先週の予測では、大幅反落後下値確認とし18,300円水準までの可能性があるとしました。しかし大発会では中国懸念から下げ幅を拡大し▼582円の18,450円と大幅安となり柴田罫線で売転換のスタートとなりました。結果的に大発会から5日連続安となり日経平均の算出を始めた1950年9月以来の記録となり17,697円で引けました。
まず4日(月)は中国の昨年の12月製造業PMIの悪化で中国株式が急落し為替が1ドル=119円台の円高まで進み日経平均は▼582円で18,450円と大幅安、5日(火)も中国株式の下落を嫌気し▼76円の18,374円、6日(水)は人民元の元安方向への基準値設定で円高となったのに加え、北朝鮮の水爆実験報道で▼182円の18,191円、7日(木)は欧米株安や中国株式にサーキットブレーカーが発動され取引停止となることで不安心理が拡大し▼423円の17,767円、8日(金)は前場はSQ値は17,420円となりその後はプラス圏へ浮上し17,975円まで上昇するものの、後場になると引け後のアメリカの雇用統計を控えていることや3連休ということもあり徐々に手仕舞い売り優勢となって▼69円の17,697円で引けました。
週末のアメリカ市場では、注目の12月雇用統計は失業率は5.0%と予想と一致しましたが、非農業部門雇用者数は予想の20.0万人を大きく上回る+29.2万人となり、過去2カ月分も上方修正されたことでNYダウは一時△135ドルの16,651ドルまで上昇しました。しかし中国の先行き不安や原油安への懸念からマイナスに転じ▼167ドルの16,346ドルと続落となりました。シカゴ日経先物は▼410円の17,280円の大幅安となっています。
今週は、12日(火)スタートですが昨日のアメリカ市場は、NYダウは下げすぎからの小反発で△52ドルの16,398ドルとなっていますが、3日間で300ドル以上の下げに対しては戻りが弱く底入れ感はありませんが、中国株式の波乱、原油相場の下落基調が落ち着くのかどうかによって、反発のタイミングを探ることになります。先週は週末にSQを控えていたこともあり悪材料をきっかけに売り仕掛けから先物売りとなって一方通行の下げとなり、5日続落となりました。現時点の相場環境は悪材料だらけで、どこまでも下げ続ける不安を投資家は抱いており総悲観の状況となっています。
「総悲観は買い」という相場転換の諺がありますが、もっと厳しい総悲観があるのかどうかはわかりません。ただ、7日の時点で騰落レシオが62.9%とアベノミクス相場では最低水準の売られすぎまできており、カラ売比率も42.4%と昨年9月の史上最高値43.4%に接近しています。先週末8日(金)のSQ値17,420円を下回らなければ戻りを試す可能性はあります。下回れば日経平均のチャートからみると昨年の9月29日の16,901円の安値から12月1日の20,012円までの上昇幅の全値押しとなってダブル底に近い2番底の形となることも考えられます。
連休明けの12日(火)は、結局、先週末のSQ値17,420円を守ることができず、前場で▼375円の17,322円となりました。後場には中国株式が小幅反発したものの弱すぎる反発とみて先物に売り仕掛けがでて下げ幅を拡大し▼479円の17,218円で引けました。
売り仕掛けを示すものとして相場が大きく下げる時には必ず下落銘柄上位にくるファーストリテイリング、京セラ、ソフトバンクが相変わらず並んでいます。今日の時点では騰落レシオは57.9%と、さらに下げ25日移動平均線も-9.4%となっており、このまま下げれば目先の下値ポイントである昨年の9月29日の16,901円水準が反発のポイントになる可能性があります。
先週の予測では、今年の大発会は大きく下げて始まることが想定されるが、下値は限定的と考えていました。柴田罫線では終値で18,744円を下回って引けると売転換出現となり、まずは18,300円水準が下値ポイントとしました。
結果的には、1月4日(月)の大発会で▼582円の18,450円で売転換となり、悪材料続出となって週末まで5日連続安で17,699円で引けました。これは1950年9月に日経平均の算出を始めて以来の記録となります。2016年の幕開けは大波乱の1週間となりました。
連休明けの今週は、先週末のSQ値17,420円を守れるかどうかにかかっています。守れれば戻りを試す動きへ、守れなければ目先の下値抵抗ライン17,000円水準(昨年の9月29日の16,901円がポイント)を試す可能性があります。
1月12日(火)は▼227円の17,470円で寄り付きSQ値の17,420円水準でもみあう場面もありましたが、上海株式がマイナスに転じるとアッサリSQ値を切る動きとなりました。後場は上海株式は小幅プラスでしたが先物の売り主導となり、下げ幅を拡大して▼479円の17,218円で引けました。途中で反発するより、そのまま下げて17,000円水準へはいったほうが底打ちしやすいと思われます。
先週も引き続き、原油相場の動きや経済指標の発表に左右される展開になると想定し、原油価格はまだ底値を確認していないので要注意とし週末の12月雇用統計に注目としました。
結果的に、原油価格は安値を更新しそれに加えて中国の景気懸念、北朝鮮の水爆実験、サウジアラビアとイランの対立など悪材料続出となりました。12月雇用統計は予想を大きく上回るものの原油安が嫌気されて株高とはならず▼167ドルの16,346ドルと大幅下落となりました。
先週は、予想外の悪材料のオンパレードで大きく下落しました。目先は12月21日の17,116ドルを守ってもみあいとなるかどうかと思っていましたが、柴田罫線では11月3日の17,977ドル、12月17日の17,796ドル、12月29日の17,750ドルと順下げの3山形成のあと、12月21日の17,116ドルの安値を切って1月6日(水)に16,906ドルとなり、下放れの形となって週末は16,346ドルとなりました。
今週は、中東情勢や北朝鮮問題の地政学的リスクは継続し中国株式や雇用統計の結果を受けた、今後の利上げ見通しなどに注目するところです。
一方で11日にアルミ大手のアルコアの決算を手始めに10-12月期決算発表が始まりますので、今週は下値確認のあとの反発が期待できます。目先の下値のフシは16,000ドル水準(昨年9月29日の安値15,942ドル)となります。
先週の予測では、基本的には円高基調で120円を試す動きとなり、原油が一段安となれば119円を試すことになり、逆に12月雇用統計が予想を上回ればドル買い・円売りになるとしました。チャートからは下値は118円を想定していました。
結果的には、急激な円高となりました。その背景は、中国の経済指標の悪化、人民元の基準値を元安水準で設定し円高進行、北朝鮮の水爆実験から地政学的リスクの円買い、原油の安値更新でドル売り・円買いと円高要因が相次ぎました。週末の予想を上回る雇用統計も一時ドル高となるものの、原油安に打ち消される結果となりました。1ドル=118円を下回り1月8日(金)は117.5円となってドルの売転換となりました。
今週も引き続き、中国市場の状況や原油相場の動きを見ながら円高基調が続く可能性があります。目先は昨年の8月24日の高値116.1円が意識されるところです。大きな下値抵抗ラインは2012年9月28日の77.4円を安値に11月15日の80.9円でドルの買転換となって上昇トレンド(A)となっており、115円水準を大きく切らなければ中期の上昇トレンドを維持していくことになるでしょう。さらに円高が進むようですと日銀の追加緩和への期待もでてくるので、そろそろ円高も止まるところへきていると思われます。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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