先週の予測では、トランプ次期大統領の就任式を控え、基本は様子見としながらも、もう一波乱を警戒しておく必要があるかもしれないとしました。結果的に、17日(火)は▼281円の18,813円となって柴田罫線で短期の売転換となり、18日(水)には18,650円まで下げて反発し△80円で引けて、その後、週末は19,000円台を回復して引けました。
16日(月)は、薄商いの中を1ドル=114円台の円高を嫌気し利益確定売り優勢となって▼192円の19,095円となりました。出来高は14.6億株、売買代金は1兆8,872億円と、ともに今年最低となりました。17日(火)は、前日のアメリカ市場がキング牧師誕生記念日で休場の中、イギリスのEUからの強硬離脱懸念が重しとなり、円高基調となっていることで全面安となり、▼281円の18,813円で引けました。すでに週始めの予測で柴田罫線では、19,125円を終値で下回れば一段安としたように、そのような動きとなって短期の売転換となりました。18日(水)は、前日にトランプ氏がインタビューで「ドルが高すぎる」と発言したことで、1ドル=112.66円で引けており、これを受けて前場は18,650円まで下げました。これは目先の下値レンジである18,500~18,800円の中間値より少し下にあたります。しかし、円高が一服すると後場には下げすぎから切り返し△80円の18,894円で引けました。19日(木)は、前日のイエレン議長の講演を手がかりにドル・円が18日(水)終値114円32銭から一時114円80銭台まで急速に円安に推移したことで、買い戻し中心に買いが入り△177円の19,072円と3日ぶりに19,000円台を回復しました。
20日(金)は、注目のトランプ氏の大統領就任式でした。NYダウは一時△111ドルの19,843ドルと高値をつけるものの、就任演説の内容を確認したいということで△26ドルの19,759ドルまで上げ幅を縮小しました。しかし、演説内容が想定通りだったことで再上昇となって△94ドルの19,827ドルで引けました。為替は1ドル=115円台前半でしたが、利益確定売り優勢となって114.56円で引け、シカゴ日経先物は▼25円の19,135円でした。
今週は、先週末のアメリカ市場の動きを見る限り、トランプ大統領の就任を祝って株価が上昇するという状況でもないようです。週末のNYダウは△63ドルの19,795ドルで寄り付き、19,843ドルまで上昇したものの19,759ドルまで下がり、就任演説後に△94ドルの19,827ドルとなりましたが、寄り付き直後の高値をぬけることができませんでした。為替も1ドル=115円台が114円台半ばのドル安で引けておりシカゴの日経先物も▼25円の19,135円と上昇に転じる動きではありませんでした。
今週は、トランプ大統領の就任式を終えて、為替、株式がどう動くのかが日経平均の動きにかかわってきます。最近の累積出来高の推移からみると19,200円からの上値は重く、戻り売りがでてくることになりますので、1ドル=115円を上回っていくような円安でないと突破するのは難しいと思えます。逆に柴田罫線では日経平均と為替(ドル・円)は、短期の売転換となっており19,000円を終値で切ってくると再度、下値模索となってきます。トランプ政策を見極めたいというムードもしばらく続くと思われるので、2月の予算教書で今後1年間の施政方針を示す「一般教書演説」まで日柄調整が続くことになるかもしれません。
1月23日(月)は、20日(金)のトランプ大統領の就任演説で具体的な経済政策は示されず、保護主義的な主張が目立ったことで、先行き警戒感がでて売り先行となりました。為替も1ドル=113円台後半となっていたことで▼199円の18,938円で寄り付き18,879円まで下げ、前場は▼203円の18,934円で引けました。後場は、いったん下げ幅を縮小して19,000円台を回復する場面もありましたが、引けにかけて再び売られ▼246円の18,891円で引けました。
今年は、トランプ大統領に国家も国民も投資家もアナリストも振り回されそうです。毎度のことですが週刊現代(2017.1.28号)は表紙で大々的に1月20日(金)株価暴騰に備えよ(就任式までまだ間に合う)としています。ところが23日(月)は大幅反落のスタートとなりました。多分、この雑誌をみて仕込んだ人も多いと思います。もちろん突然株価上昇のキッカケとなるコメントがでて、大きく上昇することもあるかもしれませんが、予測とは外れるものだという証拠になります。情報で売買する人の投資はバクチと割り切る必要があります。逆に予測が外れて大きく下げたところが買い時だったということもあります。この場合はリスクが少ない投資となります。
テレビをみて思うのは、トランプ氏は前に言ったことと180度違うことを平気で言えます。つまり、プライドのない人間であり、逆にプライドのない人間は何でもありの強い人間なので既成体制を打ち壊す(アメリカのこれまでの政治家、官僚などの支配体制)役割はもつかもしれませんが、世界は振り回されることになります。就任演説に集まった群衆を過去最大の集合といったり、その時の群衆の状況をオバマ大統領の時の就任演説の場面を使ったり、選挙前は一方的にののしっていたCIAについて「私は100%支持している」と平気でいったり、今後の政策運営に不安が付きまといます。特にアメリカファーストを訴えており、それはアメリカ以外の国で作った製品をアメリカで売るなら雇用を守るために「高い関税をかける」ということです。貿易は二国間交渉で行うといっていますが、アメリカの企業や雇用を守るために相手国の雇用が喪失されようが相手国の関税撤廃や引き下げを迫る動きをするかもしれません。つまり他国を犠牲にして自国の利益を守ることがアメリカファーストならば、西側諸国や日本には大きな影響を与えてくることになります。アメリカファーストの進展具合を慎重にみておく必要があります。
先週の予測では、20日(金)トランプ次期大統領の就任式を控えて様子見が続くとしました。為替は柴田罫線で1月15日(日)の1ドル=115.7円で売転換しており、為替がさらに円高にふれて19,125円を切ってくると日経平均も一段安の可能性があるとしました。その場合、目先の下値ゾーンを18,500~18,800円としました。
結果的に、1月16日(月)は▼192円の19,095円となって19,125円を切り、1月17日(火)は▼281円の18,813円となって短期の売転換となり、1月18日(水)は前場に18,650円まで下げて、後場反発に転じ△80円の18,894円となりました。1月19日(木)は為替が1ドル=112円台から114円台の円安となったことで△177円の19,072円と続伸しました。週末の1月20日(金)はトランプ氏の就任式を控え様子見ながら先物主導で△65円の19,137円と3日続伸となりました。
1月20日(金)のアメリカ市場はトランプ大統領の就任式も無事終わり、演説もこれまで通りの内容だったことでNYダウは6日ぶりの反発となりましたが、シカゴの日経先物は▼25円の19,135円となっていました。
今週は、アメリカで再びドル買い、株高のトランプラリーが再現しなければ為替次第となっている日経平均は19,000円台でのもみあいか、再度19,000円を割って下値確認の動きとなるかどうかとなります。ただし、10-12月期の決算が本格化してきますので、上方修正が相次ぐようですと個別銘柄中心に買われて、相場の下値は堅くもみあいとなりそうです。
1月23日(月)は、トランプ大統領の演説に経済政策の具体性がなく、保護主義的要素が強かったことで1ドル=113円台の円高進行となり、日経平均は輸出関連株中心に売られ▼199円の18,938円で寄り付き、一時19,000円台を回復する場面もありましたが、引けにかけて再び売られ▼246円の18,891円と19,000円を割って引けました。
先週の予測では、1月20日(金)のトランプ次期大統領の就任式を控え、基本は様子見としました。NYダウは、長期金利の上昇もあってドル高基調となり5日続落となり、1月19日(木)は▼72ドルの19,732ドルとなって柴田罫線で短期の売転換出現となりました。1月20日(金)の分析で、この売転換は就任式を控えて下げ過ぎからのダマシの可能性もあり、就任式での演説の内容がよければ反発して「ろあ買」となって2万ドルを突破していく可能性もあります。逆に内容が不発なら材料出尽し、もしくは失望売りでもう少し調整が続くことも考えられるとしました。
1月20日(金)のトランプ大統領の就任式では、NYダウは△63ドルの19,795ドルと高寄りしたあと、△26ドルの19,759ドルまで上げ幅を縮小しましたが、演説内容が想定通りだったことで買い安心感から上昇し△94ドルの19,827ドルと6日ぶりの反発となりました。思ったほど勢いがありませんでしたので、このままこれまでのトランプラリーが再現するのか注目となります。まずはTPPからの脱退やNAFTAとの再交渉などやオバマケアの撤回への取り組みなどの政権の対応をみるために2万ドルを前にもみあいも想定されます。柴田罫線では、終値で2万ドルを上回れば「ろあ買」という買法則がでて一段高の形となります。
先週の予測では、1月20日(金)の就任式までは、トランプラリーでのドル高を修正する動きが続く可能性があるとし、1ドル=113~117円のレンジの中で115円台前後のもみあいを想定しました。
結果的に、トランプ氏がドル高をけん制したことで1月17日(火)には1ドル=112円後半までの円高となり、1月18日(水)には保護主義的な懸念もあって、1ドル=112.57円までドル安・円高となりました。しかし、その後イエレン議長の講演で追加の利上げに前向きな発言がでて1ドル=115.62円までドルが買われました。週末はトランプ大統領の就任演説を受けたものの利益確定売りで、1ドル=114.56円で引けました。
今週は、トランプ新政権に対する期待と不安が入り交じる中、強いドル政策への思惑で買われる可能性があります。財務長官に指名されているムニューチン氏は、19日(木)の公聴会で「ドルは長期的な強さが必要」と発言しており、又、イエレン議長の追加の利上げに前向きのスタンスを考えると年初からのドル安への調整局面はいったん終了する可能性があります。ただ、トランプ氏自身がドル高けん制発言をしたように政権内でドル高でまとまっているわけではないようなのでドル高も限定的となるかもしれません。114~116円が基本レンジ。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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