先週の予測では、FOMCの利上げ後の動きに注目とし、週始めは前週末のNYダウの急落と円高を受けてチャートからは目先の下値メドを18,500円とし、この水準からの戻りにはいるかどうかはFOMCの利上げ開始を受けての動きをみる必要があるとしました。ただし、考えられるシナリオとしては、利上げ開始がアク抜けとなり、又、18日の日銀金融政策決定会合で追加緩和を期待させるコメントがでれば、先物主導によるインデックス売買中心の上昇を想定しました。その場合の上値ポイントをまずメジャーSQ値の18,943円をぬけると、その上は19,000円→19,200円と予測しました。 結果的に週前半は18,562円まで下げ週半ばは19,507円まで上昇して19,300円台となり、週末は日銀の金融緩和の補完措置の導入を受けて19,869円まで急騰するものの、その後急落となって▼366円の18,986円という荒い動きとなりました。
週前半は、FOMCを控え、又、原油価格の下落から欧米株安、円高進行を受け14日(月)は▼347円の18,883円、15日(火)は▼317円の18,565円と2日連続の大幅安となりました。しかし週半ばは、原油価格の反発から欧米株式も大幅上昇となったことで16日(水)は△484円の19,049円と今年4番目の上げ幅となり、17日(木)はFOMCの利上げ開始を好感して一時19,507円まで上昇して△303円の19,353円となり、上値の重い展開となりました。週末の18日(金)は前場は利益確定売りで19,300円水準での値動きとなりましたが、後場に日銀金融政策決定会合でETFの買い入れ枠を新たに3,000億円設定すると発表すると、日経平均は先物主導で急騰となり、19,869円まで上昇しました。しかし、まもなく下落に転じ急落となって▼366円の18,986円で引けました。本格的な追加緩和策でなかったことで失望感となったようです。
日本市場の引け後の週末18日(金)のアメリカ市場は、日本市場やヨーロッパ市場が大幅下落し、原油先物が再び1バレル=34ドル台と下値を探る展開となってきたことで、NYダウは▼367ドルの17,128ドルと大幅続落となり、シカゴ日経先物も大証比▼170円の18,780円となっていました。
今週は、クリスマス休暇で市場参加者が少ない中、先物に振らされる展開が想定されます。先週末のアメリカ市場は原油価格の下げが嫌気され、株式市場が急落し円高となっていることで週始めはシカゴ日経先物の18,780円にサヤ寄せする形からのスタートとなりそうです。
アメリカの利上げという重要イベントを通過し、すでに利上げは織り込み済みだとして上昇に転じていましたが、下げ止まらない原油価格の懸念がくすぶり世界の株式市場は反落となり、先週末の18日(金)に日銀が打ち出した金融政策維持の補完措置も株価の乱高下をまねき、投資家心理に影響を与えています。クリスマス休暇に続き年末年始が近づき市場参加者が減るために商いは細り、先物主導での変動幅が拡大する可能性があります。ただし、日本企業の業績は堅調さが維持されておりアメリカの利上げが決まったあとの目先の不安材料は原油安ですので、原油価格の下値が確認できれば株式市場は大きな反発が期待できます。
12月21日(月)の前場は想定通り、シカゴの日経先物にサヤ寄せする形で▼141円の18,845円で寄り付き、多少戻るもののすぐに下落となって下げ幅を拡大し、18,651円まで下げて▼322円の18,664円で引けました。ここまでの下げは先週末のNYダウの下落と日銀の補完措置からの乱高下を嫌気し短期筋の売り仕掛けによる需給面からの下げと思われました。後場になると下げ幅を縮小する動きとなり一時18,979円まで上昇し終値は▼70円の18,916円でした。日足では長い下ヒゲの陽線となりました。
先週の予測では、目先下値確認の動きとなり、チャートからは18,500円のフシ目を安値に反発を期待するところとし、FOMCの利上げ開始でアク抜け感が出れば戻りを試す動きが考えられるとしました。
結果的に、週前半はFOMCを前に欧米株安と円高を嫌気し2日連続の大幅安となって12月15日(火)は18,502円まで下げて18,565円でした。しかし、週の中盤は原油価格が反発したのを受け欧米株が大幅高となったことで、12月16日(水)は△484円の19,049円、12月17日(木)はFOMCの金利引き上げの開始を好感し、19,507円まで上昇して△303円の19,535円でした。
週末の12月18日(金)は日銀の金融政策決定会合で追加の金融緩和措置としてETFの買い入れ拡充を決めたことで一時19,869円まで急騰しましたが、物足りないとの見方が出て急落し18,982円まで下げて▼366円の18,968円で引けました。
今週は、先週末のアメリカ株式の大幅続落と円高を受け、シカゴ日経先物が18,780円となっていることでサヤ寄せする形で始まり原油価格の下値模索にあわせて日経平均も下値を確認する動きとなりそうです。チャートの形からは目先の下値のメドは12月15日の18,562円水準となります。
21日(月)の前場は、アメリカ株安、円高を受けて売りが先行し、▼141円の18,845円で寄り付くと多少戻したあと先物主導で下げ幅を拡大し、前場は▼322円の18,664円で引けました。後場になると売られすぎから下げ幅を縮小し、急速に値を戻して18,979円まで上昇し▼70円の18,916円で引けました。このまま戻して引線の終値で19,373円以上で引けると短期の買転換となってもう一段の戻りを試すことになります。
先週は、原油価格が下げ止まらなければ11月16日の17,210ドルを守れず17,000ドルが下値ポイントになるとしました。
週前半の12月14~16日まではFOMCでの利上げ決定を好感し、3日間で400ドルをこえる17,784ドルまで上昇したものの、原油価格が1バレル=34ドル台へと下値をさぐる動きとなって週後半の2日間で620ドル下げ17,128ドルで引けました。
今週は、クリスマス休暇をとる投資家が多く閑散商いが想定され、年末で節税目的の売りが増える傾向があります。一方で統計的には12月中旬から1月にかけて株価は上昇ということがあります。
チャートでは11月16日の17,210ドルを切って17,128ドルで終わっており、下値では17,000ドル台が意識されるため、もみあいながら多少戻りを試す展開が想定されます。
先週の予測では、原油安はドルの上昇を抑える要因になるが、FOMCでの利上げが開始されると基本的には日米金利差拡大期待からドル買い要因になるとしました。
現在のリスク回避の円買いは原油価格が一服すればドルが買い戻されることになるとし120~123円のレンジを想定しました。
週前半は、FOMCを前に様子見と原油安から120円台前半まで円が買われましたが、週半ば以降は原油の反発とFOMCの利上げ開始決定でドルが買い戻され122円台後半までの円安となりました。しかし、週末の12月18日(金)には原油が再び安くなり、円が買われて121円台前半で引けました。
今週はクリスマス休暇で欧米の投資家の参加が少なくなるため薄商いとなります。アメリカの2016年以降の利上げペースに懸念が生じればドル売り、日本の経済に減速懸念が高まれば追加緩和期待から円売りとなります。今週は方向感のない動きで121~123円を想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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