先週の予測では、当初は7日(金)のアメリカの9月雇用統計が予想を下回ったことで、為替が円高へと進んでいたものの、日本の休日の間に円安方向に回復したことで、日経平均は目先の上値ポイントである17,156円を突破できれば、一段高の可能性もあるものの、突破できなければ17,000円をはさんだもみあいとなり、16,700~17,100円のレンジでの動きを想定しました。
結果的には、連休明けの11日(火)に17,074円の高値をつけ、14日(金)には16,727円の安値をつけて16,856円で引けました。
11日(火)は、前日にNY原油は一時、1バレル=51.60ドルと6月29日(水)以来の水準となり、欧米株高、円安を受け日経平均は17,074円まで上昇して△164円の17,024円と大幅反発し、1カ月ぶりの17,000円台を回復しました。しかし、引け後のアメリカで企業決算の先陣を切ったアルコアの7-9月期決算が予想を下回り、失望売りとなり、さらに年内利上げ見通しも投資家心理を悪化させNYダウは▼200ドルの18,128ドルとなり、柴田罫線では短期の売転換となりました。これを受けて12日(水)の日経平均は▼184円の16,840円と反落しました。13日(木)も為替は104円の円安にもかかわらず為替要因だけでは材料不足であり、中国の貿易収支の悪化を受けて▼65円の16,774円の続落となりました。 週末の14日(金)は、前日の欧米株安を受け、売り先行となって16,727円まで下げるものの、104円台前半の円安を好感し、プラスに転じて△82円の16,856円で引けました。10月のSQ値は16,741円でしたので、これを上回って引けました。
売買代金をみると、SQ清算日であるにもかかわらず1兆9,660億円と2兆円を突破できず、少し異常な市場ボリュームの低迷が継続しています。
14日(金)のアメリカ市場は、金融決算の好調さや小売売上高が予想通りだったことで、NYダウは一時△162ドルの18,261ドルまで上昇するものの、原油価格が一服となり、ミシガン大学消費者信頼感指数の悪化、さらにイエレン議長を始め当局者の12月利上げ示唆発言が重しとなって、上げ幅を縮小し△39ドルの18,138ドルで引けました。シカゴの日経先物は△25円の16,875円でした。
今週は、アメリカの7-9月期決算が本格化するため、決算の内容が市場にどう影響を与えるかを見極めたいという流れになるものと思われます。為替の方は先週のFOMCの議事録公開で9月の利上げの見送りは僅差で決定されたことが明らかとなっており、今後の経済指標が堅調であり、テレビ討論会でクリントン候補の優位性が高まれば、12月利上げの観測が高まることになり、ゆっくりしたドル買い・円売りの基調が続くことになりそうです。
日経平均のチャートは、16,700~17,000円のレンジの動きの中で、レンジの上限を試す動きとなりそうですが、現時点では、目先の上値は9月5日(月)の17,156円、10月11日(火)の17,074円と2点天井となっており、ここを突破するには売買代金2兆円を切っている市場ボリュームでは難しいと思われます。
今週は、先週末の終値が10月SQ値の16,741円を上回る16,856円で終えているため、底堅い動きが想定されますが、中国のGDP発表で中国の経済リスクが高まれば注意が必要です。NYダウのチャートにも注意が必要です。現時点では、10月11日(火)に18,128ドルで柴田罫線では売転換となりました。レンジの中での動きですので今のところ問題はありませんが、10月13日(木)の17,959ドルを終値で切ると、レンジの下放れとなり調整に入ります。その場合は多少の円安では日経平均も戻りを試せず下落となっていく可能性が高いと考えられます。
10月17日(月)は、前日のアメリカ株高と円安を受け、買い先行で始まるが朝方に△98円の16,954円まで上昇して、いったんマイナスへ転じ、その後は16,900円をはさんだもみあいとなって△43円の16,900円で引けました。材料不足でアメリカの決算や大統領選待ちで様子見ムードが続くことになりそうです。
先週の予測では、前週に柴田罫線は三角保ち合い寸前となっており、9月2日(金)の16,946円を終値で突破できれば、上放れが確定するとしたところ10月6日(木)の16,971円の上ヒゲを出したものの16,900円を上回ることができなかったことで、16,000~17,000円のボックス圏の動きが継続するとしました。
しかし、3連休明けの10月11日(火)に△164円の17,024円となってきたため、三角保ち合いの上放れとなったものの、目先の9月5日(月)の17,156円を突破できなければ16,700~17,100円のもみあいとなるとしました。
結果的に、10月11日(火)の17,074円を高値にアメリカ株式の下落を受け、10月12日(水)、13日(木)と2日連続安のあと、週末の10月14日(金)には、16,727円まで下げ終値は△82円の16,856円で引けました。
柴田罫線の形を見る限り、現時点では引線の終値で16,715円を切らない限り、上値を試す形となっています。16,715円を終値で切ってくると9月5日(月)の17,156円、10月11日(火)の17,074円がダブル天井に近い形の2点天井となるので、いったん調整入りとなります。逆に9月5日(月)の17,156円を突破できて17,200円台もクリアできれば17,600円を目指す形です。
今週は、材料不足の中12月利上げ観測があることで、やや円安の動きながら中国のGDP発表やアメリカのテレビ討論会もあり、先週と同じく16,700~17,000円水準でのもみあいが続くことになりそうです。
先週の予測では、10月の利上げは見送られたものの、12月の利上げの可能性は残っており、年内利上げに関する強弱感が対立して18,000~18,500ドル内の動きが続くとしました。
結果的に、10月10日(月)の18,399ドルを高値に企業決算への失望や年内利上げ見通し、中国経済統計の悪化もあり、10月11日(火)には、▼200ドルの18,128ドルで短期の売転換が出現し、10月13日(木)には、一時18,000ドルを割って17,959ドルまで下げました。週末の10月14日(金)は、好決算を受けて大きく反発するものの、イエレン議長や当局者の12月利上げを示唆する発言もあり、△39ドルの18,138ドルで引けました。
柴田罫線では、18,000~18,500ドルのボックス圏の中で、18,000~18,339ドル(B)のレンジの動きの中で、今年の2月11日(木)の15,503ドルの安値からの上昇ライン(A)を横に切って10月11日(火)に18,128ドルで短期の売転換となり、10月13日(木)にはザラ場で17,959ドルまで下げました。早い段階で9月22日(木)の18,449ドルを突破できなければ18,500ドルは強力な上値抵抗ラインになってきます。又、このまま10月13日(木)の17,959ドルを終値で切ると調整入りとなります。
今週は、先週のFOMC議事録公開の中で、9月利上げ据え置きは、わずかの差で決定されたことが明らかとなり、年内利上げに向けた下地がつくられたとの見方が多いため、株価の上昇は今週より本格化する7-9月期決算を受けての個別株に影響される動きとなりそうです。
先週の予測では、10月7日(金)の9月雇用統計が予想を下回ったことで、ドル安・円高となったものの、年内利上げ後退とはならず、12月利上げ予想は依然として高いためドルは底堅い展開を想定し102~105円のレンジとしました。
結果的には、10月10日(月)の1ドル=102.81円をドルの安値に年内利上げ観測期待が強く、ドルのジリ高となり10月13日(木)は104.64円まで上昇しましたが、中国貿易統計を嫌気して103.33円まで売られました。しかし、10月14日(金)には、イエレン議長や当局者の12月利上げの示唆発言があり、104.48円まで買われ104.19円で引けました。
先週の104.64円という7月以来のドル高・円安は年内利上げを織り込む動きであり、今週もアメリカの経済指標が堅調ならばドル買いは継続することになりそうです。又、主要産油国による減産期待から原油価格の持ち直しが続けばドルの下支えとなります。
但し、中国のGDPの結果によって経済リスクが高まればリスク回避の円買いもあり、アメリカの大統領候補のテレビ討論会の結果も影響することになりそうです。
となると、基本的にはドルは堅調ながらも、もみあいとなる可能性もあります。102.5~105円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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