先週の予測では、10日(金)の日米首脳会談を控えた様子見やトランプ大統領の発言への警戒感が高まりやすく、下値は堅いものの上値も重い展開が続くことになるとし、18,800~19,400円のレンジの中での動きを想定しました。結果的に、週前半から半ばにかけては19,000円水準を上値とするもみあいが続いていましたが、週末の10日(金)は、前日にトランプ大統領が近いうちに驚異的な税制改革案の発表をすると表明したことで、アメリカ株式の3指標が最高値を更新し、ドル高・円安となったことで急反発して引けました。1週間のうちの安値は7日(火)の18,805円、高値は10日(金)の19,395円と想定したレンジの下限から上限まで目一杯の動きとなりました。
6日(月)は、前週末の好調な1月雇用統計の結果を受け、高寄りして△157円の19,075円まで上昇するものの、為替が1ドル=112円台の円高水準のままなのを嫌気し、上げ幅を縮小して△58円の18,976円で引けました。7日(火)は欧州の政局不安やアメリカの長期金利の低下で1ドル=111.63円まで円高が進み、日経平均は一時▼171円の18,805円まで下落し、引けにかけてはETF買い期待もあり▼65円の18,910円まで下げ幅を縮小しました。 8日(水)は円高一服となったことで、押し目買いで△96円の19,007円と反発しましたが、9日(木)は、すぐに反落し前日の上げ幅を帳消しにする▼99円の18,907円となりました。 この日の引け後のアメリカでは、トランプ大統領が近いうち(数週間)に税制改革で「驚くべき提案」を行うと表明し、さらにアメリカの当局者の話として、日米首脳会談では「為替操作問題」は優先課題ではないと表明されました。この2つの表明を受けてアメリカ株式は3指標ともに最高値を更新し、為替も1ドル=111円台から1ドル=113円台までのドル高・円安となったことで、10日(金)の日経平均は日米首脳会談を待たずに△471円の19,378円と大幅反発となりました。
2月10日(金)のアメリカ市場は、前日のトランプ大統領の大型減税期待を好感する流れが続き、ほぼ全面高となり、NYダウは一時△125ドルの20,298ドルと20,300ドルにあと少しというところまで接近し、終値は△96ドルの20,269ドルでした。シカゴの日経先物は為替が1ドル=113.86円まで上昇して、1ドル=113.24円で引けたこともあり▼40円の19,340円となっていました。
今週は、先週のトランプ大統領が数週間内に驚異的な税制改革案の発表をすると表明し、交通インフラ整備を急ぐ考えを示したことで「減税」「インフラ」の期待で再びトランプラリーが始まれば、日経平均も追随していくことになります。ただし、日経平均が大きく上昇するには為替の円安がどこまで進むかにかかっています。トランプ大統領が「ドルが高い」と発言して以来、ドルの上値の重荷になっています。10日(金)の日米首脳会談で「日本は為替操作だ」という問題にはふれなかったことで目先一安心となって1ドル=113円台まで円安が進みましたが、ここからどうなるか注目するところです。
当面の相場環境は、日米の企業決算はともに好決算で終わりそうで、トランプ政権の経済政策によるアメリカの景気拡大期待は高まり(ドル買い要因)、FRBの追加利上げ期待(ドル買い要因)を考えると上を目指すところです。そのためにはまず昨年12月以降、上値を抑えてきた19,500~19,600円の累積売買の膨らんでいるゾーンを突破できるかどうか(終値では1月5日(木)の19,615円を突破)にかかっています。日経平均のチャートからは先週末の△471円の19,378円でマドをあけて25日移動平均線(先週末10日(金)19,109円)を突破し、SQ値19,276円を上回って引け、先高感が高まっています。目先は19,100円水準が下値抵抗帯となって19,600円を突破できれば、近いうちに2万円も視野にはいってきます。
頭に入れておかなければならないのは、トランプ大統領の「驚異的税制改革案」を織り込んでアメリカ株式は上昇してきていますので、発表内容の程度によっては材料出尽し、もしくは失望売りということも考えられるということです。
2月13日(月)は、先週末のアメリカ株式の3指標の高値更新が続き、円が弱含んでいることで買い先行で始まり、△134円の19,513円で寄り付き、19,519円の高値をつけましたが利益確定売りに押され19,418円まで下げ、その後は再び19,500円にタッチするものの上値重く△80円の19,459円で引けました。
先週の予測では、アメリカ株式の反発にもかかわらず為替が円高水準のままなので上値重く、トランプ大統領の発言を警戒しながらの相場展開になるとし、18,800~19,400円の中での値動きを想定しました。
材料不足のため、週始めの2月6日(月)から2月9日(木)までは、19,000円水準を上値に、下値は18,800円の間でもみあっていましたが、2月10日(金)は前日にトランプ大統領が税制改革で驚くべき提案をすると表明したことで、アメリカ株式の3指標がそろって最高値更新となり、為替も1ドル=112円台から1ドル=113円台の円安となったことで、日経平均は△471円の19,378円と大幅反発となりました。
今週は、アメリカでトランプ政権の経済政策の大型減税期待が継続し、ドルが買われる展開となって19,500~19,600円の抵抗ゾーンを突破(19,615円を突破)できるかどうかに注目となります。為替の円安進行がポイントだがアメリカ株高のわりにはトランプ大統領のドル高懸念発言を警戒してドルの上値は重くなりそうです。これが払拭できればアメリカ株高、ドル高となって日経平均も追随するところとなります。
2月13日(月)は、先週末のNYダウを含めた主要3指標が引き続き最高値を更新したことや、円の弱含みで△134円の19,513円と高寄りし、19,519円をつけたあとは利益確定売りに押される展開となり、終値は△80円の19,459円でした。
先週の予測では、トランプ大統領の経済政策や、それを受けての政治動向が注目になるとし、オバマケアや減税案の法案が公表されると株価は上昇する可能性があるとしました。
週の始めから半ばまでは、材料に乏しく早期利上げ期待が後退したこともあり、2万ドル台でのもみあいとなりました。しかし2月9日(木)になるとトランプ大統領が数週間のうちに驚異的な税制改革案を発表すると表明したことで、減税による景気拡大期待から主要3指標がそろって最高値を更新しました。NYダウは△118ドルの20,172ドルとなりました。週末も減税期待を好感する流れから△96ドルの20,269ドルと2日連続で最高値を更新しました。
今週は、引き続き先週のトランプ大型減税への期待から底堅い動きとなりそうです。さらに具体的な経済政策が発表されるとさらに株価上昇に弾みがつくことになります。また、イエレン議長の2月14日(火)~15日(水)の議会証言で利上げのペースが早まるのか、遅れるのかの手がかり次第で株価の動きもかわってきます。基本的には2万ドルを下値に底堅い動きとなりそうです。
先週の予測では、10日(金)に日米首脳会談を控え、今後の円安方向を確認できるのか注目とし、FRBの年数回の利上げの可能性は低下しておらずドルの先高感は強いとしました。
結果的には、週半ばまではトランプ政権の政策の不透明さやフランスで大統領候補のルペン氏が公約にEU離脱をかかげたことで欧州株が全面安となり、リスク回避の円買いとなって一時1ドル=111.6円の円高となりました。その後は2月9日(木)にトランプ大統領が数週間内に驚くような税制改革案を提示すると表明したことで、株式の3主要指数が最高値を更新し、ドルも1ドル=113円台まで買われました。週末の2月10日(金)は1ドル=113.86円までドルが上昇し、引け値は1ドル=113.24円でした。
今週は、先週のトランプ大統領減税期待が継続し、ドルを下支えする可能性があります。また、イエレン議長の議会証言が2月14日(火)~15日(水)の2日あり、証言内容から年内の利上げペースについての手がかりがつかめるか注目となります。
大型減税発表までは、ドルは底堅い動きが想定されますが、期待ハズレであればドル売りの可能性もあります。また、大型減税期待でドルが買われてもトランプ大統領が過度のドル高を容認するかどうか不明ですので、急速なドル高もなさそうです。1ドル=112.5~114.5円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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