先週の予測では、下値は堅いが円高やアメリカの7月雇用統計を控えて上値は重いとし、16,550~16,850円のゾーンにはいると上値は重くなるとしました。結果的には、為替は102~105円のレンジ内の動きを想定していたところ100円台後半までの円高進行となり、101円台の推移となったことで日経平均も16,000円台まで下げ週末の終値は16,254円とチャート分析で想定していた下値メド16,300円を割って引けました。
週始めの8月1日(月)は、前週末の7月29日(金)のシカゴCMEの▼290円の16,320円にサヤ寄せする形で▼250円の16,319円をつけたあと、日銀のETF買い期待から先物主導で切り返し△66円の16,635円で引けました。しかし2日(火)は、前日の海外でNYダウの6日続落や原油価格が一時1バレル=40ドルを切ったことを嫌気し▼244円の16,931円と大幅反落しました。さらに3日(水)になると欧米株安と1ドル=100円台後半の円高、又、日銀のETF買いの効果が見られなかったことで、▼308円の16,083円の大幅続落となり、13週移動平均線、26週移動平均線を割り込み、柴田罫線でも短期の売転換出現となりました。この時点では、週末のアメリカの7月雇用統計の結果が予想を下回れば15,800円水準が目先の下値メドとなるところでした。しかし4日(木)になると前場は7月12日以来の15,921円と15,900円台となって前引けは▼62円の16,020円でしたが、後場になると日銀がETFの買い入れ額を前日の2倍の700億超えまで買ったことで先物をまじえて△171円の16,254円まで上昇し、3日ぶりの反発となりました。5日(金)は、前日のイギリスで大規模な金融緩和を決定したことを受け△101円の16,355円まで上昇しましたが、引け後のアメリカの7月雇用統計を控え様子見となって▼0.4円の16,254円で引けました。
5日(金)の日本市場の引け後のアメリカでは、注目の7月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想の18万人を大きく上回る25.5万人となりましたが、早期利上げ観測は、それほどの高まりをみせませんでした。
そのため日米金利差期待からのドル買い・円売りも102円台を一時回復するものの、引けでは101.75円台とわずかの円安で引けました。S&Pとナスダックは史上最高値を更新し、NYダウは△191ドルの18,543ドルを史上最高値に接近して、シカゴ日経先物は△200円の16,410円でした。
今週は、週始めは先週末の7月雇用統計の予想を上回る結果を受け、NY株高と円安基調を受けシカゴ日経先物も△200円の16,410円となっていることで、買い先行で始まることが予想されます。日銀のETF買い入れも引き続き期待され、売り方の買い戻しも意識されて戻りを試す可能性があります。ただし今週は決算発表がピークを迎えるため、相場全体の上昇は限定的で、16,550~16,850円のゾーンは、過去の累積出来高が膨らんでいるところですから、夏場の市場参加者減少を考えると市場ボリュームも増加せず上値は重い展開となりそうです。16,550~16,850円の中で、どこまで戻るかはアメリカ株式と為替の円安動向次第となりますが、戻りのあとは決算絡みの個別物色になる可能性があります。
8月8日(月)の前場は、△207円の16,462円で寄り付き、上げ幅を拡大して前引けは△323円の16,577円で引けました。後場は寄り付き後は前場終値近辺での小動きとなり、大引けにかけては先物主導でジリ高となり、△396円の16,650円とほぼ高値引けとなりました。一見強い相場のようにみえますが今月の動きはショートカバー(買い戻し)中心の動きであり、ここから上は売りが出やすいところですので、もみあって個別株物色の動きとなりそうです。柴田罫線では、もし16,850円水準を突破することができれば再び買転換となって17,000円を目指す可能性がありますが、それ以上は新しい材料が必要となります。
先週の予測では、週始めは安く始まるものの8月2日(火)に政府の経済対策の28兆円規模の決定、8月3日(水)に内閣改造があるため政策期待から上値は重たいものの底堅い動きを想定しました。
結果的には、原油安、円高、政府の経済政策の不十分さがあるとしての失望から一時16,000円を割る展開となりました。
8月2日(火)は▼244円の16,391円、8月3日(水)は▼308円の16,083円となって柴田罫線で短期の売転換となったことで雇用統計の結果次第では15,800円水準を試すこともあるとしました。
今週は、週初めは先週末のアメリカの7月雇用統計の予想を上回る結果を受け、アメリカ株高、ドルの強含みとなっていることで、シカゴ日経先物の大証比△200円の16,410円にサヤ寄せする形で買い先行で始まるものと思われます。
日銀のETF買い期待や、アメリカの堅調な動きが想定されるため戻りを試す動きが想定されますが、今週は決算発表がピークを迎えるため、上値は限定的となりそうです。16,550円を上回ってくると過去の累積出来高が膨らんだゾーンにはいってくるため上値は16,800円となると思われます。
8月8日(月)は△207円の16,462円と買い先行で始まり先物やショートカバー(カラ売りの買い戻し)もはいって後場は大引けにかけてジリ高となり△396円の16,650円で引けました。
先週の予測では、7月20日(水)の18,622ドルの史上最高値をつけたあと、上値が重くなり材料不足の中、下値を切り下げていることで8月5日(金)の7月雇用統計が注目となるとしました。予想を上回ればドル買い・株高の期待がもてるが下回ればドル売り・株安になるとし基本は18,000~18,500ドルの中の動きとしました。
結果的に、8月2日(火)まで7日続落となり、18,247ドルまで下げもみあっていましたが、8月5日(金)の7月雇用統計が予想を大きく上回ったことで△191ドルの18,543ドルと再び史上最高値に接近してきました。
柴田罫線の形としては、先週末の8月5日(金)の△191ドルの18,543ドルでろく買という、さらなる上昇の形がでました。しかし、高値圏でろく買が出た場合は、大きな上昇幅とならなければ売転換しやすい形でもあります。現在の場合は、7月20日(水)の史上最高値を大きく上回らなければダブル天井のような形となって反落し、8月2日(火)の18,247ドルを終値で切ってくると売転換となると考えられます。
今週から夏季休暇にはいる投資家や市場関係者も多くなり、閑散取引となる時期にはいります。そのため、いったんポジションを手仕舞いする動きもでてきますので、相場の上値を押さえる可能性があります。
先週末の雇用統計は予想を大きく上回りましたが、それ以外の経済指標は強弱入り混じっており、又、原油価格も40ドルを試す動きとなっているので、一方的な上昇は難しいと思われます。18,300~18,650ドルのレンジを想定。
先週は、大型経済対策が決定されることで株価は底堅い動きを想定し、ドル高・円安基調とし102~105円のレンジを想定しました。
しかし、ダウの6日続落や原油が一時40ドルを割る動きとなって8月2日(火)には、日経平均は▼244円の16,391円となって、リスク回避の円買いとなり一時100.68円をつけました。8月3日(水)の日経平均は▼308円の16,083円と大幅続落し、日銀の追加緩和でのETF買いも、この時点では効果がありませんでした。結果的に週末の8月5日(金)まで日本市場では101円台前半の動きとなりました。但し、引け後のアメリカでは7月雇用統計が予想を大きく上回ったことで一時102円台に戻す場面もありましたが、引けは101.75円となりました。想定したレンジを下回って100.68~102.83円の動きとなりました。
今週は、ドルの下値では101円水準でダブル底のような形となっており、相場環境的には原油安からの株安、ドル売りの過剰な反応も和らぎ、FRBによる年内利上げ期待も後退しておらず、日銀の追加緩和期待も持続しているためドル買い・円売り圧力が強いと思われます。101~103円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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