先週の予測では、週末の日銀金融政策決定会合までは堅調な戻りを想定し、日銀が追加の緩和策を出せばポジティブサプライズとなって自律反発から本格的な戻りを試す相場になるとしました。チャートの目先の戻りのメドは17,218円をぬけると17,715円水準としました。 結果的には、大きな上下動の動きとなりましたが25日(月)に17,208円まで上昇後、翌日の26日(火)は16,652円まで急落し、27日(水)は再上昇となって17,242円まで上昇し、柴田罫線で買転換出現しました。一服したあと週末の29日(金)は日銀の追加緩和によって17,638円まで上昇して△476円の17,518円で引けました。
先週の動きをもう少し細かく見てみると、25日(月)は原油価格の急騰と欧米株式が大幅高となったことで、先週末の日経平均の急騰(△941円の16,958円)を引き継いで、いったん利益確定からマイナスになるものの、すぐに切り返し17,208円まで上昇して△152円の17,110円で引けました。しかし、引け後の海外で原油価格が大きく下落し、欧米株式も下落したことで26日(火)は上海株式の急落もあって▼402円の16,708円の大幅反落となりました。 ところが、再び原油価格が反発しアメリカ市場では企業決算が好調であったことでNYダウは△282ドルの16,167ドルと大幅反発となり、これを受けて27日(水)の日経平均は△455円の17,163円となって柴田罫線で買転換出現となりました。 28日(木)は翌日に日銀の金融政策決定会合を控え様子見から▼122円の17,041円と一服しました。
29日(金)は注目の日銀金融政策決定会合では、午後、追加的緩和策としてマイナス金利の導入を発表、これで円が急落し一時121円台となり、日経平均は△597円の17,638円まで上昇しました。しかし、すぐに急落となって▼274円の16,767円まで下げ、売り一巡後は再び大幅上昇となって△476円の17,518円で引けました。
29日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、日銀のマイナス金利導入を好感してアジア株、ヨーロッパ株が大幅高となった流れを受けNYダウも△396ドルの16,466ドルの高値引けとなりました。シカゴの日経先物は△210円の17,850円でした。
先週の29日、日銀は金融政策決定会合で、追加緩和として民間銀行が日銀に新たに預ける資金に年0.1%の手数料を課すマイナス金利の導入を決定しました。これにより銀行から資金がリスク資産へ流れるとの期待がでてきました。ただしマイナス金利の効果はないとの見方もあるため一時△597円の17,638円まで上昇後、今度は▼274円の16,767円まで急落し、その後はマイナス金利を前向きにとらえて△476円の17,518円で引けました。
目先は、マイナス金利の評価とともに円安も進行していることで、戻りを試す動きが続きそうですが戻りを試し終わると、今度はマイナス金利の問題点がクローズアップされ、いったん下落する可能性があります。 というのはこれまで日銀の国債の買い入れによって銀行の資金は潤沢になっているにもかかわらず、貸出残高はあまり増えていません。現在の世界経済の減速懸念がある中では、企業は設備投資を積極的になるほど楽観的ではありません。建設関係などは投資しようにも人手不足で工期が読めない状況です。銀行をしめつけても資金が世の中に出回る可能性は少ないと思われます。
目先は、日銀のマイナス金利政策を織り込んでしまえば、マイナス金利の問題点を織り込みにいく動きが想定されます。どこまで戻るかは原油価格の動きや為替の動きに左右されることになります。チャートのフシとしては17,900円→18,100円→18,300円があります。但し大きな下げがあったとしも、そこは暴落後の初押しという形になる可能性があります。サミットや参議院選挙も控えていますので、安倍政権としては株高を演出しておきたいところだからです。短期売買の場合は、日銀のマイナス金利を受けて急上昇している銘柄は、いったん利益確定し、もしスピード調整で大きく下げれば再び買うという投資も考えられます。現時点では、上昇中の銘柄にとびつくのは高値づかみしてしまう可能性がありますので、新規の買いは上昇後の押し目を待つスタンスとなります。安値からの上昇幅の1/3~1/2押しを待つのがいいと思われます。
2月1日(月)は、日銀のマイナス金利を受けた海外株高の流れを引き継ぎ△181円の17,699円と買い先行となりました。その後、中国の経済指標の悪化を受けて伸び悩む場面がありましたが、午後には再び上げ幅を拡大し一時17,905円まで上昇し、終値は△346円の17,865円となりました。1つ目の上値ポイント17,900円をクリアしましたので次は18,100円水準となります。
先週の予測では、目先の戻りは17,218円水準、ここをぬけると17,715円水準になるとしました。
結果的には、1月25日(月)に17,208円まで上昇して終値は△152円の17,110円となり、1月26日(火)は原油価格の再びの急反発で日経平均も△455円の17,163円となって柴田罫線で買転換出現となり、週末の1月29日(金)は日銀金融政策決定会合で追加緩和策としてマイナス金利導入発表で17,638円まで上昇して△476円の17,518円で引けました。
今週も週前半は、日銀の追加緩和を引き続き好感して戻りを試すことになりそうですが、目先の17,800円水準では上値は重たくなるところです。さらにマイナス金利を好感して反発していますが、この程度の追加緩和策で目先はどこまで戻るのか疑問といえます。
というのは1月29日の後場の日銀会合でのマイナス金利発表で、一時△597円の17,638円まで上昇後、すぐに▼274円の16,767円まで急落し、再びマイナス金利を評価して△476円の17,518円で引けました。ということは、このままマイナス金利を評価して上昇しても、それを織り込んでしまうと今度はマイナス金利の問題点に目が向けられ、いったん大きく売られる可能性があります。上値ポイントは17,890円→18,100円→18,322円となります。
本日は△181円の17,699円と高く始まり、前引けは△315円の17,833円でしたが、後場になると上げ幅を拡大して17,905円まで買われ△346円の17,865円で引けました。17,890円をクリアーしましたので、次は18,100円水準を目指すことになります。
先週の予測では、原油価格や為替のリバウンドに合わせて戻りを試すことになるとし、柴田罫線では1月14日の16,482ドルをこえると買転換になるとしました。
結果的に、原油が25日急反落したことでNYダウも▼208ドルの15,885ドルと急反落。しかし原油が再び再上昇したことでNYダウは26日△282ドルの16,167ドルとなって買転換となりました。いったん大きく下落して安いところで買転換がでる形となりました。そして週末は日銀のマイナス金利を好感し△396ドルの16,466ドルと一段高となりました。
1月26~27日のFOMCでは、世界経済や金融の動向に注意を払う姿勢が示される一方で、アメリカ経済については前向きな判断が維持され、3月の金利引き上げの可能性は残りました。そのような状況の中で原油の反発、好決算、日銀のマイナス金利を好感し週末は大幅高となりましたが、今週も引き続き主要企業決算や原油相場に注目しながら一進一退の動きが想定されます。
先週の予測では、原油の反発からドルが買われ日銀の追加緩和の思惑からリスク回避の円買いが後退することになるとしました。
結果的に、原油の反発が継続してドル買いの方向となり、注目の日銀金融政策決定会合では、-0.1%のマイナス金利を決定したことで、円売りが拡大し心理的フシ目の120円を突破して一時121.69円までドルが買われました。
今週はアメリカでは、雇用統計を始め重要な経済指標が多く予定されており日銀がマイナス金利の導入をしたことで、これまでの単なる日米金利差拡大による円安という見方に、より円安に進みやすい状況になったといえます。ただ、雇用統計の結果次第で3月の利上げが見送られる可能性がでてくると円安はいったん止まることも考えられます。基本レンジは120~122円。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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