先週の予測では、原油相場が下値を試す動きとなっており、同時にリスク回避の円買いとなっていることで原油相場の行方をみながら戻りを試す展開を想定しました。 しかし、原油相場が週始めに一時33.98ドルと約6年10カ月ぶりの安値をつけて反発に転じ、NYダウも3日連続の大幅上昇となったにもかかわらず為替は1ドル=120円台寸前までの円高にふれ、日経平均は5日続落という想定しない動きとなりました。
23日(水)が天皇誕生日で祝日、クリスマス休暇で海外投資家の市場参加は少ない中で、円高の動きとなり年末で節税対策のための損失を確定する売りが週末までということもあり、さえない動きが続きました。
週始めは、前週末のアメリカ株式の下落を受けて前場は▼322円の18,664円となりましたが、後場には急速に下げ幅を縮小し▼70円の18,916円で引けました。日足では下ヒゲの長い陽線となっていたことで、戻りを試す期待もありましたが、円高基調が続いたことで日経平均の上値は重く22日(火)は▼27円の18,886円、23日(水)は休日、24日(木)は▼97円の18,789円、25日(金)は▼20円の18,769円と前週末の18日(金)から5日続落となりました。但し下値は18,700円台で底堅い動きとなっていました。
今週は、先週末に円高基調の中で年内最終受渡日に向けて節税のための損失確定の売り圧力もあり、5日連続安となったものの売りも一巡し需給面も改善が期待されます。残るは28日(月)29日(火)30日(水)の3日間ですが、年明けは4日に通常国会が召集され、補正予算の提出があるため政策関連を中心に実質2016年相場入りということで、新春相場を意識したテーマ株が物色される可能性があります。テーマとしては自動運転、ロボット、マイナンバー、TPP、電力小売自由化、女性活躍などがあります。
2012年11月中旬にスタートしたアベノミクス相場の3本の矢(金融緩和、財政政策、成長戦略)はデフレ脱却という目標でした。海外投資家はアベノミクスを期待し日本株の買いに走り株高を主導して2013年の年間買越額は15兆円に達しました。いったん調整したあと2014年後半から急速な円安進行を受けて、再び外国人主導の買いが強まり2万円を突破したものの今年の6月24日の20,952円、8月11日の20,945円とダブル天井を形成することになりました。
この当面の天井形成は、外国人投資家がアベノミクスへの期待が薄らいだことによります。財政政策はバラマキ投資となっており、成長戦略は将来の姿を想定しただけで具体性が欠けました。金融政策も原油価格の暴落で2%の物価目標が達成できず、追加の金融緩和も手詰まり状態となっています。本来はアベノミクスに伴う円安や法人減税、株高で大企業や富裕層が潤えば、それがいずれ地方や中小企業に行き渡るというものでしたが、消費税増税3%を上回るような賃金上昇は実現できず、それどころか円安による生活必需品の値上がりで逆に家計を圧迫しています。 そこで政府は「一億総活躍社会」実現のために、出生率1.8、介護離職者ゼロ、名目国内総生産(GDP)600兆円の実現を明示したものの、「新3本の矢」といっているものの具体性はなく単なるスローガンに終わる可能性があります。
「新3本の矢」が海外投資家に評価されない状況の中で、8月に中国の通貨切り下げをきっかけに中国懸念が世界に広まり、世界同時株安的な動きとなり、特に海外勢に利益のでている日本株を売る動きが広がり、安値圏で急騰、急落を繰り返しました。その結果、海外勢は6月まで2兆6,583億円買い越していたものが、一転売りに転じ今年の初めから12月18日までの累計で逆に2,308億円の売り越しとなりました。年間で売り越しとなるのは2008年以来7年ぶりとなります。 海外ヘッジファンドは日本株の売買を減らしており日銀の金融政策の手詰まりが強まるとともにアベノミクスへの期待が低下しているとみることができます。
日本株式の上昇は、海外勢が主導権をにぎっていますので、日本株上昇のためにはアベノミクスの「新3本の矢」をより具体的にする必要があります。現時点での市場の見方は分かれており、再び海外勢が買ってくるという見方は、1つはアメリカが金利を段階的に引き上げるため日米金利差から円安基調となって日本経済に追い風になるとの見方や、年前半は補正予算や法人減税など景気対策を評価した買いがはいるという見方です。
反対の見方はその効果はないという逆の見方になります。
私は基本的には、日本株式のチャートは現時点では、中長期上昇トレンドの中にあり、この中で大きな上下動があって上昇していくものとみています。
来年に限っていえば、2015年6月24日の高値20,952円を試したあと22,000円ぐらいの上昇を想定しています。ネックは中国経済を始めとする新興国経済の成長がどの程度の下げでおさまるかということになります。日本市場に対しては年前半高の可能性が高いと思われます。理由としては参議院選挙に自民党は勝つ必要がありますので株価を高くしておく必要があり、株式市場の動きには特に注目を払うことになります。急落すれば格好の買い場と想定されます。なぜならば日銀の追加の金融緩和策が残っており出動させる可能性は非常に高いと考えられるからです。株式投資で勝つ投資とは年数回の大きな調整を待って買うということにつきると思います。
先週の予測では、原油価格の下値模索に合わせて日経平均も下値を確認する動きになりそうだとし、チャートからは目先の下値のメドは12月15日の18,562円水準だと想定しました。原油相場をみながら戻りを期待するところとも予測しました。
結果的には、週明けに原油相場が一時33.98ドルと約6年10カ月ぶりの安値を受けて、いったん反発しNYダウは3日連続の大幅上昇となりましたが、日本市場は全く反応せず5日続落となりました。
その背景は、23日(水)に祝日をはさんでいた他にクリスマス休暇で外国人の投資家の参加者が少なく、為替が円高へふれたことによります。又、前週末の日銀の金融政策維持の補完措置の導入決定による乱高下も投資家心理を悪くしているようです。但し、下値は18,562円水準としていましたが、18,700円台が底堅い動きとなっていました。
今週は先週末で年内最終受渡日を迎えての節税目的のための売りも終わり需給も改善し、実質2016年相場入りでテーマ株を意識した物色が期待できます。
28日(月)は、5日続落のあとだけに値ごろ感から押し目買いが入り、節税対策の売りも一巡したことで後場になると上げ幅を拡大し△104円の18,873円で引けました。
先週は、クリスマス休暇をとる投資家が多く閑散取引の中、年末で節税取引が増える一方で統計的にはアメリカ株式は12月中旬から1月にかけて株価上昇という傾向にあると想定しました。下値では17,000ドル大台が意識され多少戻りを試す展開を想定しました。
週始めに原油価格が一時33.98ドルと6年10カ月ぶりの安値をつけて反発に転じたことでNYダウは17,116ドルを安値に3日続伸となり12月23日(水)は17,607ドルまで上昇しました。その後はクリスマスの休場などもあり2日連続の小幅安となって17,552ドルで引けました。
今週は年末で市場参加者が少なく節税目的の売買もあるため閑散取引の中で上値の重い展開が想定されます。
先週の予測では、クリスマス休暇で欧米の投資家の参加が少なくなるため薄商いの中で方向感のない動きを想定しました。
結果的には、原油価格が反発に転じNYダウも3日連続の大幅高となったにもかかわらず円がジリ高となり120円までの上昇となりました。日本株売り・円買いというアベノミクスの円売り・日本株買いの逆の現象が続いているようにもみえます。
今週は年末年始をはさんでいるためにドル・円は緩慢な動きとなりそうです。このところ円高基調となっていますが、中長期的にみれば来年度はアメリカの段階的利上げが予定されており、ドル買いが大きく後退することはなく、ゆるやかな円安基調には戻っていくものと思われます。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
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信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
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但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
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但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
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取引金額 取引手数料
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10万円まで 99円(税込)
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50万円まで 275円(税込)
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150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
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〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
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〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
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