先週の予測では、25日移動平均線をぬけなければ16,000円水準の日柄調整が継続するが、チャートの形からは25日移動平均線(29日時点16,508円)を上回ると17,000円を試す可能性があるとしました。それは基本的に15,800~16,500円の日柄調整が続いており、このボックス圏を同時に上放れする形となるためでした。先週いっぱいは16,000円水準の日柄調整のあと、週末のアメリカの雇用統計を受けて今週のメジャーSQに向けて上昇と考えていましたが、結果的には週始めの2日だけもみあい3日目からは上放れとなりました。
週明けの29日(月)は前週末の26日(金)のアメリカ市場で10-12月期GDPが予想を上回ったことで経済の堅調さが確認され、ドル高・円安となって一時114.0円まで円安が進んだこともあり、又、G20の共同声明が相場の下支えとなり、前場は16,464円まで上昇するものの、後場になると中国株式が昨年来の安値となる急落となり、つれて為替も112円台の円高へふれたことで▼161円の16,026円と反落しました。翌日の3月1日(火)も中国の経済指標が予想を下回ったことで15,857円まで下げましたが、円高一服と中国株式の堅調な動きで△54円の16,086円と反発しました。 結局、週前半は16,000円をはさんだもみあいでした。
2日(水)になると、前日のアメリカ市場で原油価格が1バレル=34ドル台まで上昇し、さらに経済指標の改善からNYダウは△348ドルの16,865ドルとなっていたことで、大幅反発となり△661円の16,746円と1カ月ぶりの高値となり、25日移動平均線を突破すると同時に16,000~16,500円のボックス圏を上放れすることになりました。そのため3日(木)は△213円の16,960円、4日(金)は△54円の17,014円と今年始めての3連騰、4連騰となって引けました。 出来高、売買代金が上昇幅のわりに増加していないのは先物中心の買い戻しが原動力になったと思われます。
日本市場の引け後の4日(金)のアメリカ市場は、注目の2月の雇用統計は雇用者数が予想を上回ったものの、平均時給は予想外に低下し、1月の貿易赤字は一段と拡大したことで、FRBは3月の利上げを見送るとの見方が相場を支えNYダウは△62ドルの17,006ドルと17,000ドル台を回復しました。為替は円売り・ドル買いは拡大しませんでした。
先週は、2月中旬以来の15,800~16,500円のボックスゾーンを上にぬけ、先物主導の買い戻しが原動力となって17,000円台を回復して引けましたが、今週は、この買い戻しが一巡して次の上昇が継続するかどうか見極めることになります。為替も1ドル=115円を上回る円安となっていないので、このまま上昇が継続するのは難しいかもしれません。5日から16日まで中国の全国人民代表大会(全人代)もあり注目するところです。ただ、10日(木)にECB理事会が開催され前回(1月)に追加緩和を示唆していたので今回何らかの具体的な追加策がでてくるのかどうか期待されるところです。何か出てくれば為替は円安方向の動きとなって株価は上昇する可能性があります。週末のメジャーSQがあり何か好材料待ちとも言えるでしょう。 基本的には、今週は大幅上昇後の一服が想定され、ECB理事会でなにもなければ来週のアメリカのFOMC(15~16日)を控え、ここまでは様子見が続く可能性もあります。
先週末の雇用統計の予想を上回る結果を受けて△9円の17,024円でスタートするものの、上述したような買い戻しの一巡やフシ目の17,000円回復による達成感もあり、利益確定売りにおされ、一時16,900円を割り込む場面もありましたが、終値は▼103円の16,911円となりました。
先週の予測では、前週のG20での声明の採択やアメリカでは10-12月期のGDPが予想を上回ったことで、利上げ観測が高まり週明けの日経平均は、どう動くのか期待と不安というところとしました。
しかし、チャートの形からは2月26日の16,472円とその上の25日移動平均線(29日時点16,508円)を上回って引ければ17,000円を目指す可能性があるとしました。
週明けの日経平均は、先週末海外で為替が一時、114.0円までの円安進行となったのを好感し、週始めは16,464円まで上昇するものの反落となり、3月1日(火)には15,857円まで下げ16,000円をはさんだもみあいとなりました。しかし、原油高とアメリカの経済指標の改善で海外株式が大幅高となり、3月2日(水)の日経平均は△661円の16,746円となって25日線を軽くクリアーし、1カ月ぶりの高値となりました。25日線を上回ったことで買い戻しが加速し3月3日(木)は△213円の16,960円、3月4日(金)は△54円の17,014円と今年始めての3連騰、4連騰となりました。
3月7日(月)は△9円の17,024円と小幅高で寄り付き、17,026円を高値にジリジリ値を下げ終値は▼103円の16,911円で引けました。
先週の予測では、2月25日に16,697ドルで追加の買法則(ろく買)がでており、経済指標の内容がよければ上昇するものの早期利上げが意識され上値は押さえられるとしました。ただ、原油が戻りを試せばNYダウは17,000ドルを試す動きとなりそうだとも想定しました。
週明けの2月29日(月)は、経済指標が冴えず▼123ドルの16,516ドルと反落するものの3月1日(火)は経済指標が予想を上回り原油が1バレル=34ドル台まで上昇したことでNYダウは△348ドルの16,865ドルの大幅高となりました。その後は経済指標の改善を受けて3月2日(水)は△34ドルの16,899ドル、3月3日(木)は△44ドルの16,943ドルと続伸し週末の3月4日(金)は、2月の雇用統計が予想を上回り原油価格も35.92ドルと一段高となったことで、△62ドルの17,006ドルと4日続伸となりました。
今週は、先週末17,000ドルにのせたことや、5日から16日までの中国の全国人民代表大会や10日のECB理事会、又、来週の15~16日のFOMCを控える中、ECB理事会での追加緩和や原油価格の動きに影響されることになるでしょう。NYダウの上値はチャートからは17,100ドルをこすと上値は重くなるところです。一方で、短期の上昇トレンドを上放れした形もみられ下値は限定的と思われます。
先週の予測では、G20で過度な通貨安競争を避けることが確認され、アメリカの経済が堅調で追加の緩和観測が高まっていれば、日米金利差からゆるやかなドル買い・円売りが続くことになるとしました。
結果的には、3月1日(火)はアメリカの経済指標が予想を下回ったことで、ドル売り・円買いとなって112円台前半へ、3月2日(水)のアメリカADP雇用統計は予想を上回ったことでドルが買われ114.56円までの円安となり、3月4日(金)は2月雇用統計で雇用者数は予想を上回るものの、平均時給は予想外の減少で早期の追加緩和は後退との見方から円安は進まず113円台後半で引けました。
今週は、ドルは底堅くFOMCを控えて調整的なドル買いも考えられます。もし10日のECB理事会で何らかの追加緩和策があれば、ドル買い・円売りの流れとなります。但し、円安となってもドルの上昇トレンドを下に切っていますので115円からは上値は重くなります。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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