先週の予測では、トランプ新政権の政策期待は継続すると思われるが、日米ともに過熱感は高まっており、休日をはさんでいることから売買高は膨らみづらく、利益改定売りと期待とでもみあいとなり、18,000円水準での値固めを想定しました。その後18,300円台を目指すとしましたが、結果的には大幅な円安進行とアメリカ株式の4指標が連日の史上最高値更新となったことで日経平均も4営業日ともにプラスとなり、25日(金)には18,482円まで上昇して終値は18,381円となりました。
週始めの21日(月)は、前週末のアメリカ株式は反落していたものの、長期金利が上昇したことで為替は1ドル=111円に接近する円安となり、これを受けて日経平均は△138円の18,106円と10カ月ぶりの18,000円台回復となりました。22日(火)は、前日のアメリカ株式が4指標(ダウ、ナスダック、S&P、ラッセル)揃って1999年以来の史上最高値更新となったことを受け△56円の18,162円と5日続伸しました。
11月23日(水)の日本市場は休場でしたが、その間のアメリカ市場は、史上最高値の更新をつづけ、NYダウは19,000ドルのせとなっていたことで、休日明けの24日(木)の日経平均は為替の1ドル=112円台への円安進行もあり、△170円の18,333円と6日続伸しました。トピックスは1年半ぶりの10連勝でした。週末の25日(金)は前日のアメリカ市場は感謝祭で休日でしたが、欧州市場は堅調で為替が113円台の円安となっていることで、前場は△149円の18,482円まで上昇して△140円の18,473円で引け、終値ベースで1月4日(月)の大発会の18,450円を上回って引けました。後場になると利益確定売り優勢となり一時マイナス圏に沈みましたが、大引けにかけて持ち直し7日続伸の△47円の18,381円で引けました。
ここで注意したいのは、7日続伸となって18,300円台まで上昇してきたものの積極的に上値が買われた結果ではなく、寄り付きは先物の買い戻しで高く始まり日中値幅は小さくもみあって終わっている形となっているところです。きっかけ次第では先物主導による一時的な大きな下げも想定しておく必要があります。その場合はそこが買い時となると思われます。
25日(金)のアメリカ市場は、OPECの総会での減産合意が不透明となっていることで原油価格は下がり、エネルギー株は下落しましたが、それ以外の10業種は上昇しアメリカ株式の4指標は史上最高値を更新しました。ダウは△68ドルの19,152ドルとなりました。為替は一服したことでシカゴの日経先物は△5円の18,385円でした。
今週は、先週末の25日(金)の前場の終値で年初来高値を更新したこともあり、きっかけ次第ではいったんの調整も考えられます。又、テクニカル指標をみるとほとんどの指標が過熱感を示しており今週は30日(水)にOPEC総会や週末の11月雇用統計を控えているため、買いは手控えとなりそうです。
これまでの上昇は、9日(水)のトランプショックの急落のあと、トランプ氏の勝利演説や、その中での規制緩和策、減税政策、インフラ投資計画などの政策期待から急騰し、先週末の25日(金)時点で日経平均の勝率は10勝1敗(トピックスは11連勝)で上昇幅は2,231円となっています。しかしこの上昇はまだ具体策がない中での裏付けのない上昇であり、雲をつかむような手探り状況の中で経済指標の評価やチャートの形(フシ目をぬいていくところが評価)から買われていると思われます。結局、相場は基本的に需給関係ですので金余りの結果が表われているとみることもできます。日経平均は、円安とアメリカ株高に助けられ、TPP問題などの悪材料には目をつぶって上昇してきました。
トランプ次期大統領の政策期待が約束通り実行されていけば、来年はアメリカの1人勝ちとなり、日本株式も中期的には連動していく可能性がありますが、長期的にみれば新興国から資金がアメリカに逆流し、新興国は厳しい経済状況となっていくと思われます。そしてアメリカの経済にかげりがみえるとドル安政策に転換して、円高となり日本経済は厳しい状況となるでしょう。
今週は、30日(水)のOPEC総会が注目となります。このところ減産合意に対して楽観視されていましたが、先週末にOPEC総会を控えての実務者会議が開かれたものの、産油国間の減産負担の配分が詰められない状況のようです。減産合意とならなければ原油は失望売りとなりドル安・円高方向となると思われます。一方で合意できれば原油は60ドルを目指すという見方もあり、ドル高・円安となって日経平均をサポートすることになりそうです。又、アメリカでは週末に11月雇用統計を含む経済指標の発表があり、予想を上回れば12月13日(水)~14日(木)のFOMCでの利上げをみこしてドルは底堅い動きとなります。
今週は週末にかけてイベントを控えており、過熱感がありますので利益確定売り優勢となりそうです。
11月28日(月)は、前場は円安一服となっていたことで、利益確定売り優勢となり▼78円の18,302円で寄り付いて一時▼158円の18,222円まで下げ、前引けは▼146円の18,234円でした。しかし後場になると円安基調になったことや、日銀のETF買い観測がでたことで下げ幅を縮小し、▼24円の18,356円で引けました。トピックスは日銀のETF買いから△5Pの1469Pと12営業日連続の上昇となりました。
先週の予測では、日米ともに休日をはさんでいることや、高値警戒感から利益確定売りが出やすいことで、トランプ新政権への期待の間でもみあいを想定し、17,800~18,300円の中で18,000円水準の下値固めを想定しました。
結果的には、トランプ政策の期待を背景にインフレへの思惑から長期金利が上昇し、又、12月利上げが確実視されていることで大幅なドル高・円安となり、アメリカ株式の4指標が連日の史上最高値更新となったことで、日経平均も4営業日プラスとなり、週末の11月25日(金)は、18,482円まで上昇して△47円の18,381円で引けました。
ほとんどのテクニカル指標が過熱感を示す中、為替の大幅な円安を受け輸出企業中心に買われていますが、円安が一服する局面あれば、いったん調整になってもおかしくないところです。日経平均は前場の終値ベースで年初来高値を更新しましたので、11月30日(水)のOPEC総会で減産合意できなければドル売り・円買いとなって調整の可能性もあります。アメリカはクリスマス商戦が期待されていますので、アメリカ株式が堅調であれば日経平均は下げても、大きな円高にならない限り下値は限定的だと思われます。
11月28日(月)は、前場は為替の円安一服から利益確定売りとなり、18,222円まで下げて▼146円の18,234円で引けました。しかし後場になると円安気味となり、日銀のETF買いが観測されたことで下げ幅を縮小し▼24円の18,356円の8日ぶりの小反落となりました。
先週の予測では、12月利上げ観測が高まって長期金利が上昇すればドルが買われ、その場合は株価の上値を抑える可能性があるので19,000ドルのフシを前に一服する場合もあるとしました。
結果的には、トランプ次期政権の政策期待が継続し株価は11月21日(月)には1999年以来4指標そろって史上最高値を更新し、その後も史上最高値更新が続きました。11月24日(木)は感謝祭で休場でしたが11月25日(金)にはドルが113円台になったにもかかわらず株式は上昇し、19,152ドルまで上昇して△68ドルの19,152ドルと高値引けでした。
今週は、クリスマス商戦が始まり前年比の予想が11%とこれまでにない最大の伸びなので、その通りであれば株価はさらに上を目指すことになります。一方で11月30日(水)のOPEC総会で減産合意できなければドルが売られ株価も下げる可能性があります。週末の11月雇用統計や12月4日(日)のイタリアの憲法改正の是非を問う国民投票が実施されるので今週は様子見が強まることも考えられます。
先週の予測では、前週末にイエレン議長が12月利上げを示唆したことで、経済指標の好調さが続けば、さらに円安が続く可能性があるとし、一方で10日間で9円をこえる円安・ドル高になっていることで調整のためのドル売りも考えられるとし109~112円のレンジを想定しました。
結果的には、利上げ期待のほかにトランプ次期政権の政策でインフレが進行し、米長期金利上昇の思惑にもかかわらず、株価も4指標が史上最高値を更新する動きとなったことでドルが買われ、一時113.9円までの円安となりました。週末は112.65円までドルが売られましたが引けは113.11円でした。
今週は、12月13日(水)~14日(木)のFOMCでの利上げが現実視されていることから、週末の11月雇用統計が問題なければ利上げを織り込んだドル買いが入るため底堅い動きになると思われます。但し、11月30日(水)のOPEC総会で減産合意できなければ原油安・ドル安となって下押しすることも考えられます。112~114円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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