前週は、2月中旬以来の15,800~16,500円のボックスゾーンを上にぬけ、週末の3月4日(金)は、△54円の17,014円と今年始めての4連騰で17,000円台を回復して引けました。しかし、市場ボリュームからみると買い戻し中心であり円安も進んでいないことから、このまま上昇するのは難しく利益確定売りで一服し10日(木)のECB理事会で追加金融緩和が実施されれば株価は上昇する可能性があると想定しました。結果的に週始めから3日続落、週後半2日上昇となりました。
週前半は、5日からの中国の全国人民代表大会(全人代)や、10日のECB理事会の重要イベントへの警戒感のもとにメジャーSQを控え売り優勢の展開となって7日(月)は▼103円の16,911円、8日(火)は▼128円の16,783円、9日(水)は一時16,494円と16,500円を割れて▼140円の16,642円と3日続落となりました。
しかし、10日(木)になるとECB理事会を控え、追加緩和の観測が拡大したことで、売り方の買い戻しをベースに先物主導で上げ幅を拡大し、△210円の16,852円となりました。ただし、売買代金は今年最低となっており買い戻しが中心だったと考えられます。この日の引け後の注目のECB理事会では市場予想を上回る結果を受けて、欧州株は発表直後は大幅上昇するものの、ドラギ総裁が先々の追加緩和に慎重な発言をしたことで、ECBの緩和の打ち止め感が広がり、一転欧州株は急落となりました。
11日(金)の日本市場は、前場はドラギ総裁の発言を嫌気し、一時下げ幅を拡大して16,575円まで下げて▼146円の16,705円となりましたが、後場になると切り返し△86円の16,938円で引けました。今週の乱高下は、ヘッジファンドなどによる投機的な売買の影響と考えられます。中央銀行などの大きなイベントが近づくとリスクをとったポジションを持ち、それが通過すればポジションを巻き戻して落ち着くという流れになるでしょう。
週末のアメリカ市場では、欧州でECBの緩和策が改めて見直され、欧州株は大幅高、原油も高く経済指標も悪くないことからNYダウは△213ドルの17,213ドルとなり、シカゴ日経先物は△200円の17,050円となりました。
今週は、15日(火)~16日(水)に日銀金融政策決定会合、16日(水)~17日(木)にFOMCのほかアメリカでは2月の経済指標の発表が相次ぎます。基本的に日銀金融政策決定会合やFOMCは現状維持の見方が多く、相場に影響を与える可能性は少ないものの、FOMC後のイエレン議長の会見で年内利上げの時期や回数を予想させるようなものがでるのかどうかが注目となります。ただし、2月の経済指標の改善が相次げば早期の利上げは高まることになりアメリカの株価の上値を抑えるでしょう。
イベントが通過すれば、アク抜け感で日本株に対する警戒感も薄れていくものの、日経平均は大きく上昇していくには早い段階で1ドル=115円台を回復する必要があります。115円をこえない円高が継続すれば輸出企業の来期の業績予想にマイナスの影響がでて、中国経済の不透明要因を考えると輸出企業がなかなか上昇できないと思われます。そうなると内需株中心にどこまで日経平均が上昇できるのかとなり、日銀の追加緩和を期待せざるをえないことになります。
日経平均のチャートをみると、17,042円を終値で上回ると、ろく買という追加の買法則がでて一段高の可能性があり、この場合2月1日の高値17,905円までは価格帯別、出来高は薄く真空地帯のようなものといえますが、市場ボリュームが増加しなければ、外部環境次第で投資筋に振り回される展開も考えられます。
3月14日(月)は△294円の17,233円となってろく買が出現し、先高感の高い形となりました。多少の悪材料がでても上下動を繰り返して上値を試すことが想定されます。
先週の予測では、大幅上昇後の利益確定売りで一服が想定されるとしました。週前半は5日から始まる中国全人代や10日のECB理事会での追加緩和があるのかないのか様子見、週末のメジャーSQに向けての売り方優勢の中で3月7日(月)は▼103円の16,911円、3月8日(火)は▼128円の16,783円、3月9日(水)は112円台への円高もあり、一時16,494円と15,000円を割り込み▼140円の16,642円となりました。
しかし、3月10日(木)になると、この日の引け後のECB理事会への期待から買い戻し中心に反発し△210円の16,852円、週末の3月11日(金)はECB理事会の追加緩和策を受けて前場は売られたものの、後場にはプラスに転換し、△86円の16,938円で引けました。メジャーSQに絡んで3日間で16,500円を割りこみ一服となったものの、週末は16,938円と16,900円台で引けました。
今週は、先週末の欧米株式がECBの追加緩和策を改めて好感して大幅高となり、シカゴCMEは17,050円となっていることで、終値で3月4日(金)の17,042円を上回るとろく買という追加の買転換となり、上値を試すことになりそうです。但し、14~15日の日銀金融政策決定会合、15~16日のFOMCを控えており、様子見ムードが高まるかもしれません。イベントを経過する週後半に戻りを試すことがズレ込むことも考えられます。チャートでは、17,042円を終値でぬけると一段高となります。
3月14日(月)は△294円の17,233円でろく買が出現したことで、一段高の形となりますが商いは閑散という状況ですので相場環境に振り回される展開も考えられます。しかし、落ち着けば戻りを継続することになります。
先週の予測では、17,000ドルにのせたものの中国全人代やECB理事会を控え、ECB理事会の追加緩和の行方に影響されることになるとし、上値は17,100ドルをこすと重くなるとしました。
週始めの3月7日(月)は原油価格の大幅高を受け△67ドルの17,073ドルとほぼ2カ月ぶりの高値をつけましたが、3月8日(火)は弱い中国の経済指標と原油安を受けて▼109ドルの16,964ドル、その後は17,000ドルをはさんでもみあいましたが、週末の3月11日(金)はECBの緩和策が好感され△218ドル17,213ドルと大幅上昇し4日続伸となりました。
先週は、予想を上回るECBの追加緩和策を受けて17,100ドル台を突破し、17,200ドル台となってきました。 今週は15~16日にFOMCが開催され、終了後のイエレン議長の会見が注目となります。雇用統計は好調だったものの、インフレの見通しをめぐり足元は不透明感が強く、ECBの追加緩和を受けてアメリカが利上げの方針に向かうのか変更が生じるのかどうかが注目されます。今週は2月の経済指標が相次ぐため、予想を上回るものが多ければ年内の追加利上げに肯定的な見方が強まり株価の上値は重くなるでしょう。逆に利上げが当面ないとの見方になれば株価は上昇することになると思われます。当面は17,000~17,500ドルのレンジの動きを想定。
先週の予測では、10日のECB理事会で何らかの追加策がでればドル買い・円売りの流れとなるが、円安となってもドルは上昇トレンドを下に切っているので、115円からは上値は重くなるとしました。
週前半は、欧米株安を受け日経平均は3日続落となり、為替は112.2円までドルが売られました。しかし、その後は原油価格の先高感からリスク回避的な円買いが縮小しECB追加緩和を受けて114.45円までのドル買い・円売りとなりました。
今週は3月14日~15日の日銀金融政策決定会合、3月15~16日のFOMCが注目となりますが、市場の見方はいずれも現状維持で決まるというのが大勢ですので、そうなると現状維持は現在の為替相場には織り込まれているので、ドル・円相場はもみあいが続くことになるでしょう。112.5~115円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
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