先週は、週末にメジャーSQを控えイタリアの国民投票の結果を受け、大きな押し目買いの可能性を想定しました。結果的には、イタリアの国民投票は憲法改正の反対が多数を占め、レンツィ首相は辞任を表明したものの週始めだけの下げに終わり、その後はアメリカ株式の4主要指標が連日の史上最高値更新となったことで日経平均も4日続伸となって連日の年初来高値を更新し、週末は一時19,000円を回復しました。週始めの下げの押し目は浅く、買い時とはなりませんでした。
週始めの5日(月)の日経平均は、イタリア国民投票の結果を受けて首相が辞任を表明。これを受けて先行き不透明感から▼151円の18,274円となりました。6日(火)の日経平均は△85円の18,360円と3日ぶりに反発しました。その後はアメリカ株式が主要指標そろって史上最高値更新が続いていることで、日本市場もSQ算出日に向けて買い優勢となり、7日(水)は△136円の18,496円、8日(木)は△268円の18,765円と終値ベースでの年初来高値を更新しました。9日(金)は、12月限のオプションSQは18,867円となって、その後も円安、原油高が支えとなり、先物買いを支えて上げ幅を拡大し、一時19,000円台を回復し、終値は△230円の18,996円となりました。
日本市場の引け後のアメリカ市場は、株価の先高期待から週末の利益確定売りを上回り、12月ミシガン大学消費者信頼感指数も予想を上回ったことで、前日に続いて4指標が史上最高値を更新しました。ドルも115.37円まで買われて115.31円で引けました。シカゴの日経先物は△195円の19,185円となりました。
先週末の9日(金)は、ECBの金融緩和策延長の決定や原油高も支えとなって欧米株高となったことを受け、△230円の18,996円と連日の終値ベースでの年初来高値更新となりました。寄り付きの12月限のSQ値算出に伴う売買が買い越しとなったうえに、前日比△101円の18,867円のSQ値を早々に上回ったことが強気の相場となりました。 当面は19,000円水準が目先のピークになるのではと思っていましたが通過点になってきました。しかし冷静にみてみると今の買い材料は円安とトランプラリーという政策期待からの上昇であり、いつハシゴを外されてもおかしくない状況となっています。例えばテクニカル指標でみると騰落レシオは142.46(9日時点)と過熱感の目安120を大きく上回っており、10月25日(火)には146.57まで上昇後に急落しました。25日乖離率は+5.76%となって11月24日(木)の+5.11を更新し、今年の最高+6.07%に近づいています。その他の指標も今年の最高水準に近い過熱感を示しています。ただし、外国人投資家にとって重要な「ドル建て日経平均」でみると、まだザラ場ベースでも終値ベースでも年初来高値まで届いていませんので、届いた時がひとつのキッカケになる可能性があります。今週は注目のFOMCの利上げを13日(火)~14日(水)に控えており、利上げ決定でいったん材料出尽くしの可能性もあります。それまではいくところまでいくという流れになると、チャート上は19,300~19,500円水準が1つ目の上値ゾーンとなりそうです。市場予想では、2万円までフシらしいフシはないので、このまま突っ走るとの見方もでてきていますが、全体が総強気になってくると注意が必要です。
12月12日(月)は、前場はアメリカ株式の史上最高値更新や1ドル=115円台の円安を受けて△187円の19,183円で寄り付き△280円の19,280円まで上昇しました。その後は利益確定売りで上げ幅を縮小し、一時△57円の19,054円まで押し目をつけましたが、その後は持ち直し△158円の19,155円で引けました。
先週の予測では、4日(日)のイタリアの国民投票で否決となれば過熱感のキッカケとなって押し目を形成する可能性もあるとし、18,000~18,200円のレンジを想定しました。
結果は、週始めの12月5日(月)は、イタリアの国民投票が大差で否決されるなか利食い優勢となって▼151円の18,274円と続落しました。しかし翌日からはイタリアショックを吸収した欧米株式の上昇を受け、特にNYダウの4日連続の史上最高値更新にサポートされて、日経平均も4日続伸となり12月9日(金)は一時19,000円を回復し△230円の18,996円で引けました。
今週は、12月13日(火)~14日(水)のFOMCでの利上げが見込まれており利上げは織り込まれているため、いったん材料出尽しとなるのか、それともアメリカの景気回復を好感した買いが継続するのか注目するところです。
たとえ下げても現時点の相場環境は好調(トランプラリーの継続、為替の115円台、原油価格の50ドル台回復)なため、これらの要因に変化なければ、さらに上値を試すところです。
昨年の12月1日(火)の20,012円からの下げは、それほどもみあわず下げていますので、次の上値目標は、チャート上は2万円となります。但し、目先は19,300~19,500円がフシとなります。
12月12日(月)は、先週末のアメリカでの4指標そろって史上最高値更新と115円台の円安を受けて、△187円の19,183円で寄り付き、△280円の19,280円の高値をつけると利益確定売りに押されて上げ幅を19,054円まで縮小するものの、△158円の19,155円で引けました。
先週の予測では、18,000ドル台からは上値重く、日足で上ヒゲをだしているので高値波乱の可能性があるとし、17,700~18,200ドルのレンジの動きを想定しました。
結果的には、経済指標の好調さと原油価格も底堅いことでトランプ政策を先取りする流れが続き、主要4指標が連日の史上最高値更新となったことで週末のNYダウは△142ドルの19,756ドルとなりました。為替のドル・円も10カ月ぶりに115円台前半の安値となりました。
今週は、12月13日(火)~14日(水)のFOMCが注目となります。9月のFOMCで利上げを見送った以降の経済指標は好調なため、今回は利上げ確実との見方が多数を占めています。すでに利上げは織り込まれているため、来年の利上げやそのペースについての具体的示唆が注目となります。材料出尽しとなる可能性もありますが、チャートをみると20,000ドルまでは期待できるところです。
先週の予測では、12月13日(火)~14日(水)のFOMCでの1年ぶりの利上げが確実視され、ドルは底堅い動きが想定され、又、来年度も利上げ継続の見通しが大きいため日米金利差を意識したドル買い・円売り基調は続くことになるとしました。
結果的には、週始めこそイタリアの国民投票の否決の結果を受けてドルが売られる場面がありましたが、すぐにトランプラリーが繰り返され、4指標そろって連日の史上最高値更新となったことでドルが買われました。12月9日(金)は115.37円まで上昇して引けは115.31円でした。
先週末の9日(金)には、10カ月ぶりの115円台のドル高となり、今週の13日(火)~14日(水)のFOMCでの利上げ確定という大勢の見方からみると、利上げは織り込んでおり、いったん材料出尽くしとなる可能性もある一方で、トランプ政策への期待からアメリカ経済の成長を先取りしてのドル買いということも考えられます。チャートからは、115円という大台にのり、116円台からは上値重くなるところですので、当面はもみあいとなる可能性があります。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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