先週の予測では、日銀のマイナス金利を好感しての戻りがいつまで続くか要注意とし、どこまで戻るかは原油価格や為替の動きに左右されるとしました。戻る場合のチャートのフシは17,900円→18,100円→18,300円としましたが、結果的には1日(月)の高値17,905円をピークに週末は17,000円を切って引ける大幅下落となりました。
先週は、週始めの1日こそ、日銀のマイナス金利政策を受けて、欧米株式も大幅上昇し、その流れを引き継いで日経平均は一時△387円の17,905円まで上昇し、終値は△346円の17,865円となりました。しかし2日(火)は原油価格の反落と円高を嫌気し▼114円の17,750円と反落し、さらに3日(水)は原油価格が再び1バレル=30ドル割れとなったことで欧米株式が大幅下落となり、主要企業の2015年4-12月期決算で2016年3月期見通しの下方修正が相次ぎ(予想PERも15倍台に上昇したことで割安感がなくなり)、日経平均は一時▼642円の17,108円まで下落し、終値は▼559円の17,191円で引けました。そして4日(木)はアメリカの3月金利引き上げが後退したことで、ドルが売られ一気に2円をこす117円台の円高進行となったことで、▼146円の17,044円となり、週末の5日(金)もさらに116円台の円高進行となったことで▼225円の16,819円と17,000円を切って引けました。
日本市場の引け後のアメリカ市場では、注目の雇用統計で1月の非農業部門雇用者数は予想を大きく下回るものの、失業率は4.9%と2008年以来の5%割れと改善しており、強弱入り混じる形となりました。NYダウは▼211ドルの16,204ドルとなり、シカゴ日経先物は大証比16,560円となりました。
今週は、まずは先週末のアメリカの雇用統計の強弱入り混じった結果を受けて、どのように反応するかが注目となります。チャートは目先の下値抵抗線(昨年の9月29日の16,901円)を下回っており、シカゴ日経先物も16,560円となっていますので、ここから2つのシナリオが考えられます。1つは16,500~17,000円の間でもみあって上にぬける場合と、もう1つは16,500円を切って先月の1月21日の16,017円に対するダブル底を形成するような形となることです。
これまでの下落要因は、中国経済の悪化、原油価格の下落、そしてリスク回避の円高でしたが今回の下落はアメリカの経済指標が相次いで予想を下回っており、利上げ観測が後退してドル売りとなっていることもありますが、基本的には中国経済の悪化により日本の輸出関連の主要企業の決算が大幅に下方修正されているということにあります。下方修正されたことで、予想PERも15倍台となって割安感が薄れているため下値に買いがはいりにくくなっています。とはいっても下げ続ける相場というものはないので、これらの多くの悪材料をどこで織り込んでしまうのかが注目となります。その場合の2つのシナリオを上で述べました。
これだけ悪材料があっても今回の下げは、中国経済の悪化による業績の下方修正ですのでこれを織り込んでしまえば「悪材料出尽くし」から急反発が考えられます。好業績で底値圏にあるような銘柄を少しずつ買い下がっていいと思います。
8日(月)は、先週末の欧米株式の大幅下落と円高から▼198円の16,620円で寄り付き、シカゴ先物の16,560円を少し下回る16,552円まで下げた後、円安を好感し先物主導でプラスに転じ、後場になると一段高となって△184円の17,004円で引けました。今週は中国は春節のため休場ですので不安要因が1つない中、先物主導で上昇しています。
先週の予測では、目先の戻りは17,218円水準、ここをぬけると17,715円水準になるとしました。
結果的には、1月25日(月)に17,208円まで上昇して終値は△152円の17,110円となり、1月26日(火)は原油価格の再びの急反発で日経平均も△455円の17,163円となって柴田罫線で買転換出現となり、週末の1月29日(金)は日銀金融政策決定会合で追加緩和策としてマイナス金利導入発表で17,638円まで上昇して△476円の17,518円で引けました。
今週も週前半は、日銀の追加緩和を引き続き好感して戻りを試すことになりそうですが、目先は17,800円水準は上値は重たくなるところです。さらにマイナス金利を好感して反発していますが、この程度の追加緩和策で目先はどこまで戻るのか疑問といえます。
というのは1月29日の後場の日銀会合でのマイナス金利発表で、一時△597円の17,638円まで上昇後、すぐに▼274円の16,767円まで急落し、再びマイナス金利を評価して△476円の17,518円で引けました。ということは、このままマイナス金利を評価して上昇しても、それを織り込んでしまうと今度はマイナス金利の問題点に目が向けられ、いったん大きく売られる可能性があります。上値ポイントは17,890円→18,100円→18,322円となります。
2月8日(月)は△181円の17,699円と高く始まり、前引けは△315円の17,833円でしたが、後場になると上げ幅を拡大して17,905円まで買われ△346円の17,865円で引けました。17,890円をクリアーしましたので、次は18,100円水準を目指すことになります。
先週の予測では、原油価格や為替のリバウンドに合わせて戻りを試すことになるとし、柴田罫線では1月14日の16,482ドルをこえると買転換になるとしました。
結果的に、原油が25日急反落したことでNYダウも▼208ドルの15,885ドルと急反落。しかし原油が再び再上昇したことでNYダウは26日△282ドルの16,167ドルとなって買転換となりました。いったん大きく下落して安いところで買転換がでる形となりました。そして週末は日銀のマイナス金利を好感し△396ドルの16,466ドルと一段高となりました。
1月26~27日のFOMCでは、世界経済や金融の動向に注意を払う姿勢が示される一方で、アメリカ経済については前向きな判断が維持され、3月の金利引き上げの可能性は残りました。そのような状況の中で原油の反発、好決算、日銀のマイナス金利を好感し週末は大幅高となりましたが、今週も引き続き主要企業決算や原油相場に注目しながら一進一退の動きが想定されます。
先週の予測では、原油の反発からドルが買われ日銀の追加緩和の思惑からリスク回避の円買いが後退することになるとしました。
結果的に、原油の反発が継続してドル買いの方向となり、注目の日銀金融政策決定会合では、-0.1%のマイナス金利を決定したことで、円売りが拡大し心理的フシ目の120円を突破して一時121.69円までドルが買われました。
今週はアメリカでは、雇用統計を始め重要な経済指標が多く予定されており日銀がマイナス金利の導入をしたことで、これまでの単なる日米金利差拡大による円安という見方に、より円安に進みやすい状況になったと思われます。ただ、雇用統計の結果次第で3月の利上げが見送られる可能性がでてくると円安はいったん止まることも考えられます。基本レンジは120~122円。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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