先週の予測では、20~21日は、日銀金融政策決定会とFOMCが開催されるので、当面の方向性が決まるのは21日(水)ですが、相場が影響を受けるのは休日明けの23日(金)としました。注目の日銀の追加の金融緩和があったとしても円安は限定的で、FOMCの早期利上げは見送りの方向が一般的ですが、もし9月利上げとなれば相場に影響を与えることになるとしました。その場合でも円安はあまり進行せず日経平均は16,300~17,000円の中での戻りを試す動きを想定しました。
結果的には、21日(水)の日銀金融政策決定会の午後からの金融緩和策の発表を受けて△315円の16,807円と大幅反発し、FOMCの利上げは大方の予想通り見送りとなったことで、円高が進むものの日経平均は▼53円の16,754円で引けました。
21日(水)の後場に、日銀金融政策決定会では、金融政策の新しい枠組みとして「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という、よく聞いても分からない政策を導入しました。これはマイナス金利政策を維持すると同時に、10年国債利回りを0%に誘導するというものですが、当初は想定されていたマイナス金利の深堀りがないことで銀行株中心に日本株は全面高となりました。ただし、相場の方向性を変えるような目新しいことではなく、日銀の手詰まり感がみえます。大して効果がない金融政策でも金融緩和は強化された形ですので、株価は高くなったと考えられます。もう少しわかりやすくいうと量的緩和は継続するものの、量に力点を置くのではなく、長短金利に目標をもつことに変更し、今後も「ETF買い」は継続するが実質的に「TOPIX型」中心に買い付けていくことになります。これまでETF買いは「日経225型」にかたよりすぎていたとの批判がありました。
21日(水)のFOMCでは、経済成長で利上げの根拠は高まっているものの、引き続きインフレや景気動向、金融情勢など注視したいということで、6会合連続で追加利上げを見送りました。ただし、イエレン議長は「利上げの根拠は強まった」として年内利上げの可能性を強く示唆しました。また、政策金利の見通しが下方修正されたことで、22日(木)の外国為替市場では一時、1ドル=100.10円までのドル安・円高となりました。
23日の日本市場では、為替の円安進行に対して前日に日本政府と日銀が臨時会合を開いて円高をけん制したこともあり投機的な円買いは一服し、日経平均は売り一巡後は下げ渋って▼53円の16,754円の小幅反落となりました。23日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、前日の大幅上昇からの利益確定売りが強まる中、原油価格が下落したことでエネルギー株が売られNYダウは▼131ドルの18,261ドルと4日ぶりに反落しました。シカゴの日経先物は△10円の16,580円でした。
先週は、日銀金融政策決定会合とFOMCの2つの大きなイベントが通過し結果的には、トレンドを変えるような材料にはなりませんでした。そのため日米ともにボックス圏の中の動きとなりそうです。FOMCでは、利上げ見送りとなるものの年内利上げ(12月)の見通しが強く、反発したあとは再び利上げ時期をめぐってもみあいとなってきます。そうであればNYダウは18,000~18,600ドルの中での動きとなりそうです。一方、日経平均は利上げが後退することで日米金利差拡大の期待が後退し、ドル売り・円買いとなりますが、NYダウの上昇が日経平均の下限をサポートすることになりそうです。日経平均のチャートは、当面は16,300~17,000円のボックスですが、9月2日(金)の16,946円の高値を終値で突破することができれば17,300円水準に向かうことになります。週足では13週移動平均線と26週移動平均線が2年2カ月ぶりにゴールデンクロスしており、新たな先高シグナルが点灯したとの見方がでています。8月26日(金)の16,320円を終値で切らない限り、戻りを試す形になってきていると考えられます。今週は16,300~16,900円の中の動きとなりそうです。主力株は材料不足で手がけにくいところですので材料株物色となり、26日(月)から臨時国会が召集されるため、政策期待が高まりその1つとして統合型リゾート(IR)関連の思惑がでてきそうです。
9月26日(月)は、円高警戒感から▼209円の16,544円の大幅反落となり、16,600円を割り込みました。黒田総裁が今後の追加緩和についてマイナス金利の深堀りと長期金利目標の下げが中心手段となると述べたことで、銀行株が売られました。さらに26日(月)のアメリカでの大統領候補のテレビ討論での内容によって為替が影響を受ける可能性があるとして円高警戒感が強まったことにより下げ幅を拡大したようです。
先週の予測では、営業日数は3日間であるが20~21日の日米の金融政策の結果を受けて大きく動くことになるが、それは23日(金)になるとしました。
結果的に21日(水)の日銀金融政策決定会合で午後発表の新しい金融政策を受けて急騰し、△315円の16,808円となり、為替も102円台半ばの円安となりました。FOMCの結果は利上げ先送りとなったことで100円台の円高進行となり、休日明けの9月23日(金)は▼53円の16,754円と反落して引けました。
日銀のマイナス金利の深堀りもなくFOMCでは早期利上げは見送ったものの12月利上げの可能性が高く、どちらかというと円安に進みにくい為替状況です。
日経平均が買われるとしたら、26日の臨時国会召集から政策期待が高まるので内需株が見直される可能性があります。チャートをみると16,320円の下値は堅く9月2日(金)の16,946円を終値で上回れば、現在の16,000~17,000円のボックスから16,000~18,000円のボックス圏への動きが想定されます。この中で17,300円→17,600円が上値のフシになってきます。
今週は材料不足で16,300~16,900円の中での動きとなりそうです。26日(月)は引け後のアメリカで大統領候補のテレビ討論会があり、為替に影響する可能性があるとして円高警戒感から▼209円の16,544円の大幅反落となりました。
先週は、21日(水)のFOMCによる利上げ見送りか、早期利上げかの結果をみるまで動けないとしました。チャートからは、9月14日(水)の17,992ドルは調整としては中途半端な下げですので9月12日(月)の18,358ドルを終値で上回ってこなければ調整が続くことになるとしました。
FOMCの結果は、利上げ見送りとなり金利見通しも下方修正されたことで、金融緩和が続くとしてアメリカ株式は上昇しドルは売られました。9月22日には18,449ドルまで上昇し、終値は18,392ドルとなって9月12日(月)の18,358ドルを突破しましたので戻りを試すことになりそうです。但し、柴田罫線ではまだ売転換のままです。
21日(水)のFOMCでは、引き続きインフレや景気動向、金融情勢などに注視したいとして利上げを先送りしましたが、利上げの根拠は強まったとして年内利上げの可能性を示唆しました。そのため今週は多くの地区連銀総裁やイエレン議長の講演があり、この内容によって利上げのタイミングの見通しから株価が動くことになりそうです。基本的には18,000~18,600ドルのレンジ内の動きとなると思われます。
先週の予測では、20~21日に日米の金融政策の発表があるが、それを見極める展開になるとしました。
日銀の金融政策決定会合でマイナス金利の深堀りが決定されれば円安方向、FOMCで利上げが見送られればドル売り・円買いとしました。
結果的には、ドル安・円高の動きとなりました。日銀の金融政策を受けて株価が急騰したことで、ドル/円は一時102.79円まで買われました。しかし、FOMCの利上げ先送りと金利見通しの下方修正を受けて一時100.10円までドルが売られ101.02円で引けました。
先週のFOMCでは、早期利上げを見送ったことで、一時的にドル売り・円買いが高まったものの、日本政府と日銀の円高けん制発言もあり、円高は限定的でもみあいとなりそうです。
早期利上げを見送ったものの、イエレン議長は年内利上げの可能性を示唆しており、今週は多く地区連銀総裁やイエレン議長の講演内容によって利上げのタイミングをめぐって金利はもみ合う展開が想定されます。99.5~102.5円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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