先週の予測では、ゴールデンウィーク前は、利益確定が基本とし日銀の追加緩和期待があるものの、発表で目先材料出尽くしとしました。前週は27~28日の日銀の追加の金融緩和期待を織り込む上昇であり、下げても下値は限定的で18,000円に接近すれば目標達成感、結果発表で材料出尽くしとなる可能性があるとしました。
結果的には、市場は日銀の追加緩和を織り込んで上昇していたところが、金融政策の「現状維持」を発表したことで、円が111円台から108円台への急騰、つれて日経平均は▼624円の16,666円の急落となりました。
週始めの25日(月)は、ドルが111円台半ばで上げ一服となったことで、前週の大幅反動から利益確定売り優勢となり、▼133円の17,439円のスタートとなりました。その後はFOMCや日銀の金融政策決定会合を控え様子見ムードもあり円強含みとなったことで、26日(火)は▼86円の17,353円、27日(水)は▼62円の17,290円と3日続落となりました。ゴールデンウィーク前日の28日(木)の前場は、前日のFOMCの利上げ見送りを受けてNYダウが上昇し、原油価格も1バレル=45.62ドルと半年ぶりの高値をつけたことで為替も111円台半ばまでの円安となったことで一時△281円の17,572円まで上昇しました。 しかし、後場の始まる前に日銀金融政策決定会合で「金融政策の現状維持」を決めたことでマイナスサプライズとなり、ドル/円は108円台まで円高進行、日経平均も売り注文殺到で急落となり▼624円の16,666円で引けました。1日の値幅としては高値17,572円から16,652円まで下落し、その下げ幅は920円と今年最大となりました。
28日(木)の引け後のアメリカ市場では、1-3月期GDP速報値が予想を下回り、日銀の予想外の「現状維持」を受け、リスク回避の円買いで円が急騰したことが株式市場にもマイナス影響を与え、NYダウは▼210ドルの17,830ドルと2月11日以来の大幅安となりました。シカゴ日経先物は▼225円の16,275円でした。
週末の29日(金)は、アメリカの経済指標がさえない中、ドル/円は106円前半まで円高が進行し、欧米株安となったこともありシカゴ日経先物は▼640円の15,880円となりました。
今週は、2日(月)と6日(金)の2日間の取引しかなく、先物主導で不安定な動きとなり、先週28日(木)の日銀の金融政策の「現状維持」でリスク回避の円買い株売りと、海外の売り圧力が強まりそうです。特に29日(金)に米財務省が為替政策の「監視リスト」に設定したことで政府・日銀は為替の介入が難しくなったため急激な円高となっていると考えられます。
米財務省は、新たに設けた「監視リスト」に日本の他に中国、韓国、台湾を入れており、不公平な為替政策の可能性があるとする3つの基準全ても抵触したと判断されれば2国間協議を開始したり、場合によっては制裁対象になります。これによって今後、アベノミクスの円安・株高が難しくなってきたと考えられます。アメリカは為替政策に頼るよりも日本は内需拡大策、構造買改革をすべきだと無言の圧力をかけているということでしょう。麻生財務相は、急激な円高に対しては手を打つといっていますので、目先は一服して買い戻しがあっても円高基調が続く可能性があります。
とりあえず、5月末には伊勢志摩サミットを控えており、下値を確認したらいったん反発していくことになるでしょう。その下値は為替次第ということになりますが、1ドル=105円を守れるようですと4月6日の終値15,715円、もしくは4月8日のザラ場安値15,471円に対する2番底のような形から反発となる可能性があります。もし、為替が105円を下回る動きになると一時15,000円を割れる可能性があります。しかし、15,500~15,800円水準は下値ゾーンとみていいかもしれません。為替が105円を切るか切らないかチェックしながら買っていくところと思われます。
先週は、27~28日の日銀金融政策決定会合での追加緩和期待から、利益確定売りで下げても下値は限定的で上昇が継続する可能性があるとしました。一方で追加緩和が期待ハズレなら大きな下げが考えられると想定しました。
しかし、週明けは利益確定売りから3日連続安となり日銀の発表待ちで様子見ムードが強くなりました。4月28日(木)の前場は前日のFOMCでの利上げ見送りや午後からの日銀の追加緩和への期待から一時△281円の17,572円まで上昇しました。ところが昼休みに日銀は予想外の「現状維持」発表で円が111円台から108円台へ急騰し日経平均は▼624円の16,666円の急落となりました。日経平均の1日の高値から安値までの下げ幅は920円と今年最大となりました。
先週末のアメリカ市場では、日銀の「現状維持」からドル売り・円買いが続いており、一時1ドル=106.28円までの円高となったことでシカゴ日経先物は▼640円の15,880円となっているため今週の日経平均は取引は2日と6日だけのため、薄商いの中を波乱の展開となりそうです。チャート上は4月の終値ベースの安値4月6日の15,715円、ザラ場の4月8日の15,471円が目先の底打ちポイントとして意識されそうです。
2日(月)は、▼308円の16,357円で始まり、▼691円の15,975円と16,000円を割り込み、その後は下げ渋ったものの戻り弱く▼518円の16,147円で引けました。
先週の予測では、18,000ドル台では上値重く、日足で上ヒゲを出してきているため高値波乱の可能性があるとしました。そのため17,700~18,200ドルのレンジ内での動きを想定しました。
週始めから半ばまでは、18,000ドルをはさんだもみあいとなっていましたが、4月28日(木)は1-3月期GDPが予想を下回り、アップルの決算を受けてアップルが大幅安となりNYダウは▼210ドルの17,830ドルと2月11日以来の大幅安、週末の4月29日(金)も▼57ドルの17,773ドルと続落で引けました。
今週のNYダウは、高値圏でのもみあいとなりそうです。先週は、経済指標が予想を下回る結果が相次ぎアメリカ景気に対する不透明感がでてきました。週末の5月6日の4月雇用統計で予想を上回れば6月利上げ観測が出て、ドル買い株売りが予想され下回れば利上げ観測は後退してドル売りとなるものの、景気不透明感から目先はもみあいとなりそうです。17,500~18,000ドルのレンジ。
先週は、26~27日のFOMCが金融政策の据え置き予想でドル売り、一方で27~28日の日銀の追加緩和期待で円売りとなってどちらかというとドル高・円安継続とみていました。
結果は、FOMCは想定通り政策の据え置きでしたが、日銀の追加緩和は想定外の「ナシ」でしたので、ドル売りが殺到し、28日(木)は111円から108円台までの急激な円高となりました。さらに海外では一段とドル売り・円買いが進み4月29日(金)は一時106.27円まで進み106.28円で引けました。
4月29日(金)にNYで106.28円の円高となった背景は、日銀の追加緩和ナシの流れがありますが、さらにこの日にアメリカでは為替政策の「監視リスト」に日本を指定したことによります。今回の指定で政府・日銀による為替介入の実施は難しくなりましたが、麻生財務相は急激な円高に対しては手を打つといっています。今週は、いったんドルの買い戻しがありそうですがドルの上値は限定的と思われます。106~110円のレンジ。
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出島昇
柴田罫線実践教室
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