先週は、2万円回復を試す展開も想定されるが、週末に雇用統計を控え、15~16日のFOMCでの利上げを見据えて2万円を前にもみあいとなる可能性もあるとしました。 結果的には週前半に2万円を回復するもECB理事会の緩和策の内容に失望し、欧米株安となったことで日経平均も4日(金)に▼435円の19,504円の急落となりました。
1日(火)には為替が1ドル=123円台の円安に加え2015年7-9月期の全産業の設備投資が前年同期比△11.2%(4-6月期の△5.6%を大きく上回る)となったことで大幅反発となり△264円の20,012円と約3カ月ぶりの2万円回復となりました。その後の2日(水)、3日(木)は2万円を前にもみあっていましたが、3日(木)の日本市場の引け後のECB理事会で追加緩和が決定されたものの小幅な内容だったことで失望感から欧米株式が全面安となり、4日(金)の日経平均も急落となって19,444円まで下げ▼435円の19,504円で引けました。
しかし、この日のアメリカ市場では注目の11月の雇用統計が非農業部門就業者数において予想の20万人を上回る21万1,000人となったことでFOMCでの利上げがほぼ確定的となり、金融政策の不透明さがクリアーになると好感され、又、ECBのドラギ総裁が「必要ならばさらなる追加緩和をとる」と発言したこともあってNYダウは△369ドルの17,849ドルの大幅反発となりました。シカゴの日経先物も大証比△250円の19,710円となっていました。
今週は、先週末の4日(金)にアメリカ市場で11月雇用統計が予想を上回ったことで、NYダウが△369ドルの17,847ドルと大幅反発し、シカゴ日経先物も△250円の19,710円となっていたことで週始めは上昇して始まることが想定されます。
しかし4日(金)はECBの追加緩和策の失望感を受けて欧米株式の急落に連動した▼435円の19,504円(安値19,444円)の大幅下落は、2万円を上値とするもみあいの下放れとなったことで、上値は重たくなり目先は2万円台回復は難しくなるかもしれません。又、今週末にメジャーSQを控えており、先週末の急落で需給関係に少なからず影響を与えているとすれば先物主導による相場の波乱要因になりやすいと思われます。好材料をみるとFOMCの12月15~16日での利上げ開始は確実となったことで、日米金利差拡大期待から為替は円安・ドル高の方向に進みやすいと考えられます。今週は上値の重い中でアメリカ株式の動きによって日経平均は左右されることになるでしょう。
11月始めの時点で当面の予想として今年の高値は11月末から12月始めか、もしくはFOMCの利上げ開始の12月15~16日頃になるかとしていました。途中で年末、年始高も想定に入れましたが、先週末の急落で12月1日(火)の高値(終値)20,012円が今年の最高値になる可能性もでてきました。その兆候として先週末の柴田罫線のトピックスは売転換出現となりました。(チャート参照)
現在の日経平均の動きは外国人による先物の売買の結果ですので、この動きが落ち着けば個人投資家好みの中小型株の出番になると思われます。年末・年始高となる場合は、アメリカのFOMCの利上げ開始がアメリカの景気回復によるものだとの見方からアメリカ株式の上昇継続となって日経平均も2万円を回復してくる場合です。しかし、現時点では利上げ開始後は相場がどう動くかわかりません(新興国からの資金流出懸念が高まる場合もある)ので結果待ちとなります。
12月7日(月)の日経平均は△205円の19,710円と高寄りし、一時19,811円まで上昇して前引けは△292円の19,796円でした。しかし、後場になると徐々に上げ幅を縮小し終値は△193円の19,698円で引けました。今日の前場の上昇は先物主導の買戻しによるもので、それが一巡すると上げ幅を縮小した形です。その証拠としては売買高16兆5,760万株、売買代金1兆8,918億円と大きく減少しています。このまま市場ボリュームが増加せずもみあえば当面、日経平均の2万円回復は難しく材料株や中小型株の水準訂正が継続することになります。そして、それが終わるといったん調整にはいるというパターンもアタマにいれておく必要があります。
先週は、12月15~16日のFOMCでの利上げの確実性が高い中で週末の11月雇用統計により利上げがより確実になるため注目となり、その結果、NYダウがどう動くのかに日経平均は影響されることになるとしました。そのためNYダウ次第では2万円回復の期待もできるとしました。
週前半はECBの追加緩和期待で欧米株式は堅調であったことで日経平均も12月1日(火)は△264円の20,012円と約3カ月ぶりに2万円台に回復しました。しかし、その後原油価格の1バレル=40ドル割れやECBの追加緩和策への失望から欧米株式が急落となり、週末の12月4日(金)は2万円手前でのもみあいをいったん下放れする形となり、▼435円の19,504円と25日移動平均線(4日時点19,578円)を下回って引けました。
しかし、この日の引け後のアメリカ市場では11月雇用統計が予想を上回って株式市場が大幅高となりシカゴ日経先物は△250円の19,710円となっていました。
週明けは、大幅反発で始まりそうですが、その後は上値が重たくなりそうです。週末にメジャーSQを控え、荒い動きの可能性もあります。NYダウ次第では2万円接近もあるかもしれませんが上値は限定的かもしれません。
7日(月)は△205円の19,710円と高寄りし、一時△307円の19,811円まで上昇し前引けは△292円の19,796円でした。先物での買い戻しが一巡すると大引けにかけて上げ幅を縮小し△193円の19,698円で引けました。出来高、売買代金ともに大きく減少してきており、又、先週末のトピックスは売転換出現となってきていますので注意が必要です。
昨年の10月17日の1,177Pからの上昇トレンド(A)の中で、今年の6月2日の1,683P、6月24日の1,686P、8月11日に1,702Pと順上げの3尊天井となって8月20日に1,623Pで売転換となって上昇トレンド(A)を下に切って急落となり、9月29日の1,371Pで底打ちとなりました。ここからの急反発で1,600P台の当面の上値抵抗ゾーンに到達し11月11日の1,598P、11月19日の1,609P、12月2日の1,607Pと3尊天井を形成し、先週末の12月4日の急落で▼28Pの1,574Pで売転換出現となっています。日経平均は為替の円安からまだ売転換とはなっていませんが、全体を示すトピックスで1回目の売転換が出たことは要注意となります。引線の終値で11月19日の1,609Pを上回れば売転換は消滅することになります。
先週の予測では、12月15~16日のFOMCでの利上げを見据えて特に週末の11月雇用統計が注目となり、大きく悪化しない限り利上げは確定的となり相場の下支え要因となるとしました。
週前半はECBの追加緩和策や雇用統計への期待から堅調な動きとなっていましたが、12月2日(水)は原油価格の1バレル=40ドル割れでエネルギー株が下げを先導し▼158ドルの17,729ドルとなり、さらに12月3日(木)は期待されていたECBの追加緩和が小幅なものだったことで失望売りとなって▼252ドルの17,477ドルと2日連続の大幅下落となりました。
しかし週末の12月4日(金)は11月雇用統計が予想を上回ったことで△369ドルの17,847ドルと大きく反発して引けました。
先週末の11月雇用統計が予想を上回ったことでNYダウは前日のECBの追加緩和策の失望感からの下げをアッサリ埋める動きとなり、12月利上げはほぼ確定的となったことで「金融政策の不透明性」がなくなり、今週は相場の下支えとなりそうです。ただし上値はチャートでみてわかるように18,000ドル台からは重くなると思われますので、どこまで上昇するかは目先は年末商戦などの結果にかかっています。原油が再び1バレル=40ドルを切ってきていますので、さらに下落するようですとエネルギー関連株が上値を押さえることになります。
先週の予測では、ECBの追加緩和策を織り込み11月の雇用統計が注目だが利上げの確実性が高まってもドルの大幅上昇はないとしました。
最終的にドルは強含むものの3日のECB理事会では追加緩和策が期待ハズレに終わりユーロが急騰してドルは一時122.30円まで売られました。しかし週末の11月雇用統計では予想を上回ったことで利上げ開始が確定的となり123.38円までドルが反発し123.15円で引けました。
今週は12月15~16日のFOMCでの利上げ開始を控え、これから発表される経済指標の最終チェックとなります。経済指標が良好であればゆるやかなドル高となることが想定されます。122.5~124.0円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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