先週は、イギリスのEU離脱を受け、その影響を警戒しつつ各国の対応を注視しながら底入れを探る展開になりそうだとしました。日経平均をみると16年ぶりの大幅安という歴史的な下げは目先のショック安を織り込んだとの見方もでき、イギリスのEU離脱が落ち着けばチャートの形としては24日の終値、ザラ場ともに2月12日の終値14,952円、ザラ場14,865円に対するきれいなダブル底の形となっており、リバウンドに向かう可能性があるとしました。
結果的にはイギリスのEU離脱は、24日(金)の急落につづく27日(月)の大幅反発で織り込んでしまい欧州株式は大幅反発となったことで、アメリカ株式も追随し欧米株式は連日の大幅続伸となりました。30日(木)は、イングランド銀行(BOE)が金融緩和の可能性を示唆したことで、イギリスFTは、急落前の水準に戻り、NYダウも3日連続の200ドルをこす上昇となって週末は一時18,000ドルを回復しました。
日経平均は、27日(月)は早朝から政府と日銀が緊急会議を開き、安倍首相が麻生財務大臣に対して日銀と連携して金融市場の安定を図るよう支持したことで政策期待が高まり、先週末の暴落の反動も加わって△357円の15,309円と大幅反発しました。28日(火)は、前日の欧米株安を受けて△13円の15,323円と小幅反発するものの、その後の欧米株式の連日の大幅高と円高一服を受け、日経平均は、29日(水)は△243円の15,566円、30日(木)は△9円の15,575円、7月1日(金)は△106円の15,682円と5日続伸となりました。欧米市場の上昇幅が大きいわりには、日経平均は5日続伸といっても下げ幅の半値上を少し上回る程度で上値の重い展開となっています。それは為替が円安方向への戻りが少ないためと考えられます。
7月1日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場は、G7による中央銀行による緩和的な金融政策期待からNYダウは一時18,000ドルを回復し、終値は△19ドルの17,949ドルと4日続伸となりました。しかし為替が102円台後半へ円高が進んだためシカゴの日経先物は▼110円の15,560円となっていました。
今週は、アメリカ株式と為替の動向をみながらのもみあいとなりそうです。先週は、イギリスのEU離脱後の動きが懸念されましたが、離脱交渉が9月以降に先送りされることが決まり、目先は落ち着いたことで欧米ともに戻りを試す動きとなって、ほとんどの主要株価は離脱で急落した直前の水準を回復しました。しかし、日経平均だけは円高水準のままのため、下げ幅の半値戻しを回復したところです。
アメリカ株式の大きな戻りの理由は、イギリスのEU離脱で世界経済に不透明感が生まれ、アメリカの金利引き上げ観測が大きく後退し、今年いっぱいは利上げはないのではないかとの見方もでて、長期金利が低下し株式に資産が流れたことによります。このアメリカ株式につれ高して日経平均も上昇するものの、為替市場ではドル売り・円買いの方向にあるため円安が進まず輸出関連株の戻りが弱いことから、日経平均の上昇が鈍いという状況です。
今週は、FOMCの議事録発表(6日)や6月雇用統計の発表(8日)があり、この中でアメリカの経済が依然として堅調であるとの見方がでると、再び利上げの思惑が生まれドル買い・円売りとなりますが、その場合にはアメリカ株式は下落する可能性があるものの、日経平均は円安で戻りを試すことが考えられます。
一方で、アメリカ経済の内容が悪く利上げの年内見送りの可能性が高まれば、為替は大きくドル売り・円買いにふれ、1ドル=100円を試すことも考えられます。但し、100円を切ると日経平均は追加の金融緩和や政策期待が下値をサポートすることになると思われます。
7月4日(月)は、先週5日続伸となって合計730円上昇し、シカゴ日経先物も▼110円の15,560円となっていたことで、このシカゴ日経先物にサヤ寄せする形で▼128円の15,554円で寄り付きました。しかし、売り一巡後は戻りに転じ△93円の15,775円で引けました。4日(月)の今年初の6日続伸は海外の上昇に比べて出遅れ感もあり戻りを試しているということや、週末のアメリカの6月雇用統計の期待もあり、予想を上回れば利上げ観測が台頭してドル高・円安となる思惑があるようです。ただし、売買代金、出来高とも大きく減少しており売り物薄の中を上昇している形であり上値を追っていく感じではありません。
先週の予測では、チャートの形は6月24日(金)の終値、ザラ場ともに2月12日に対するきれいなダブル底となっており、ヨーロッパが目先混乱なければ当面の底打ちとなる可能性があるとしました。
結局、週始めの6月27日(月)は、政府と日銀の緊急会合を受けて政策期待で下げすぎからの反動から大幅反発となりました。ヨーロッパも6月27日(月)こそイギリスのEU離脱への警戒感から大幅続落となりましたが、その後ヨーロッパは落ち着き、反発に転じたことで欧米株高と円高一服となり、日経平均も5日続伸となって△107円の15,682円で引けました。
今週は、アメリカ株式と為替をみながらの一進一退の動きとなりそうです。アメリカ株式がイギリスのEU離脱前の水準に戻ったのは離脱によって世界経済の不透明感が高まり、アメリカの利上げ観測が大きく後退し、長期金利が低下してドルが売られ、株式が買われたことにあります。目先のアメリカ株式の上昇は、ドル安・円高方向ですので、日銀の追加緩和がなければ円安方向とはなりにくく、日経平均も上値は限定的と思われます。目先は15,800円台からは上値重く16,000円は当面の上値抵抗ラインとなっています。
7月4日(月)は、利益確定売りで先週末のシカゴCMEの▼110円の15,560円にサヤ寄せする形で▼128円の15,554円で寄り付くものの、売り一巡後は反発となり海外市場との出遅れ感から買い戻され△93円の15,775円で引けました。
先週の予測では、イギリスのEU離脱を受け、欧州各国をみながら下値模索の動きとなり、下値は5月19日の17,331ドルを切ると17,100ドル台が下値ポイントになるとしました。
結果的には、週明けの6月27日(月)は大幅反落となり17,063ドルまで下げて終値は▼260ドルの17,140ドルまで下げ、翌日からリスク回避の後退で買い戻しが始まり5日続伸となって週末には一時18,002ドルまで上昇し終値は△19ドルの17,949ドルとなりました。急落前の水準にほぼ近づきました。
先週のNYダウの大幅上昇は、イギリスのEU離脱をきっかけに各国の金融緩和政策の流れからアメリカの利上げも年内ないのではないかとの見方もあり、金利低下から株式が買われたということがあります。
今週も同じ相場環境が続くため株価は4月20日の18,167ドルを試す可能性があるものの、18,000ドル台からは上値は重いと思われます。18,000ドル水準でのもみあいが想定されます。
先週は、イギリスのEU離脱後の影響を見極める展開となり、100円を切ると政府・日銀の介入の思惑もあるため100~105円の間でのもみあいを想定しました。
週始めの6月27日(月)は、ドルは101.41円まで売られましたが、その後はリスク回避の巻き戻しでドルが伸び悩みユーロも買い戻しがはいったことでドル安一服となり、やや円安となりました。7月1日はG7による主要国の緩和的金融政策期待が相場の下支えとなり、ドル買い・円売りで103.39円までのドル高となりました。
今週は、イギリスのEU離脱をきっかけに世界の経済が不透明感をもっていることで、アメリカの金利引き上げも後退しドルの上値が重くなってきています。6日のFOMC議事録で利上げ継続に消極的な意見が多ければ、ドルは売られ再び100円を試す可能性もあります。逆にアメリカの経済成長を認める意見が多ければドル買い・円売りとなりますが、ドルの上値は限定的と思われます。101~104円を想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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