先週の予想では、前週末のアメリカの9月雇用統計が予想を下回る結果を受けてNYダウは急落後急反発し、日経平均先物も時間外で17,245円まで下げて急反発となり△200円の17,870円で引けたことで、下値は売り込みにくくなり18,000円水準でもみあって上昇材料を待つとしました。 結局、週始めの5日(月)に△280円の18,005円となって柴田罫線で買転換が出現し、戻りを試す動きとなりました。この日にTPP(環太平洋連携協定)の交渉の大筋合意見通しも相場を後押しする形となり、7日(水)は日銀金融政策決定会合で「金融政策が現状維持」となったことで一時18,000円を割り込むもののすぐに反発となって△136円の18,322円と6日続伸となりました。8日(木)は6日間で1,400円近い上昇になっていたことで利益確定売りから▼181円の18,141円となるものの9日(金)は欧米株式も堅調な動きを持続していることで、すぐに切り返して△297円の18,438円で引けました。
この上昇の背景はアメリカの9月の雇用統計が予想を大きく下回る結果を受けて年内利上げ観測が後退し、長期金利の低下から原油価格が大きく反発してエネルギー株や素材関連株が買われNYダウが大きく反発し、さらにTPP交渉での大筋合意を受けて日経平均も18,400円台まで上昇しました。但し週末は大林組の上方修正を受けて大手ゼネコンが買われたことで△297円の18,438円となりましたが、ファーストリテイリングの急落で小売業がさえず、大型連休明けの中国株も海外市場が大きく上昇していたわりには、それほどの上昇幅でなかったことが気になるところです。
9日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、FOMC議事録(9月16日~17日)の公開で大半の委員が利上げ見送りを支持していたことが明らかになり年内利上げ観測が後退したことで、NYダウは6日続伸で引けました。ただ、シカゴの日経先物は大証比▼90円の18,330円でした。
今週は、10月30日の日銀の金融政策決定会合で追加の金融緩和期待があるため、先高感はあるものの先週は短期間で大幅上昇となっており、また、4-9月の決算発表の内容を見極めたいとの声も多く、上値は重たい展開となりそうです。ただし、アメリカの利上げが来年にズレ込んだとの見方でアメリカ株式の上昇が継続すればさらに上昇する可能性はありますが、NYダウは昨日△47ドルの17,131ドルと7日続伸となってチャート上はこの水準からは上値が重たいところへきています。日経平均はチャート上は9月17日の18,468円を終値で上回れば次は18,700円台の水準が期待できますが目先は上値は重たいかもしれません。
先週も述べましたが30日の日銀の金融政策決定会合での追加の緩和策があるとの見方があるため7日の金融政策決定会合での「金融政策の現状維持」に対して一時的に失望売りがでましたが、30日への期待があるためすぐに切り返しました。現在の戻り相場が30日の追加緩和をある程度織り込んでいるならば30日に追加の金融緩和がなかった場合は、失望売りとなってきますので注意が必要です。10月27日~28日にFOMCがあり、ここで利上げの時期について言及される可能性があり、これをもとに30日に追加の緩和をやるのかどうか判断すると思われます。それまでの間は基本のレンジは18,000~18,500円というところかもしれません。下ブレの場合は、大きな悪材料が原因でなければ17,800円台ぐらいのもので、そこは押し目買いの水準になると考えられます。
10月13日は、NYダウは7日続伸となるものの日経平均は先週まで大幅上昇で、やや過熱感が高まりシカゴの日経先物が▼65円の18,356円となっていたことで▼103円の18,335円で寄り付きましたが、売り一巡後は底堅い動きとなったものの、為替がやや円高方向となっていることを嫌気し後場はじり安となって▼203円の18,234円で引けました。
先週の予測では、前週の9月29日に16,901円まで下落して反発し、週末に17,725円で引けたことで、このまま上昇して18,000円をこえて引ければ、柴田罫線では買転換出現となって16,901円が底値になるとしました。
結果は10月5日(月)に△280円の18,005円となって買転換となり、そのまま戻りが続き10月7日(水)は△136円の18,322円と6日続伸となりました。10月8日(木)は利益確定売りで▼181円の18,141円と一服するものの週末の10月9日(金)は△297円の18,438円で引けました。
上昇要因は、前週末のアメリカでの9月雇用統計が予想を大きく下回り年内利上げ見通しが大きく後退したことで、欧米株式が大きく上昇したことや日銀の10月30日の追加緩和期待があります。
今週は、アメリカの利上げ後退から海外の株式の上昇が続けば別であるが、そうでなければ4-9月期決算発表の内容を見極めたいとして上値の重い展開となりそうです。戻りを試す場合は9月17日の18,468円を終値で上回れば18,700円台へ、逆に下値を試す場合は10月末に日銀の追加の金融緩和期待が下支えとなり1,800円水準となります。下ブレの場合は17,800円台。上ブレする場合は9月17日の18,468円を上にぬけた場合。
連休明けの10月13日(火)は欧米株式は高かったものの日経平均は先週大幅高となっていたことで、利益確定売り優勢となり▼203円の18,234円で引けました。
先週の予想では、前週の9月雇用統計が予想を大きく下回る結果を受けて早期利上げ観測が後退し、長期金利の低下から原油高となってエネルギー株や素材株が買われ、16,000~16,654ドル(ボックスB)の上限の16,492ドルで引けたことで、利上げの時期が不透明となりボックスの上限近辺でのもみあいを想定しました。その場合、柴田罫線では16,659ドルをこえると2番底(9月29日の15,942ドル)を確認した形となって、上放れとなり9月17日の16,933ドルの上ヒゲを埋めに行く動きが想定されるとしました。
結果的に、利上げが今年の12月にズレ込むという見方からさらに来年の3月にズレ込むとの見方が優勢となり、原油価格の一段高からエネルギー、素材関連中心に買われNYダウは6日続伸となって週末の10月9日(金)は△33ドルの17,084ドルで引けました。
先週発表のFOMC議事録では、大半の委員が利上げの見送りを支持していることが明らかになり、年内利上げは難しいとの見方が優勢となっています。但し、インフレ率が上昇するならば年内利上げの期待も残ることになります。 今週は注目の7-9月期決算発表が本格化してきますが、ファクトセット社の集計によると10月9日時点でS&P全体では5.5%の減益予想(主要は原油価格の下落によるエネルギー関連の下落)となっており、他のセクターの減益も予想されていますので17,000ドルからは上値が重い展開となりそうです。目先の上値ポイントは17,164ドル、その上は17,400ドル水準となります。チャートからは17,400ドル水準を上に抜けていくのは現時点では難しいと思われます。
先週の予測では、9月雇用統計の結果を受けて10月利上げの可能性はなくなり年内利上げも不透明になったことでドルの上値は重たくなり、一方で日銀の10月30日の追加緩和の見方が広がっておりドル売り要因と円売り要因が交錯してもみあいとなり119~121円のレンジを想定しました。
結果的に想定通りの動きとなって120円を挟んだもみあいに終始し週末の引け値は120.25円でした。
今週も引き続き先週と同じ動きが想定されます。9月の雇用統計やFOMC議事録の発表を受け利上げは2016年3月の見方もでてきておりドル売り要因となります。一方で利上げ時期の後退で欧米株式が大きく上昇し、日本株も上昇してリスク選好の円売りと日銀の追加金融緩和期待からの円売りで、ドルは底堅い動きとなりそうです。119~121円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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