幅を縮小するものの後場になると上海株式のマイナス推移もあってじり安となり▼235円の17,645円で引けました。
先週は、営業日は連休明けの9月24日(木)9月25日(金)の2日間でしたが、荒い動きとなりました。9月24日(木)は日本が連休の間にFOMC後のイエレン議長の世界経済減速懸念発言や中国の経済成長の下方修正予測、さらにフォルクスワーゲンの排ガス規制の不正問題から世界同時株安的な動きとなったことで、日経平均は▼498円の17,571円と大幅続落となりました。しかし、9月25日(金)は予想外に反発して始まり、後場になると安倍首相と黒田日銀総裁の会見から追加の金融緩和への期待で一段高となり△308円の17,880円で引けました。但し、基本的には権利落ち分の再投資といったプログラム的な売買が中心であったという見方がでています。
今週は、日銀短観やアメリカの雇用統計が注目となります。柴田罫線でみてみると9月25日の17,483円の安値が9月8日の17,415円の対する2番底となるかどうか見極める必要があります。9月17日の18,468円を終値で上回れば買転換出現となって同時に2番底確認となって戻りを試す展開が続くことになります。しかし、再び世界同時株安のような動きとなって9月8日の17,415円を切ると下値ポイントは17,000円水準(先物の年初来安値が17,150円)さらにここを切ると昨年の1月16日の16,592円がターゲットとなります。当面は17,483~18,468円の中での上下動しながら好材料待ちとなりそうです。
9月28日(月)は▼69円の17,811円で寄り付き、その後は先物に継続的な売りが出て後場になるとじり安となって17,562円まで下げ終値は▼235円の17,645円でした。
先週のアメリカ株式は、前週の17日のFOMCでの利上げ見送りと、その理由についてイエレン議長が中国経済への懸念からの世界経済の減速懸念について述べたことで、今後の不透明感が強まり軟調な動きとなりました。週始めの21日(月)こそ前週末の大幅安の反動で△125ドルの16,510ドルと反発するものの、その後3日続落となり24日(木)は▼78ドルの16,201ドルとなって柴田罫線では再び売転換を示しました。週末の25日(金)はイエレン議長の発言と4-6月期GDPの確報値が上方修正(3.7%→3.9%)されたことで一時16,465ドルまで急反発しましたが終値では△113ドルの16,314ドルでした。
先週の9月25日(金)にイエレン議長が、年内利上げを示唆しました。17日のFOMC後の記者会見で、中国と世界経済への懸念を述べたことが利上げの時期への不透明感を強めていましたが、年内利上げを示唆したことで不透明感が薄れたためアク抜けにつながる可能性があります。柴田罫線をみると前日の9月24日に16,201ドルで売転換となっていましたが下値は限定的となりそうです。目先は16,000~16,600ドルのボックス圏の動きが想定されますが、9月1日の15,979ドルを下に切ると15,600ドル台を試す動きの可能性、逆に16,654ドルを終値で上回れば17,000ドルを試す動きとなる可能性があります。
先週は、ドル/円はリスク回避ムードの中で、FOMCの利上げ見送りのあと一時ドル売り・円買いとなるものの、あらためて年内利上げの思惑が高まったことで、ドル買い・円売りとなり、また、中国の景気悪化から世界的景気減速懸念の高まりでリスク回避のドル買い。一方で株安を受けてリスク回避の円買いがあり、ドル買い、円買いが相殺して120円をはさんだ小動きに終始しました。しかし、週末はイエレン議長が中国経済や世界経済は市場が思っているほど悪くはないとし、年内利上げに言及したことや、4-6月期GDP確報値が上方修正となったことでドルが買われ121.24円まで上昇して120.46円で引けました。
今週も基本的には、年内利上げ観測からドルの下値は堅く、世界的に株価が上昇すれば円安基調となるものの株価の調整が継続するならばリスク回避の円買いから円高圧力が強くなります。ただ、日銀による追加金融緩和の思惑が高まれば円安基調となります。119~122円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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