先週の予測では、G20への期待から底堅いものの、原油、為替の動向に左右される展開で16,000円水準(15,700~16,300円のレンジ)でのもみあいを想定しました。 当面の動きとしては原油についてはサウジアラビア・ロシアなどの提案した生産量維持に対して他の産油国も支持する方向という報道がでており、原油価格の下げ止まりは期待できる状況になってきているとし、そうなるとリスク回避の円買いも徐々に後退していくことになるとしました。
週前半は、引き続き原油価格や為替の動きに左右される展開となりました。22日(月)は売り一巡後は、113円近い円安とG20への期待から先物主導で△220円の16,187円まで上昇し、終値は△143円の16,111円と反発して引けましたが、売買代金は今年最低(2兆581億円)となりました。23日(火)は112円前後までの円高進行を嫌気し▼19円の16,052円と小反落でした。24日(水)になると前日にサウジアラビアの原油相が減産については否定する発言から原油価格が33ドル台から31ドル台へと急落し、為替も111円台の円高となったことで▼251円の15,801円まで下げ終値は▼136円の15,915円の続落となりました。
しかし、25日(木)になると原油が反発し、やや円安方向の動きとなりさらに二階総務会長が2016年度補正予算編成の可能性に言及したことで△224円の16,140円で引けました。 週末の26日(金)になると前日にOPECの加盟国と非加盟国が3月中旬に会合を開催すると報じられると欧米株式は大幅高となり、アメリカ市場では、1月耐久財受注が予想を上回ったことも株価を後押しすることになり、日経平均は一時△331円の16,472円まで上昇しました。しかし、後場になると上げ幅を縮小し△48円の16,188円で引けました。
26日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場は、10-12月期GDPの改定値が予想を上回り、インフレ関連指数も予想を上回ったことで16,795ドルまで上昇する場面がありましたが、原油価格が下落に転じると反落となって▼57ドルの16,639ドルで引けました。為替は追加利上げ観測が急速に高まったことでドルが買われ1ドル=114円まで上昇して113.99円で引けました。
今週は、先週末のG20の結果を受けて株式市場がどう動くのかをみることになります。声明文では、市場混乱に危機感を招き、「世界経済の安定に向けて各国が政策を総動員する」としましたが、具体的な対策は各国にまかされ、協調というよりも駆け引きという状況で収束はみえませんでした。アメリカでは10-12月期のGDPの改定値が予想を上回り、消費統計でインフレ関連指標が予想を上回ったことで、経済は堅調との見方から早期の追加利上げ観測が高まり、一時、1ドル=114円をつける円安となり相場の上値を抑える結果となりました。G20では、各国が通貨安競争を回避するということもG20の声明に盛り込まれたことから、日銀の追加緩和は当面できにくくなったと考えられます。アベノミクスによる日経平均の上昇は、円安・株高という流れですので、アメリカの追加緩和観測による日米金利差拡大期待から円安を待つということになります。日本政府が2016年度補正予算を具体的に打ち出せば株高が円安を誘導することも想定されますが、そのためには、まず目先上値となっている25日移動平均線(29日前場16,508円)を上にぬく必要があるでしょう。
2月29日(月)は、前場はG20の声明や円安を好感し△124円の16,313円で寄り付いて16,464円まで上昇するものの、2月26日の16,472円を抜けなかったことや、中国株式が大幅安となっていることで上げ幅を縮小し△66円の16,255円となりました。後場になると買い先行で始まるものの上げ幅を徐々に縮小し先物の売りをきっかけにマイナスに転じ▼161円の16,026円で引けました。
先週の予測では、週前半は原油価格や為替の動きをみながら16,000円をはさんだもみあいが想定され、週後半は週末にG20があることから期待感で上昇する可能性があるとしました。チャート上では2月16日の16,341円を終値で上回れば17,000円を目指すとしています。
週前半は、2月23日(火)に原油価格の上昇を受け16,350円の高値をつけたあと2月24日(火)には原油価格の反落で15,801円まで下げて▼136円の15,915円となりました。しかし、再び原油価格が反発すると16,218円まで上昇して△224円の16,140円と3日ぶりに反発し週末の2月26日(金)は原油価格が急騰したことで為替も112円台後半の円安となり、一時△331円の16,472円まで上昇しましたが、利益確定売りで△48円の16,188円で引けました。ザラ場では、2月16日の16,341円を上回る16,472円まで上昇しました。
今週は、先週末のG20で、世界経済の安定に向けて各国が政策を総動員するとした声明を採択したものの、その対策は各国ごとにまかされており、期待を上回るものではありませんでした。アメリカではGDPの改定値が予想を上回り、消費関連指標もしっかりしていることから利上げ観測が高まり為替は円安にふれていることで、日経平均はどう動くのか期待と不安というところです。
チャートの形からは2月26日の16,472円とその上の25日移動平均線(29日時点16,508円)を上回って引ければ17,000円を目指す可能性があります。そうでなければ16,000~16,500円のボックス圏の動きが続くことになりそうです。
2月29日(月)は、G20の声明文を好感し、為替が円安となっていることで、高寄りして16,464円まで上昇するものの2月26日の16,472円をぬけなかったことで上げ幅を縮小し、中国株式の大幅安もあり後場には先物主導でマイナスに転じ▼161円の16,026円で引けました。
前週はチャートでは、昨年の8月25日の15,666ドル、今年の2月11日の15,660ドルとダブル底となっており、終値で16,511ドルを上回れば17,000ドルを目指す形になるとしましたが、2月17日には16,453ドルとなって買転換となりました。今週は、原油相場や経済指標を受けて一喜一憂する展開を想定しました。
結果的には、2月22日(月)に原油価格の反発を受け、NYダウは△228ドル16,620ドルとなったあと、2月23日(火)は原油価格の反落で▼188ドルの16,431ドルと下落するものの、すぐに反発となり2月25日(木)は原油の急騰と1月耐久財受注が予想を上回ったことで、△212ドルの16,697ドルとなって追加の買法則ろく買となりました。
先週は、10-12月期GDP改定値、インフレ指標が予想を上回ったことで追加の利上げ観測が高まり、2月25日は2月17日の買転換に続いて16,697ドルで追加の買法則(ろく買)出現となりました。今週は、月始めで発表される経済指標が多く内容が予想を上回れば早期の追加利上げが意識され上値は押さえられることになります。経済指標が想定内で原油が戻りを試せばNYダウは17,000ドルを試す動きとなりそうです。
先週の予測では、サウジアラビア、ロシアなどの生産量維持の提案を他の産油国も支持する方向にあるということで原油相場が回復して円安基調となる可能性があるとしました。
しかし、2月23日(火)にサウジアラビアの原油相は減産に関しては否定する発言をしたことで原油価格が前日33.84ドルの高値をつけたあと31ドル台まで急落となり、為替も113円台から111円台の円高となりました。その後、原油価格が30.56ドルをつけたあと反発となったことで為替もドルが買い戻されて112円台後半の円安となり週末の2月26日(金)は、アメリカの10-12月期GDP改定値が予想を上回り、インフレ指標の1つが上振れしたことで、年内利上げ観測が拡大しドルが113.99円まで買われ113.97円で引けました。
先週末のG20では、過度な変動をもたらす通貨安競争を避けることが確認され、アメリカの追加利上げの観測が高まったままであれば日米金利差拡大期待からゆるやかなドル買い・円売りが続くことになります。112.5~115円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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