先週は、安値圏でのもみあいの中で、9月8日の17,415円に対する2番底を確認できるかどうかに注目としました。但し、17,415円を下回れば先物主導での安値17,150円(9月24日の時間外取引では17,060円)を試す動きとなるとし、再び世界同時株安のような動きとなれば17,000円を切ると今年の1月16日の16,592円が下値ポイントとなるとしました。
結果的に、週前半は17,000円を割る急落、週半ば以降は急速に反発して週末の10月2日(金)は17,725円で終わり、週足では長い下ヒゲの陽線となっています。9月28日(月)の日経平均は前週末の反動で▼235円の17,645円となったあとの欧米市場が中国の8月の工業部門企業利益が▼8.3%という過去最大の落ち込みを受けて世界経済への懸念が高まり、大幅下落となりました。29日(火)の日本市場は、この中国の景気減速の他にフォルクスワーゲンの排ガス不正問題や第一中央汽船の経営破綻も加わり▼714円の16,932円と17,000円を割り込みました。しかし、その後は売られすぎからの反動と欧米株式も反発に転じたことで戻りを試す動きとなり、30日(水)は△457円の17,388円、1日(木)は△334円の17,722円、2日(金)は17,725円となっています。
日本市場の2日(金)の引け後のアメリカ市場では、注目の9月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想の20.1万人を大きく下回る14.23万人だったことでネガティブサプライズとなって一時▼258ドルの16,013ドルまで急落しました。しかし、金利の引き上げが後退したことで長期金利が低下しエネルギー株や素材株中心に急反発し△200ドルの16,472ドルで引けました。シカゴの日経先物も17,245円まで急落したあと大証比△200円の17,870円で引けています。この株価の動きをみると日米ともに下値は固くなっており、上昇材料を待っている状況になっていると考えられます。
先週末の注目の9月米雇用統計が予想を大きく下回るネガティブサプライズとなってNYダウは急落しましたが、早期の利上げ観測が後退したことで長期金利が低下し原油、素材関連株が買われて急反発となりました。シカゴ日経先物も17,245円まで下落後、急反発となって大証比△200円の17,870円で引けました。
先月までの株価の動きですと、この下げを好機にヘッジファンドが売り仕掛けで17,000円を割るような下げを演出するところですが、今回はそうはならず逆に反発となっています。これは日米ともに経済の水準からいえば下げすぎという見方がでてきたということかもしれません。日本市場で言えば株価を上昇させる材料があるため売り込みにくくなっているとも考えられます。その材料は安倍政権が安保法案の成立で下げた支持率を回復させるために経済政策を打ってくるということです。 来年は参議院選挙を控えているため早い段階で株価を回復させる必要があります。
市場で観測されているのは10月30日の日銀の金融政策決定会合で追加の金融緩和が行われるのではないかというものです。 6日(火)~7日(水)の日銀決定会合で30日の日銀金融政策決定会合での追加緩和の可能性に対する何らかの示唆するようなものがでるのか注目となります。FOMCが10月27日~28日に行われますのでタイミング的には10月30日の可能性はありますが、専門家の多くが予想している場合はあまり当たらない場合が多いので何とも言えないところがあります。2日に政府が経済対策が必要になるかどうか10月中に判断する方向になったと明らかにしたことで10月30日の日銀の追加緩和の予想が出てきたように思います。本来ならば日経平均が急落して17,000円を割る局面がでてくれば追加緩和はすぐ出てくる可能性がありますが株価がある程度戻っていれば時間がかかるかもしれません。
今週は日銀金融政策決定会合や8月のFOMCの9月分の議事録公開があり、また、先週末の9月雇用統計のネガティブサプライズを受けて利上げ時期が不透明になったことでアメリカ株式は方向性のない動きが想定されます。ただし日経平均は追加金融緩和期待がでてきたために17,500~17,800円のボックスの上限(特に25日移動平均線18,039円)を上回れば9月17日の18,468円を目指す展開が想定されます。上回らなければ17,500~17,800円のボックス圏の中で上昇材料待ちとなります。
本日はシカゴの日経先物の17,870円にサヤ寄せしてスタートし、前場は18,000円台をつけたあと上値の重い展開となって△216円の17,941円で引けました。しかし後場にはTPP(環太平洋経済連携協定)の大幅合意の見通しも上昇を後押しする形となって一時18,079円まで上昇しましたが、終値では25日移動平均線(本日18,039円)を突破できず△280円の18,005円で引けました。
柴田罫線では買転換が出現しましたが、戻りを試していくには本日の出来高、売買代金を見る限り市場ボリュームが不足していると思われますので市場ボリュームの動きをみる必要があります。
先週の予測では、9月25日の17,483円の安値が9月8日の17,415円に対する2番底となるかどうかを見極めるところとし、基本は17,483~18,468円の中での上下動だが17,415円を切ると下値ポイントは17,000円水準のここを切ると昨年の1月16日の16,592円がターゲットになるとしました。
結果的には、週始めの9月28日(月)は前週末の上昇の反動から利益確定売りで▼235円の17,645円となり、この日の引け後の欧米市場では中国の8月工業部門企業利益の過去最大の落ち込みを受けて欧米株式が大幅下落となりました。これを受けて9月29日(火)の日経平均は急落となり▼714円の16,932円と8カ月ぶりに17,000円を割れました。しかし、9月30日(水)は売られすぎからの反動で△457円の17,388円、10月1日(木)は欧米株式の大幅上昇を受けて△334円の17,722円と大幅続伸となりました。
チャートの形としては、9月8日の17,415円を大きく切ったことで下放れの形となって16,901円まで下げて反発し先週末は17,725円で引けました。このまま上昇して18,000円近辺で終われば16,901円が底値となって柴田罫線でも買転換となります。
本日10月5日(月)は、シカゴ日経先物の17,870円にサヤ寄せし前場18,000円に乗せたあと、上値の重い展開となりましが、先週末のアメリカ株高、日銀の金融緩和期待に加え環太平洋経済連携協定(TPP)が大筋合意の見通しとなったことで先高感が強まり一時18,079円まで上昇しましたが、終値では25日移動平均線を突破できず△280円の18,005円で引けました。しかし、柴田罫線では買転換となりましたので目先は上値は重いとしながらも好材料待ちで、もみあいながら徐々に戻りを試していく可能性が高くなりました。
先週の予測では、柴田罫線で9月24日に16,201ドルで売転換が出ましたが、下値は限定的で目先は16,000~16,600ドルのボックス圏の中の動きを想定しました。
結果的に、9月28日(月)に中国の8月工業部門企業利益が過去最大の落ち込みとなったことで世界経済への懸念が高まりNYダウは▼312ドルの16,001ドルとなりました。終値では16,000ドルを守ったことで目先反発となり、9月30日(火)には△295ドルの16,284ドルと反発しました。週末の注目の雇用統計は予想を大きく下回ったことで一時▼258ドルの16,013ドルまで急落するものの早期利上げが後退したことで売り一巡後は急反発となり△200ドルの16,472ドルで引けました。
先週は雇用統計が予想を大きく下回ったことで16,013ドルと当面の16,000~16,600ドルのボックス圏の下限まで下落し、その後早期利上げの後退から長期金利の低下を受け原油高となってエネルギー株や素材株が上昇したことで下落部分を吸収して16,472ドルで引けました。ここからは再び不透明になった利上げの時期をめぐり、もみあいが継続することになります。
柴田罫線では終値の引線で16,654ドルをこえると2点底を確認した形となってボックスの上放れとなって9月17日の16,933ドルの上ヒゲを埋める動きが想定されます。
現時点では、下値を固めて反発のタイミング待ちのように思えますが、再び中国問題で悪材料が出て9月24日の15,942ドルを終値で切ると15,660ドルを試す動きも想定されます。
先週は、年内利上げ観測からのドル買い、一方で日銀の追加緩和の思惑からの円売りということでもみあいが続き119~122円のレンジを想定しました。
結果的に、9月の雇用統計が強いという見方から一時120.41円までドルが買われるものの、雇用統計は予想外のネガティブサプライズとなって年内の利上げ観測が大幅に後退し、ドル売りとなって118.68円まで下げました。しかし、年内利上げは必至というセントルイス連銀総裁の発言や日銀の追加緩和の思惑からドルが買い戻され119.90円で引けました。
今週は10月の利上げの可能性はなくなり、年内利上げも不透明になったことでドルの上値は重くなり一方で日本銀行の10月30日の追加緩和の見方が広まっておりドル売り要因と円売り要因が交錯してもみあいとなりそうです。119~121円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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