先週の予測では、週末の13日(金)にSQを控え方向感のない動きとしました。目先は伊勢志摩サミットを今月下旬に控え政府・日銀の介入期待もあることから、円高一服となりそうだとし上値を試す場合でも16,700円水準からは上値は重たくなるとしました。
柴田罫線では、5月2日に16,147円で短期の売転換となったことで、終値ベースでみると15,700~17,600円のボックス圏にはいった形になっているとしました。チャート分析では、当面は好材料がでない限り16,700~16,900円が上値抵抗ゾーンであり反発しても戻り売りが続くことを想定しています。
先週は、連休中に105円台までの円高となったものの、その後、政府・日銀の円高けん制発言もあり108円台と円高一服となりました。週明けの9日(月)から麻生財務相も強い円高けん制で見直し買いが続き4日続伸となって合計540円の上昇で、12日(木)は△67円の16,646円で引けました。しかし、高値は11日(水)の16,814円までありました。週末の13日(金)はSQ値の16,845円に絡んで16,804円と高寄りするも、ここをピークに利益確定売りに大下落となり、16,400円まで下げて▼234円の16,412円で引けました。
13日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、4月小売売上高が予想を上回り、1年ぶりの大幅高となったことや5月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を上回ったことで、年内の利上げ観測が再燃しドル高・株安となり、NYダウは▼185ドルの17,535ドルとなりました。シカゴの日経先物は△50円の16,390円でした。
先週は、12日(木)にトヨタの決算(17年3月期営業利益予想は前期比4割減)も発表され、株式市場の上値の重荷になっていた新年度企業業績についての悪材料はかなり消化され、決算のピークも通過したことや、為替も落ち着きを取戻していることで今週は戻りを試す動きが想定されます。当面は、為替は1ドル=105円が下値抵抗ラインになったようで、さらなる収益の下ブレは後退し、今月下旬の26~27日の伊勢志摩サミットに向けての景気刺激策を打ち出すことへの期待が相場をサポートすることになります。
日足チャートをみますと、終値ベースでは、2月12日の14,865円、4月21日の15,471円、5月2日の15,975円とゆるやかに下値を切り上げる展開となっています。そのため5月2日の15,975円を終値で切らない限り、戻りを試す形と考えられます。柴田罫線をみても2月12日の安値から上昇トレンド(B)となっています。一方で上値は為替が1ドル=110円を上回らなければ、戻りは限定的であり、柴田罫線では16,911円(日経平均は3カ月平均では16,900円水準)が上値抵抗ラインであり、価格帯別出来高では16,800~16,900円が上値抵抗ゾーンとなります。さらに注目する上値ポイントは先週末の13日(金)のSQ値16,845円が幻のSQとなっているため、ここを突破できるかどうかとなります。
為替の1ドル=110円をこす円安は、思い切った財政投資や追加の金融緩和がなければ難しくなっています。それは、日本を為替の監視リストに入れるという発表に示されるようにアメリカがドル安政策に転じているからです。13日(金)にルー財務長官は、今週の20~21日のG7財務相・中央銀行総裁会議で通貨競争回避のための再確認が必要だと表明しています。政府の円高対策があっても一時的なものになる可能性が高くなりました。
5月16日(月)は、先週末のアメリカ株安を受けて▼20円の16,391円と売り先行で始まるものの、消費税の再延期や財政政策への期待からすぐにプラスへ浮上し、前場は△170円の16,583円で引けました。後場すぐには時間外でのNY原油先物が一段高となったことで、日経平均も△220円の16,632円まで上昇するものの円が強含むと一転、利益確定売りから一時マイナスに転じる場面がありましたが終値は△54円の16,466円で引けました。
先週の予測では、6日連続安のあとだけに自律反発しても戻りは弱く、当面は16,700~16,900円が上値抵抗ゾーンであり、戻り売りが続くことになるとしました。
結局、ゴールデンウィーク明けの先週は連休中に急ピッチの円高進行が落ち着いていたことで自律反発となり、4日続伸となって合計540円の上昇となりましたが、週末の5月13日(金)のSQ当日は、16,804円の高寄り後マイナスに転じ▼234円の16,412円の大幅反落となりました。
今週は、決算もピークが過ぎ材料不足ながら5月26~27日の伊勢志摩サミットを控え政府の景気対策への期待や為替も落ち着きを取り戻していることで下値は固いものの、上値も110円をこえない円安では戻り売りが続くことになると思われます。
柴田罫線をみると、今年の2月12日の14,865円から短期の上昇トレンド(B)となっており、5月2日の15,975円を終値で切らない限り戻りを試していく形です。目先は16,200~16,900円のレンジですが、上値は先週の5月13日(金)のSQ値16,845円をぬけるかどうかが注目となります。
16日(月)は安寄り後、政策期待から一時△220円の16,632円まで上昇するものの、円が強含むと戻り売り優勢となり利益確定売りで一時マイナス場面もあり終値は△54円の16,466円で引けました。
先週の予測では、前週に引き続き6月利上げの見送りの見方が多いものの、FRBのメンバーの中には利上げを主張するものもいて、方向感のない動きとなって17,500~18,000ドルのレンジ内の動きを想定しました。
結果的には、17,500~18,000ドルの中での大きな上下動となりました。5月10日(火)はアジア、欧州株式の上昇や原油価格の上昇を受け、NYダウは一時17,934ドルまで上昇して△222ドルの17,928ドルの大幅上昇となりましたが、5月11日(水)ディズニーやメルシーの予想を下回る決算や小売株の2011年8月以来の下げを受けて▼217ドルの17,711ドルの大幅反落となり、週末の5月13日(金)は4月小売売上高が予想を上回る結果となったことで、6月利上げの可能性が意識され▼185ドルの17,535ドルの下落となりました。
今週のNYダウは18日公表のFOMC議事録が注目となります。6月利上げの可能性についてFOMCのメンバーがどのような議論を行ったのかによって今後の利上げの可能性をさぐることになります。柴田罫線では、終値で17,500ドルを下回ると短期の売転換となって戻り売りの形となっていきます。
先週の予測では、ゴールデンウィーク中の急激な円高に対して政府要人が介入も辞さないという口先介入したことで、円高一服となって107円台まで戻しましたが、基本的には円高の流れにあるものの短期的にはドルの戻りを試す動きが継続し109円までのレンジを想定しました。
結局、麻生財務相の繰り返しの円高阻止の姿勢や黒田総裁が追加緩和の可能性に言及したことで、リスク回避の円買いが後退し、ドル買い・円売りの流れとなり、アメリカ経済指標の好調さから6月利上げ観測もあって、1ドル=109.56円までドルが買われました。しかし13日(金)にルー財務長官が20~21日のG7財務相・中央銀行総裁会議で通貨競争回避の公約を強化することを表明しドルが売られて108.65円で引けました。
今週は、ドル/円はもみあいが想定されます。18日公表のFOMC議事録の内容が早期の利上げを連想させるものでなければドル買いにはなりにくく、18日の日本のGDPが予想通りであれば相場への影響は限定的であり、107~110円のレンジ内の動きが想定されます。1ドル=110円は上値のフシであり追加緩和などの具体的な政策がなければ上値抵抗ラインとなります。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
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※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
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※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
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〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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