前週は、世界的なリバウンドの流れの中で、日経平均も18,000~18,500円のレンジを上放れし23日(金)は△389円の18,825円となり、時間外では19,000円台を回復してきましたが、先週は75日移動平均線(23日時点19,163円)を前に急騰後の一服の可能性があり19,000円水準でのもみあいとなるかどうかに注目としました。重要イベントとしては、27~28日のFOMCと30日の日銀の金融政策決定会合があり、特に金融政策決定会合では、追加の金融緩和が行われるという見方が半分を占めるようになっており注目としました。
週始めは、日米決算が本格化する中、前週末のアメリカのハイテク株の好決算でNYダウが大幅高となったのを受け19,000円台を回復して始まりました。その後はFOMCや日銀会合を控えて、19,000円前後でのこう着状態となりました。28日(水)のFOMCは政策金利は据え置きとなりましたが、声明文の中で12月の利上げの含みをもたせたことが、米国経済は利上げに耐えるとの判断をFRBがしているということで好感されアメリカ株は大幅上昇となりました。30日の日銀金融政策決定会合でも日銀の金融政策は据え置きとなりましたが、すでに大半の見方が追加緩和の見送りを想定していましたので下げ幅は限定的で逆に売り一巡後は年内の追加緩和期待も残っており2015年度の補正予算の規模が3兆円を超えるという報道を好感し、一時19,202円まで上げて終値では週末、月末要因もあって△147円の19,083円で引けました、終値では75日移動平均線(30日現在19,093円)を上回ることはできませんでした。月末の終値を高くしたいという仕掛け的な買いという見方もあります。
日本市場の引け後のアメリカ市場では、企業決算は好悪まちまちとなる中、週末、月末要因から利益確定売り優勢となってNYダウは▼92ドルの17,663ドルと続落しました。シカゴ日経先物は▼210円の18,880円でした。
今週は3日(火)に休日をはさみ、週末にはアメリカの雇用統計を控えており、先週末に75日移動平均線を突破したものの上にぬけることができなかったことで19,000円をはさんだもみあいが想定されます。 先週末はFOMCの金利据え置き(但し12月利上げの可能性示唆含み)や30日の日銀の追加緩和の先送りを受けて、本来ならここで一時的に下落するという予想に反して、急反発となり75日移動平均線(30日時点19,093円)と8月28日の19,192円を一時突破したものの引け値では△147円の19,083円と75日移動平均線を超えることができませんでした。月末であったことからお化粧買い(月末の株価を高くするための仕掛け的な買い)の要因もあったものと思われます。6日(金)はアメリカの10月雇用統計を控え12月利上げがあるかないかを左右するため、様子見ムードが強まりそうです。それでも4日の郵政グループの上場が好調ならば、相場が活気づくことも考えられます。
2日(月)は、シカゴ日経先物の▼210円の18,880円にサヤ寄せする格好で始まり▼265円の18,827円で寄り付くとジリジリと下げ幅を拡大し、発表された中国の景気指標(PMI)が48.3と予想をやや上回ったものの、8カ月連続の50(景気改善の割れ目)を下回ったことで中国景気の不透明感も嫌気され、後場になるとさらに下げ幅を拡大し18,641円まで下げて終値は▼399円の18,683円となりました。この大きな下げは結局は先週末の大幅上昇が仕掛けられたものであり、その上昇分が予想以上にはげ落ちたということで特別に悪材料がでたわけではないと思われます。チャート的には10月15日の17,758円から10月30日の19,202円までの急上昇後の調整局面とみることができます。
先週は、75日移動平均線(23日時点19,163円)や8月28日の高値19,192円をぬければ19,000円前後でのもみあいとなると想定しました。日銀の追加緩和がなく現状維持でいったん下落しても下値は限定的でむしろ買いの水準となると想定しました。
結果的には、19,000円をはさんだ約±200円の動きとなりました。下値は10月27日(火)に利益確定売りや重要イベントを前に大幅安となり▼170円の18,777円となり、上値は10月30日(金)に日銀の金融政策の現状維持を受けて、いったん18,784円まで下落するもののアク抜け感から急反発となって19,202円まで上昇し終値は△147円の19,083円でした。上値は一時75日移動平均線(30日時点19,093円)も上にぬき、8月28日の高値19,192円も突破しましたが終値では19,083円と75日移動平均線を上回ることはできませんでした。
今週は3日(火)の休日をはさみ週末の6日(金)はアメリカの10月雇用統計の発表もあることから様子見ムードが強く、10月15日の17,758円から10月30日の19,202円までの大幅上昇後の一服となる可能性があります。11月2日(月)は先週のNYダウ安や明日に休日を控え利益確定売り優勢となり、▼265円の18,827円で寄り付くと下げ幅を拡大し、後場には一時18,641円まで下げて▼399円の18,683円で引けました。
11月2日(月)は先週予想外に大幅上昇した反動で予想外の大幅下落となりましたが、基本的に上昇トレンドは現時点では何も変わっていません。
先週の予測では、7-9月期決算のピークとなり、好悪まじった動きが想定され、27~28日のFOMCでは声明文の内容から利上げの可能性を見極めることになるため現水準(10月23日17,670ドル)からは上値が重たくなるとしました。
週前半は、上昇一服となりましたが、10月28日(水)はFOMCの12月に利上げの含みをもたせた声明をアメリカ経済は利上げに耐えられるとFRBが判断しているとの見方から△198ドルの17,779ドルの大幅上昇となりました。その後は上値が重く週末は▼92ドルの17,663ドルと2日連続安で引けました。
チャートをみると17,800~18,000ドルのゾーンは一気にぬけるのは難しいと思われます。先週のFOMC声明文の中で12月のFOMCで利上げが検討される内容になっており、11月4日のイエレン議長の議会証言が注目となります。今週は高値圏でのもみあいとなりそうです。
先週は、FOMCの10月の利上げ見送りで一時ドルが120.07円まで売られましたが、声明文で12月のFOMCで利上げを検討する内容となっていることでドルが再び買われ121.56円をつけました。その後、日銀の追加緩和見送りでドル買い・円売りが縮小し30日(金)の引け値は120.66円でした。
今週はFOMCで12月に利上げを検討するという声明文の内容を受けてドル買い・円売りの基調となりそうです。11月4日のイエレン議長の議会証言で12月の利上げ観測が高まればドル買いが強くなるため、その場合は120~123円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
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