先週は、日経平均の2万円台回復を試す展開になると想定しました。その背景には、アメリカでは12月のFOMC(15~16日)での利上げを織り込んだとの見方や欧州中央銀行の追加緩和期待、中国株式の堅調な動き、需給要因としては11月第2週(9~13日)の時点で外国人の4週連続買い越しなどの下値サポート要因に支えられアメリカ株式の動きを見ながら2万円台回復を試す展開を想定しました。
結果的には、アメリカ市場では26日(木)が感謝祭休日となり翌日は短縮取引となることから週後半は閑散相場が予想され、手控えムードの中で週間を通じて100ドル強の値幅に終始し日本市場も動きが鈍く日経先物は26日(木)、27日(金)と2万円に到達しましたが、日経平均の方は27日(金)に19,994円とあと6円まで接近しましたが、終値では▼60円の19,883円でした。
連休明けの24日(火)は前場は利益確定売りに押されるものの、先週は「一億総活動社会」の実現に向けた緊急対策などの発表があるため政策期待の買いが下支えとなり、△45円の19,924円と5日続伸となりました。 しかし25日(水)はトルコ軍がロシア軍機を撃墜したことで地政学的リスクから一時19,786円まで下落し▼77円の19,847円で引けました。26日(木)は12月のECB理事会で追加緩和策が出るとの期待から欧州株式が大幅高となり、為替も1ドル=122円台後半の円安方向となったことで日経先物は3カ月ぶりに2万円をつけ、日経平均は19,992円をつけました。週末の27日(金)はアメリカ市場が感謝祭で休場ながら欧州市場は軒並み上昇したことで19,994円と2万円まであと6円の寄り付きとなりましたが、その後は下げ幅を拡大し▼60円の19,883円で引けました。中国株式は当局が大手証券会社を捜査していると報じられ▼199Pの3,436Pの急落となっています。
27日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場は感謝祭の翌日のため午後1時までの短縮取引で閑散相場の中、中国株安や原油価格の下落で上値は重く▼14ドルの17,798ドルで引けました。シカゴの日経先物は大証比△30円の19,890円でした。
今週も基本的には2万円台回復を試す展開が想定されますが、その場合は、週末急落した中国株の落ち着きとNYダウの上昇が必要となります。アメリカでは12月15~16日のFOMCでの利上げを見据えて今週は週末の11月雇用統計の発表を前に多くの経済指標の発表やイエレン議長の議会証言などがあり、その内容が12月利上げをより確実にするものであればアメリカ株式が活発化し、日本市場をサポートすることが考えられます。もしくは週末の11月雇用統計を見極めようと様子見ムードとなることも考えられます。
日米株式ともに下げても底堅く、12月利上げはすでに織り込んでいるという見方が一般的になってきました。ということはFOMCのある12月15~16日まではしっかりした動きが想定されますが、次は利上げ発表後、株式相場はどうなるのかということになります。一般的な見方では、利上げ発表後上昇するというものですが、本当にそうなるのかどうかは将来のことなのでわかりません。一方的に12月利上げ発表後、必ず上昇すると考えるのはリスクがあります。1つは目先新興国からの資金の流れがもうないのかどうか、利上げの幅とペースの内容によっては、すでに株式市場に織り込まれていないか、織り込まれていないとしてもわずかの上昇幅しかでてこないのではないかなど考えられます。
現在の市場の動きは①の(イ)を想定した動きとなっているようです。11月30日(月)は、先週末の中国株式の急落の懸念から▼26円の19,857円で寄り付き、下げ幅を拡大する展開となりました。後場には中国株式が下げ幅を拡大したことで、日経平均は一時19,707円まで下落し、終値は▼136円の19,747円でした。今週は週末に11月のアメリカ雇用統計を控え2万円を前にもみあいとなりそうです。
先週の予測では、柴田罫線では2万円のフシの前にもみあう展開ですが、ここを突破すれば20,100~20,350円の上値抵抗ゾーンがあるとしました。
結果、日経先物は11月26日と27日に2万円にタッチするものの、日経平均は11月27日に19,994円とあと6円とせまるものの、2万円に到達できず終値は▼60円の19,883円でした。11月25日(水)はトルコ軍がロシア軍機を撃墜したという地政学的なリスクから19,786円まで下げる場面がありましたが、政策期待が下支えし▼77円の19,847円でした。その後は2万円を前にもみあいとなりました。
今週はアメリカでは週末に11月雇用統計を控え、その前には多くの経済指標の発表があり、12月15~16日のFOMCでの12月利上げがより確実になるのかどうかNYダウがどう動くかに日経平均は影響されることになるでしょう。先週末に一億総活躍社会の実現に向けて「アベノミクス3本の矢」の緊急対策を決定しており下値は底堅いことからアメリカ株式次第で2万円台回復が期待できます。
11月30日(月)は先週末の中国株式の大幅下落を嫌気し▼26円の19,857円で寄り付くと下げ幅を拡大し、後場には中国株式が下げ幅を拡大したことで、日経平均は一時19,707円まで下落し終値は▼136円の19,747円で引けました。
先週の予測では、11月26日(木)の感謝祭で休日、翌11月27日(金)は短縮取引であることから、週後半は出来高が細ってくることが想定され高値圏でのもみあいとなりそうだとしました。
結果、想定通り感謝祭を控えて様子見ムードにより週始めからせまい範囲のもみあいが続き週末は原油価格の下落が上値を押さえ▼14ドルの17,798ドルで引けました。週間の値幅は100ドル強ぐらいの狭い値動きでした。
今週は12月15~16日のFOMCでの確実視されている利上げを見据えて12月1日の11月ISM製造業景況指数、12月2日のベージュブック公表、12月3日のイエレン議長の議会証言、12月4日の11月雇用統計があり、大きく悪化しない限り12月の利上げは確実となり、相場下支え要因となります。まずは11月3日の17,977ドルを終値で上回り18,000ドルにのせるような展開となるかどうかに注目となります。上値の重いところにさしかかってきます。
先週の予測では、12月利上げが確実視される中、利上げのペースに影響を与える経済指標や当局の発言が注目されるものの、方向感はなく123円をはさんだもみあいを想定しました。
結果的には、123円からの上値重く122.3~123円のせまい範囲の値動きとなりました。12月3日のECB理事会での追加緩和期待でユーロの一段安、ドルは主要通貨に対してマチマチの動きとなり、ユーロ安・円高と日米金利差期待からドル高・円安との関係で大きく動けない状況となっています。
今週はユーロ圏の追加緩和を織り込んでしまえばドルは底堅い動きとなります。12月15~16日のFOMCでの利上げは確実視されており、それを確認する意味で今週末の11月雇用統計がポイントとなります。ただし、12月利上げの確実性が高まっても利上げのペースは穏やかとの見方から大幅な上昇はないと思われます。122.5~123.5円のレンジを基本とする動き。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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