先週も、週末に日銀短観やアメリカの雇用統計を控えて、それまでは17,000円をはさんだもみあいが続くとしました。チャートの動きとしては下にいく場合は、3月18日の16,613円を下回ると下放れとなって3月9日の16,494円を試す動きとなるとしました。期末の動きとしては29日(火)の権利落ちが約130円といわれているので、配当落ちを埋めて17,100円を突破するようなら上への期待がもてるが、逆に16,900円を下回るようだと相場は弱いことになるとしました。その理由は、過去の価格帯の出来高が16,900~17,100円がフシになっているからだとしました。流れとしては現時点では、上昇基調を維持していましたが週末に日銀短観の大幅悪化と円高を嫌気し▼594円の16,164円と予想外の急落となりました。
結局、先週は日銀短観による景況感悪化と円高を嫌気し1カ月続いたこう着相場が下放れしてしまいました。28日(月)は為替の円安を好感し、又、3月期末配当や権利付売買最終日だったことで盛り上がりに欠けるものの△131円の17,134円と2日続伸しました。29日(火)は3月配当落ち分(128円)を下回る下げの場面もありましたが、底固い動きとなり▼30円の17,103円となりました。かろうじて17,100円を少しこえたものの、勢いが弱く30日(水)は▼224円の16,878円と16,900円を下回り相場は弱い形となりました。31日(木)は期待されていた年度末のドレッシング買いもはいらず▼120円の16,758円と3日続落となりました。そして週末の4月1日で新年度のスタートは3月日銀短観で大企業のDI(景況判断指数)が2四半期ぶりの大幅悪化、特に消費税増税直後の2014年6月調査を上回る下げ幅となり、日経平均は一時600円をこす下げとなり▼594円の16,164円で引けました。
日本市場の引け後のアメリカ市場では、3月雇用統計や3月ISM製造業景況指数は好調で、アメリカの景気減速懸念は後退し、NYダウは△107ドルの17,792ドルと上昇しましたが、早期の利上げ観測につながらずドル売りに押され1ドル=111.62円で引けました。
先週末は、下げた場合の想定として3月18日の16,613円を下回ると3月9日の16,494円を試す動きとなるとしましたが、さらに一段安となって16,113円まで下げて▼594円の16,164円と大幅下落となりました。3月31日(木)は▼120円の16,758円となったものの、ここまでは3カ月弱の右肩上がりの日柄調整を続けていたので、7月の参議院選挙に向かって4月以降は好材料の出る可能性の高いイベントを控えて新年度は好スタートの期待がありました。しかし、日銀短観の悪化によって逆に600円近い急落となりました。
この日銀短観による景気悪化が急落の理由であれば、このまま下値模索となれば催促相場となって景気対策が出ることになります。問題は安倍総理がいつ動いて、いつ好材料が出るのかは誰にもわからないことです。
5月26~27日の伊勢志摩サミットを控えており、その前に景気対策としての補正予算や消費税増税の凍結が出る可能性が高いと思われます。又、7月に参議院選挙を控えていますが、衆参同時選挙になるという見方が暗黙の了解となっています。 そうであればある時点で好材料を出して、株価を高い水準に戻しておく必要があります。18,000円水準ぐらいでないと効果はないと思われますので、次々と好材料が出る期待はもてます。
以上のことを考えると先週末の急落はさらに下値があるとしても年に数回しかない下げでの買い水準到来になると考えていいかもしれません。
投資で失敗するのは突然の急落が起こった時、恐怖からどこまでも下げ続けるという心理状態に陥って、投げてしまうということです。今年の相場を考えて株式市場に上昇する材料がないならば手仕舞ってしまうということも考えるべきでしょうが、株式市場には常に悪材料と好材料が混在しており、先週は円高と日銀短観の大幅悪化という悪材料がでたところであり、これを織り込むと次は好材料(日銀の追加緩和、消費税増税見送り、伊勢志摩サミット、衆参同時選挙など)がクローズアップされてくることになります。4月にもたついても1カ月我慢すれば、18,000円に向かう上昇が期待できます。余裕がある人はこの下げ場面は何回に分けて買う場面だと考えられます。
目先は16,000円をはさんだ±200円のゾーンの動きの中で、下値を確認するのか、それとももう一段下にいくのかは為替次第というところです。チャートからみると2月12日に14,865円の安値をつけたあと1,000円近い急騰となっていますので、ここは真空地帯であり1ドル=110円を試すような動きになると15,800円を切ると真空地帯を一気に下げる可能性があります。もちろん、そうなった時には間違いなく何らかの対策がでることになります。又、12月1日の20,012円からの下降ラインにサポートされるとしたら15,500~15,800円で止まることも考えられます。16,000円から下はいくつかのパターンを考えておくとよいでしょう。
4月4日(月)は、前場は円高、原油安を嫌気して▼76円の16,087円で寄り付き、一時▼134円の16,029円まで下げたものの、売り一巡後はプラス圏を回復し前場は△33円の16,197円でした。後場になると再びマイナスに転じ終値は▼40円の16,123円で引けました。
先週の予測では、基本的には17,000円をはさんだもみあいとし、下にふれる場合は3月18日の16,613円を下回ると3月9日の16,494円が目先の下値抵抗ラインになるとしました。
結果的には、週半ばの3月30日(水)までは17,000円をはさんだもみあいとなっていましたが、3月29日(火)のイエレン議長の利上げに慎重な見方からドル売り・円買いの方向となり、日経平均はやや下向きになり、3月31日(木)は▼120円の16,758円で引けました。そして週末は3月日銀短観が大きく悪化したことでもみあいの下放れとなって急落し、▼594円の16,164円で引けました。
今週は基本的には、16,000円水準での下値もみあいとなりそうです。その中で下値を確認できるのか、それとももう一段下げる動きとなるのか為替の動き次第となります。チャートからは下値は16,000円水準、15,800円水準、15,500円水準となります。催促相場の形ですので、すぐに反発に転じるのは好材料が出ない限り難しいと思われます。上値は16,600円が当面のフシとなります。
4月4日(月)は、円高と原油安で▼76円でスタートし一時▼134円の16,029円まで下げましたが押し目買いからプラスに転じる場面もありましたが終値は▼40円の16,123円となりました。
先週は、これまでの早期利上げ観測が後退してドル売り、円高となって株価が戻ってきていたところに複数の連銀総裁が4月利上げを支持する発言から早期利上げ観測が再燃し1ドル=113円台までの円安となっていたことで、この見方が継続すれば株価の上値は重くなり、上昇一服となる可能性があるとしました。
しかし、3月29日(火)にイエレン議長がアメリカ経済は堅調であるが、世界経済は不透明なので追加利上げは慎重に進めると強調したことで、再び早期利上げ観測が後退し、ドル売り・円買いとなりました。株価も順調に上昇し週末の4月1日(金)のNYダウは△107ドルの17,792ドルと年初来高値を更新し昨年来の戻り高値ゾーンに接近しています。
今週は、先週末のイエレン議長の追加利上げに慎重な見方から、ドル売り・円買いとなって株価は上昇してきましたが、チャートは17,800~18,000ドルという過去に大きく出来高を伴っているゾーンにはいってきましたので、ここからの上値は重くなりそうです。昨年の12月1日の17,895ドルを突破すると18,000ドルを試す動きとなります。
先週は、前週から複数の連銀総裁が4月利上げの可能性について言及していたことで早期利上げ期待でドル買いが継続することを想定していました。しかし週始めの3月28日(月)までは113円台の円安の動きでしたが、3月29日(火)にイエレン議長がアメリカ経済は底堅いとの見方を示した一方で、追加利上げは慎重に進めることを強調したことでドルが売られ円高にふれました。注目の4月1日(金)の雇用統計は予想通りで、3月ISM製造業景況指数は大きく予想を上回りましたが、追加利上げ観測にはつながらずドル売りに押されイギリスのEU離脱懸念からリスク回避の円買いも加わって111.62円で引けました。
イエレン議長の追加利上げに慎重な姿勢から9月以降の見方が大勢となっていますが、好調な経済指標が続くようであれば6月利上げの可能性も残っています。又、日本市場の急落で日銀の追加緩和期待もでてきますので、そのまま円高が継続することはないと思われます。強弱感が対立し112円前後でのもみあいが想定されます。111~114円のレンジ内の動きと想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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