先週の予測では、前週に引き続き15,500~16,000円の中のもみあいが続くとし、その日柄調整が完了して上昇する場合と、いったん下落して大きく反発していく場合を想定しました。しかし、原油先物価格が17日(日)の産油国会合での凍結期待から反発に転じ、サウジアラビアとロシアが増産凍結に合意するとの報道から1バレル=42ドル台となったことで、アメリカ株高、円高一服となり、日経平均は12日(火)~14日(木)の3日間で1,159円の上昇となりました。週末は、16,928円まで上昇して利益確定売りから▼63円の16,848円と小反落で引けました。
週始めの11日(月)は、為替が再度107円台の円高となったことで、一時300円をこえる下げとなって15,525円まで下落し、終値は円高一服となったことで▼70円の15,751円で引けました。12日(火)はテクニカル面で割安になっていたところに原油価格の反発で円高一服となったのをキッカケに主力株が買われて△177円の15,928円と反発しました。13日(水)は、17日の産油国会合を控えロシアとサウジアラビアがイランの動向にかかわらず増産凍結で合意したとの報道で原油先物が大幅高となり、NY株高、円安を受けて日経平均は△452円の16,381円と大幅続伸となりました。さらに、14日(木)は中国の貿易統計の改善を受けて世界景気の警戒感が後退し、NYダウは△187ドルの17,908ドルと大幅続伸となり、為替は1ドル=109円台の円安進行となったことで、日経平均は主力株中心に上げ幅を拡大し、先物にも大量の買いがはいって全面高となり、△529円の16,911円と3月29日以来2週間ぶりの上昇幅となっていたことで、15日(金)の朝方は、一時▼190円の16,720円で寄り付くものの、その後は下げ幅を縮小し、△17円の16,928円とプラスに転じる場面がありましたが、利益確定に押されて▼63円の16,848円で引けました。
15日(金)のアメリカ市場では、17日の産油国会合を控えイランの原油相が欠席するとのニュースを嫌気し、原油価格が一時40ドルを割る動きとなったことで、エネルギー株が下落し、NYダウは▼28ドルの17,897ドルと反落となりました、シカゴ日経先物は▼155円の16,605円で引けました。
先週は、12日(火)~14日(木)の3日間で1,159円の大幅上昇となりました。新しく材料が出たのかというとそうではなくテクニカル的な割安感になっているところに17日の産油国会合を控え、増産凍結期待から原油価格が上昇し、サウジアラビアとロシアの増産凍結の合意との報道で、1バレル=42ドル台となって欧米株式が上昇し、為替もドル高・円安となったことがキッカケでした。これに中国の貿易統計が改善されたことで世界景気の懸念が後退し、NYダウが5カ月ぶりの高値をつけたことで、日経平均も主力株が買われ先物主導で17,000円に接近する動きとなりました。又、需給面からは外国人の売り越しが年初から13週連続で5兆円を越える売り越しとなっていましたが、4月の第1週(4~8日)に14週ぶりの326億円の買い越しとなりました。
これだけ大きく上昇した材料は見当たりませんが、上昇中にいろいろと小さな好材料が出てきたことで、買い方に勢いがついて結果的に大幅上昇したという相場のようにみえます。たとえば、17日の産油国会合でOPECのメンバーすべてが増産凍結に合意すれば原油価格はさらに上昇して大きな好材料となりますが、ロシアとサウジアラビアの合意報道は期待先行のように思われます。イランの原油相は、会合に欠席の報道もあり、原油価格は一時40ドルを切りました。産油国会合がうまくまとまらなければ失望売りとなって為替、株式にも影響する可能性があります。
IMFは、2016年の世界経済の成長見通しを+3.4%→+3.2%に下方修正しており、楽観視はできませんし、中国経済の動きも不透明です。
一方で、日本株式にとっては5月の伊勢志摩サミットを控え、安倍政権は株式を上昇させたいところであり熊本地震の悪影響を抑えるために今月末の日銀金融政策決定会合で追加の金融緩和が行われるとの見方もでています。G20では、「通過安競争は回避すべき」という通過安定の声明が出される予定ですので円高への流れはいったん止まる可能性があります。
日経平均のチャートをみると、目先の上値は3月14日の17,294円を終値で突破することですが、その前に16,800~17,200円は価格帯出来高があついところですので、この水準を突破できるかどうか注目となります。1カ月前(3月14日に17,294円)に17,000円台でもみあってから4月8日の15,471円まで下がりましたので、いったん17,000円台をつけて目標達成感となったあともみあうと下落の確率が高まります。17,000円台に到達せず下落すれば押し目買いの形となって再度17,000円を試すことになり、その場合17,294円を上にぬけなければ再下落となります。ただし、大きく下げても5月の伊勢志摩サミット、又は7月の参議院選挙に向けて消費税増税延期などの材料待ちとなります。
4月18日(月)は、17日の産油国会合で増産凍結がまとまらず失望売りで原油価格が急落、為替も1ドル=107円台の円高、さらに熊本地震の被害拡大も投資家心理を冷やし、先物主導で一時▼593円の16,254円まで下げて▼572円の16,275円で引けました。先週は大きな上昇でしたが、特に材料がでたわけでもなく下げすぎの大きな反発、上がりすぎれば大きな下落というように今年の特徴は大きな上下動を繰り返して戻りを試していく形になりそうです。つまり、上がり続ける相場にも下がり続ける相場にもなりにくいので、大きく下がったところで買い、大きく反発したところで利益確定して、再び下がるのを待つという投資スタンスになると思われます。目先の下値は16,000円水準で止まるか、再び15,500~16,000円のボックスにはいるのか見極めるところです。
先週の予測では、上にいくのには日柄調整が十分でないため15,500~16,000円のレンジでの日柄調整を想定しました。
結果的には、テクニカル的な割安感がでていたところに17日の産油国会合での増産凍結期待から原油価格が大幅上昇となり、欧米株式も大幅上昇し、為替は1ドル=109円台までの円安となったことで、4月12日(火)、4月13日(水)4月14日(木)の3日間で1,159円の上昇となり、4月14日(木)は△529円の16,911円となりました。主力株中心に買われ先物も買われて、又、政府のPKOも加わって予想外の上昇となりました。
今週は、先週急騰後の反動もあり利益確定優先で始まりそうです。さらに17日(日)の産油国会合がうまくまとまらなければ期待で上昇してきただけに原油価格がいったん反落し、株式市場にとってはマイナス要因となります。但し、需給関係は改善しており日銀の追加緩和期待もあり、下げても押し目買いがはいることになります。チャート上は、3月14日の17,294円を終値でぬけると一段高が期待できますが、その前に16,800~17,200円のゾーンが価格帯出来高で膨らんでいるところですので抵抗ゾーンとなりそうです。
4月18日(月)は、産油国会合で増産凍結が合意できず、原油価格は失望売りで急落。為替も107円台の円高、さらに熊本地震の被害拡大で16,254円まで下げて▼572円の16,275円の大幅下落となりました。目先は16,000円水準が下値ポイントとなり、ここを切ると15,800円水準です。大きく下げたところは押し目買いとなります。
先週の予測では、1-3月期の決算が始まるが、早期利上げが後退し低金利が継続されることで金融セクターの収益悪化が決算に出るようだとアメリカ株式もいったん調整の可能性があるとしました。しかし、原油価格が17日の産油国会合を前に増産凍結期待から上昇に転じ、4月12日(火)にロシアとサウジアラビアの増産凍結で合意に達したとの報道で200日移動平均線を上にぬけ、1バレル=42.25ドルまで上昇しました。これを受けてNYダウは△164ドルの17,721ドルと大幅反発し、さらに4月13日(水)は中国の貿易統計の改善を受けて世界景気の警戒感が後退し、△187ドルの17,908ドルと5カ月ぶりの高値となりました。その後の企業決算は、ほぼ市場通りの予想となり高値圏でのもみあいとなって4月14日(木)は△18ドルの17,926ドル、4月15日(金)は▼28ドルの17,897ドルとなりました。
今週は、17日の産油国会合や決算内容次第では一服する可能性も。チャートをみると18,000ドル台は2015年の三尊天井となったところであり、上値は重いと考えられます。
先週も、110円のフシを切って下放れとなったことで、下値水準をさぐる展開を想定。円安基調が持続しやすい状況ですが、急激なドル安・円高は日本政府の対応もでてくる可能性があるので107~110円のレンジを想定しました。
11日(月)には、政府・日銀による円売り介入の思惑が後退して107.63円までの円高となるものの、その後原油価格の上昇とベージュブックで全米で経済活動が伸びていることが報道され、ドル買いが強まって109.7円までのドル高・円安となりました。しかし、週末の15日(金)は、イランの原油相が産油国会合に欠席するというニュースでドルが売られ108.65円で引けました。
今週は、日米の金融政策をめぐってもみあいとなりそうです。アメリカの早期利上げは後退しており、産油国会合も全体合意ができなければドル売り・円買い要因、一方で日本では熊本地震の影響を考慮して4月27~28日の日銀の会合で追加の緩和の思惑がでており円安要因となっています。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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