先週の予測としては、日経平均の戻りのあとは9月20~21日のFOMCを前に再び様子見となり、17,000円水準での下値固めの展開を想定しました。
結果的には、想定通り5日(月)の17,156円を高値に円安一服を受けて17,000円をはさんだもみあいとなり、8日(木)には16,836円まで押し目を入れ、週末の9日(金)は16,965円で引けました。
5日(月)は、先週末のアメリカの8月雇用統計が予想を下回ったことで9月の利上げ観測が後退し、欧米株式が上昇したのを受け、日経平均は17,156円まで買われ△111円の17,037円と反発しました。6日(火)は、前日のアメリカ市場は休場だったことで△44円の17,081円と続伸でした。その後は8月ISM非製造業景況指数が予想を下回り、さらに早期利上げ後退で円高にふれ、利益確定の売りで、8日(木)には16,836円まで下げるものの、日銀のETF買い期待で下値は限定的でした。9日(金)は、日銀総裁と首相の会議を受け、先物に思惑的な買いが先行し、17,000円台を回復しましたが結果的に何も起こらなかったことで△6円の16,965円で引けました。
9日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場は、ボストン連銀総裁やダラス連銀総裁が9月の利上げの可能性に言及したことや北朝鮮の核実験も不安材料となったことで、10年債利回りが上昇し、株式は売られてNYダウは▼394ドルの18,035ドルの急落となりました。但し、シカゴの日経先物はドルが買われて一時103円台の円安となったこともあり▼210円の16,650円でした。
今週は、来週(20~21日)のFOMCや日銀金融政策決定会合の日米金融政策の発表を控え、こう着感が強い展開となるところですが、先週末にボストン連銀総裁やダラス連銀総裁が講演で「穏やかに金利を引き上げることが妥当」という意見を述べたことで長期金利が上昇し、NYダウは▼394ドルの18,085ドルの急落となったことで、シカゴ日経先物も▼210円の16,650円となっており、週初めはサヤ寄せする形でのスタートとなりそうです。その後は、下値はETF買い期待で支えられる可能性が高いものの、来週の日米金融政策発表を控え、16,500~17,000円の中で利益確定売りやポジション調整の売りが強い展開となりそうです。
ここでの買いは、来週の日米の金融政策次第で上にいくか、下にいくかとなりますので、バクチ的な投資となりそうです。これまでの見方は、アメリカが利上げすれば今回の利上げはアメリカの景気が改善していることが前提ですので、日米金利差拡大から日経平均が上昇することが想定されましたが、経済指標が予想を下回るものが多く(利上げ後退)、一方でFRB当局者の複数は早期利上げの必要性を述べている中で、NYダウが大きく急落となりました。そのため円安へのブレがあるものの、リスク回避の日本株売りとなっています。方向感がわからなくなったら相場を休むのが基本となります。
世界の相場の動きは、基本的には9月21日(水)のイエレン議長の記者会見が注目となりそうです。もし、利上げが行われたら、すでにアメリカ株式は下げてきていますので、目先材料織り込みとなり、日本株式は日米金利差から円安が進みますので、再度17,000円にのせ一段上を目指すことになりそうです。逆に利上げが見送りになると急激な円高の可能性(日銀が対応できなければ)となって、日経平均は下値模索の動きとなることも考えられます。年に何回かの買い時ということになると思われます。
以上は、両極端のシナリオですが、今回の利上げが後退しても12月利上げ期待が残れば、当面は円高がそれほど進まず、17,000円水準を上値にもみあいが続くことになりそうです。
9月12日(月)は、先週末の早期利上げ観測や長期金利の上昇を嫌気して、NYダウが急落しこれを受けて前場の日経平均は▼217円の16,748円で寄り付き、シカゴ日経先物の16,650円にサヤ寄せする形で16,647円まで下げ前引けは下げ渋って16,708円でした。しかし後場になると再度下げ幅を拡大し、▼364円の16,601円まで下げて、▼292円の16,672円で引けました。日銀のETF買い期待で下げ止まりましたが戻りは弱い動きとなっています。
先週の予測では、目先の上値抵抗ポイントであった9月2日(金)の16,946円を突破したので、チャート的には上放れの形になるとしましたが、アメリカの早期利上げをめぐって強弱感が対立していることから日経平均は17,000円水準でのもみあいを想定しました。
先週は、高値は9月5日(月)の17,156円、安値は9月8日(木)の16,836円の間のもみあいとなり、終値ベースでは17,000円をはさんだもみあいとなり△6円の16,965円で引けました。
今週の予測は、先週末のアメリカ株式は早期利上げ観測から急落となったものの、為替は円安にふれていることや、ETFの買い期待もあり下値は限定的で来週の日銀金融政策決定会合やFOMCの結果を控えて基本的には16,500~17,000円のもみあいが想定されます。
来週のFOMCの結果によっても、上にも下にも大きく動く可能性があり、チャートでは下値は16,320円を切ると一段安、16,946円を上回ると一段高という形です。
9月12日(月)は、アメリカ株式の急落を受け▼217円の16,748円で寄り付き、先物主導で下値を切り下げる展開となり、後場には16,601円まで下げて▼292円の16,672円で引けました。
先週の予測では、前週末に8月の雇用統計が予想を下回ったことで△72ドルの18,491ドルと反発して終えたものの、年内の利上げ見通しは変わらず上昇が続く可能性は少ないとし、高値圏のもみあいの中で8月2日(火)の18,247ドルを終値で下回ると目先いったんの調整に入るとしました。
結局、連休明けは高値圏のもみあいのあと週末の9月9日(金)は、ボストンやダラスの連銀総裁が早期利上げの見通しを発言したことで▼394ドルの18,085ドルの急落で引けました。
柴田罫線では、7月20日(水)の18,622ドル、8月15日(月)の18,668ドルと2山形成して、8月2日(火)の18,247ドルを切って18,085ドルで引けましたので、短期の売転換出現となりました。来週のFOMCでの金利引き上げを織り込む動きとなってきたと思われます。ここでの早期利上げによる下落となってもアメリカの景気がいいための利上げですので、下値を確認すれば再上昇となってくる可能性が高いと考えられます。今週は、FOMCを控えての様子見から徐々に利上げを織り込む動きとなれば下値は18,000ドル→17,700ドル台となりそうです。
先週の予測では、9月2日(金)に104.32円までドルが買われたものの、9月利上げに関して強弱感が対立しており、102~105円のレンジの中で、ドルの上値が重い展開を想定しました。
連休明けの6日(火)は、8月ISM非製造業景況指数が2010年2月以来の低水準となったことで早期利上げ観測が後退し、7日(水)は101.21円までドルが売られました。その後は102円をはさんだもみあいとなりましたが、週末の9日(金)は、複数の連銀総裁が早期利上げの見通しを述べたことで103円台前半までドルが買われましたが、株式の急落でリスク回避の円高となり102.67円で引けました。
今週は、来週にFOMCを控えているものの、経済指標の発表が多く、経済指標の下ブレで利上げ後退を織り込む展開となっており、ドルの伸び悩みが続くことになりそうです。注目は8月小売売上高で予想を下回れば9月利上げはなくなるとの見方が大勢を占めています。8月の小売売上高が予想を上回ればFOMCでの早期の利上げ観測の可能性があり不透明となりそうです。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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