先週の予測では週末にアメリカの雇用統計を控えており、前週末には75日移動平均線を一時突破するものの終値ではぬけなかったことで19,000円をはさんだもみあいを想定し、大幅上昇後のいったんの調整局面を想定しました。但し、4日の郵政グループの上場が好調ならば相場が活気付く可能性があるともしました。
結果的には休日をはさんだ2日(月)は利益確定売りから急落するものの休日明けの4日(水)からは郵政3社の好調な上場に支えられて3日連続の大幅上昇となり、週末の6日(金)の終値は△149円の19,265円となって柴田罫線でろく買出現、200日移動平均線(6日・19,249円)を突破、一目均衡表の雲の上限も突破するというチャート上では強い先高感を示す形となりました。
週明けの2日(月)は前週末のNYダウの下落や中国の景気指数がさえないことで、利益確定売りが広がり、日経先物主導で一時450円近い下落となり、終値は▼399円の18,683円でした。これは先週末の上昇が月末の終値を意識したお化粧買いの可能性が高かったことで予想以上に上昇分がはげ落ちたということであり、上昇トレンドに変化はないとしました。 休日明けの4日(水)は前日のアメリカ株高と郵政3社の公募価格を大きく上回る上昇で市場が活気付き前場は△451円の19,134円でした(後場は利益確定売りで△243円の18,926円)。5日(木)も郵政3社の連日の上昇や中国株式の反発、円安基調を受け△189円の19,116円となり、週末の6日(金)はアメリカの雇用統計の発表を控えているものの△149円の19,265円と3日続伸となって目先のチャート上の上値のフシを次々と突破しました。
さらに、日本市場の引け後の週末6日(金)のアメリカ市場では、10月の雇用統計が予想を大きく上回る結果となり、為替は121.85円から一気に123.28円までドルが急騰しました。非農業部門雇用者数、失業率、平均時給など予想を大きく上回り12月のFOMCでの利上げ観測が急速に高まり、ドル買いとなりました。このドル高・円安を受けてシカゴ日経先物は△200円の19,460円となっていました。
今週は、さらに戻りを試す動きとなりそうです。先週末の6日(金)の終値19,265円は目先のほとんどのテクニカル的な上値のフシを突破してしまいました。まず中期75日移動平均線(6日・19,019円)、長期200日移動平均線(6日・19,249円)そして一目均衡表の雲の上限をローソク足が突破、柴田罫線でさらなる上昇を示すろく買の出現などです。
今週は6日に発表された10月の米雇用統計が予想を大きく上回る結果となって利上げ観測が高まり為替は一時123.27円と8月21日以来、約2カ月ぶりの円安となったことでシカゴの日経先物は大証比△200円の19,460円となっており輸出関連銘柄中心に大きく戻りを試していくものと思われます。19,400円台の窓を埋めて19,500円を突破すると大台の2万円が意識されることになります。その前に19,700円台に小さなフシがありますが、ここは週末にSQを控えており先物主導で一気にぬくことも考えられます。
本日はシカゴ日経先物の19,460円にサヤ寄せする形で△145円の19,411円でスタートし、為替が123円台半ばまで円安が進んでいることで輸出関連株中心に買いが広がり、19,500円のフシをぬけると一段高となって前場は△417円の19,678円の高値引けとなりました。後場は前場急騰しただけに利益確定売りで上値は重く高値圏でのもみあいとなり一時、この日の高値19,684円をつけましたが終値では△377円の19,642円で引けました。
チャート上は先高感の強い形となり、中国株式も今のところ堅調でありアメリカでの利上げが高まったことでドル高、株高の基調となって2万円が視野にはいってきました。本来、利上げはマイナス要因ですが、むしろ利上げがあるのはFRBがアメリカの景気回復を確認している証拠だという見方からNYダウは景気回復期待で買われています。アメリカの利上げはドル高となって新興国から資金が流れ出すことになるのですが、そのことはすでに織り込んでいるという見方で株高となっていますが、本当にそうなのでしょうか。そうであれば日経平均は2万円を試したあと年末に向けて年初来高値である4月26日の20,952円を試す動きとなる可能性があります。これはこれで1つのシナリオです。
もう1つ可能性の高いシナリオは、アメリカの12月の利上げがほぼ確実となった時点で一時的に利上げを織り込む下落の可能性があります。今の上昇は短期資金が利上げを無視して景気回復期待を材料に買っているということも考えられます。ここからの新規投資は上昇中の銘柄を買うと高値掴みする可能性があり、むしろこれまで安いところで買った銘柄をどこかで利益確定するのかタイミングをみるところです。11月中もしくは12月はじめまでには、いったんの利益確定がいいかもしれません。アメリカの12月の利上げ確定から大きく下げる局面があれば買いの水準が再びやってくるでしょう。
先週の予測では、週末にアメリカの10月雇用統計を控え、前週の大幅上昇後の一服となる可能性があるとしました。週明けの11月2日(月)は▼399円の18,683円と大幅下落となりましたが、基本的な上昇トレンドには何も変化はないとしました。
結果、祭日明けの11月4日(水)は郵政3社の好調な上場を受けて△243円の18,926円と急反発となり、その後も中国株の堅調な動きもあって11月5日(木)は△189円の19,116円、11月6日(金)は△149円の19,265円となり柴田罫線ではろく買という追加の買法則が出ました。同時に200日移動平均線(6日・19,249円)も突破しており先高感の強いチャートの形となりました。
本日11月9日はシカゴ日経先物が△200円の19,460円となっていたことで、19,460円にサヤ寄せする形で△145円の19,411円でスタートし、終始高値圏でのもみあいとなり終値は△377円の19,642円で引けました。
先週の予測では、チャートをみると17,800~18,000ドルのゾーンは、2,014年11月から2,015年9月ごろまで高値圏のもみあいを続けているところのため一気に上抜くのは難しいとしました。
結果的には、11月3日に17,977ドルまで上昇して11月4日、11月5日と2日連続の小幅下落となりましたが、週末の11月6日(金)は10月雇用統計が予想を大きく上回ったことで12月利上げ観測が高まり、為替のドル高から銀行株が買われて△46ドルの17,910ドルと反発して引けました。18,000ドルを前に足踏みとなっています。
今週は18,000ドル台回復をめぐって経済指標が確実にアメリカの景気回復を裏付けているかどうか注目することになります。特に13日の10月小売売上高が予想通りであれば株高、ドル高方向となります。12月利上げの可能性が高まるわけですが、この利上げの新興国への悪影響はすでに織り込み済みだという見方になっていてアメリカの経済回復にだけ目が向けられています。しかし、私は新興国への悪影響は完全には織り込まれておらず、利上げが確実になった時点でアメリカ株式はいったん調整が起きる可能性があります。(11月末から12月15日~16日のFOMCまでの間に)
先週の予測では、10月のFOMCの声明文の中で12月のFOMCで利上げを検討する内容になっていることで、ドル買い・円売りの基調となりそうだとしました。120~123円のレンジを想定しました。
結果的には、週始めの11月2日(月)の120円台前半のドルを安値にジリ高となり11月5日(木)には121.9円台まで買われ、さらに週末11月6日(金)には10月雇用統計が予想を大きく上回ったことで12月利上げの可能性が高まり、ドルが急騰となって123.27円まで買われ123.18円のドル高・円安で引けました。
柴田罫線では、すでに10月26日に121.0円で買転換となってもみあいのボックスを上放れていましたので、徐々にドルが下値を切り上げてきて先週末の雇用統計の結果を受けてドルの一段高となり、123.27円まで上昇しました。今週も12月利上げ観測が高まっていることから13日の小売売上高が予想を上回ればさらに利上げの確率が高まりドル高・株高となってきます。但し当面の上値は125円水準でアタマを押えられますのでドルが買われても124円台までとなります。122~124円のレンジ。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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