先週の予測では、10日(金)の日米首脳会談が期待以上で終わり、為替も1ドル=113円台の円安進行となったことや、トランプ大統領の大型減税やインフラ期待でアメリカ株式は史上最高値を続けていることで、日経平均の追随を想定しました。その場合19,500~19,600円の目先の上値抵抗ゾーンを突破できるかどうか注目とし、それは為替の円安がどこまで進行するかにかかっているとしました。
結果的には、週始めに1ドル=113円台の円安や国内企業の好決算を受け一時19,500円台にのせるものの、その後は円安が進まず目先の下値水準とした19,100~19,500円のレンジでのもみあいとなり、19,500~19,600円のレンジを試す動きとはなりませんでした。
週始めの13日(月)は、10日(金)の日米首脳会談が波乱なく通過したことで、△134円の19,513円と買い先行で始まり、一時△140円の19,519円まで上昇するものの、利益確定売りに押され、上げ幅を縮小して△80円の19,459円で引けました。しかし、14日(火)は前日のアメリカ株式の主要3指標が史上最高値を更新し買い先行で始まるものの、利益確定売りで下げへ転換し、後場になるとトランプ大統領の側近であるフリン補佐官の突然の辞任や、東芝の決算発表延期を受けて▼220円の19,236円の大幅反落となりました。15日(水)は、前日のイエレン議長のアメリカ経済に対する楽観的な見方や3月の利上げの可能性も示唆したことでドルが買われて1ドル=114円台となり、3指標はそろって最高値更新となったことで、日経平均は△199円の19,437円と大幅反発しました。16日(木)は前日のアメリカ株式は最高値が続いているものの、日本市場では為替が1ドル=113円台となったことを嫌気して、▼177円の19,260円まで下落し、終値では▼90円の19,347円でした。
週末の17日(金)は、為替がさらに1ドル=113円台前半への円高・ドル安となってきたことで利益確定売り先行となり、材料不足もあって先物主導の売りも入り、一時▼174円の19,173円まで下げ、終値は▼112円の19,234円で引けました。1週間を通すと高値は13日(月)の19,519円、安値は17日(金)の19,173円となり、おおよそ19,100~19,500円のレンジの動きとなりました。
週末17日(金)のアメリカ市場は、3連休を控えて軟調な取引となっていましたが、後場になると買い優勢となり、NYダウは△4ドルの20,624ドルと7日続伸となりました。3指標は終値では最高値更新でした。為替はアメリカの長期金利や欧米の政局不安を背景に相対的な安全資産として円買い優勢となり、一時1ドル=112.62円の円高となり、シカゴ日経先物は▼70円の19,130円となっていました。
今週も先週に引き続き、こう着感の強い展開が想定されます。アメリカでトランプ大統領の大型減税期待で株価は最高値更新を続けているものの、為替の方はトランプ政権への不安定化を嫌気してドルが伸び悩んでおり、円安進行にはなっていません。そこでイエレン議長が2月14日(火)~15日(水)の講演で早期利上げの可能性もあることを示唆しているため、22日(水)のFOMC議事録(1月31(火)~2月1日(水))公開の内容に含まれる年内の利上げペースについての議論がどうなっているのか注目となります。内容によっては3月利上げ期待が高まればドルが買われる可能性がでてきます。そうでなければ円安が進まず日経平均は19,100円水準を守れるかどうかとなり、柴田罫線では引線の終値で19,021円を切ると短期の売転換となって下値模索となり、その場合の目先の下値メドは1月18日(水)の18,650円というところです。
トランプ大統領の大型減税にしろ期待以上に織り込んでいるという見方もあり、そうなると発表と同時に材料出尽しで失望売りとなり、アメリカ株式もいったん上昇が止まれば日本株式にはマイナス要因となります。但し、アメリカの場合は次々と経済政策がでてくる可能性は高いので、株価はいったん調整してもすぐに上に向かうことになりそうです。日本市場では、東芝問題の影響や3月に入るとメジャーSQや決算期末を意識してきますので、機関投資家は積極的なポジションがとりにくいと思われます。そうはいっても業績は好調ですので下値は限定的となり、もみあいが続くことになりそうです。
2月20日(月)は、為替が1ドル=112円台後半の円高となっていたことで▼73円の19,161円と寄り付き、一時▼119円の19,115円まで下落しました。しかし売り一巡後は下げ幅を縮小し、後場になると円高一服もあってプラス圏となって△16円の19,251円で引けました。引け後のアメリカ市場が休場のため積極的な売買はなく、売買代金は1兆7,127億円と今年最低となり、出来高も14億9,739万株と今年2番目の低さでした。
先週の予測では、トランプ大統領の大型減税期待から株高が継続しており、つれてドルが買われて円安が進行し19,500~19,600円の抵抗ゾーンを突破できるか注目としました。
結果的には、ドルは1ドル=112~115円のもみあいとなったことで一時19,500円台にのせるものの、日経平均も19,100~19,500円のもみあいとなっていました。
2月13日(月)は日米首脳会談が波乱なく通過したことで一時19,519円まで上昇しましたが、その後は25日移動平均線(19,100円水準)を下値のメドに大きな上下動となってもみあい、週末の2月17日(金)は19,173円まで下げて▼112円の19,234円で引けました。
今週も引き続き、こう着感の強い展開となりそうです。基本は先週の19,100~19,500円のレンジのもみあいが想定されますが、柴田罫線では、引線の終値で19,021円を終値で切ると、いったん短期の売転換となります。先週末のアメリカでシカゴ日経先物が19,020円まで下げて▼70円の19,130円で引けているのが気になるところです。
2月20日(月)は、1ドル=112円台の円高もあって▼73円の19,161円で寄り付き、後場は円高一服となってプラスに転じ、△16円の19,251円で引けました。
先週の予測では、引き続きトランプ大統領の大型減税への期待から底堅い動きが続き、さらに具体的な経済政策がでてくると株価上昇に弾みがつくことになるとしました。イエレン議長の議会証言も内容次第では、利上げのペースが早まるのかどうかで株価の動きに影響を与えることになります。
先週は、トランプ大統領の大型減税による景気拡大期待が続き、2月13日(月)は△142ドルの20,412ドル、2月14日(火)はイエレン議長の3月FOMCでの利上げの可能性への示唆も加わって△92ドルの20,504ドル、2月15日(水)は良好な経済指標が相次ぎ△107ドルの20,611ドル、2月16日(木)はエネルギー株が重しとなるものの△7ドル20,619ドル、週末の2月17日(金)は連休前で軟調な取引となるが終盤にかけて買い優勢となり△4ドルの20,624ドルと7日続伸で引けました。
今週は、多数の小売企業の決算発表が予想されており、決算予想に警戒感が広がっています。また、先週のイエレン議長の議会講演で3月の利上げの可能性を示唆したこともあり、利上げは株式にとってはマイナス要因となります。そうはいってもトランプ政権が近い内に発表予定である大型減税策への期待は継続することで、相場は底堅い動きが想定されます。
先週の予測では、トランプ大統領が数週間の内に発表するという大型減税期待が継続し、ドルは底堅い動きを想定しました。但し、トランプ大統領はドル高を批判しており、過度のドル高を容認するかどうか不明ですので、ドルの上値は目先限定的としました。1ドル=112.5~114.5円のレンジを想定。
結果的には、2月15日(水)の1月消費者物価指数が予想を上回ったことで一時1ドル=114.96円までドルが買われましたが、株式が最高値更新しているにもかかわらず長期金利が上げ渋り、欧州の政治不安やトランプ政権の不透明さもあり2月17日(金)には一時1ドル=112.62円までドルが売られ、引けは1ドル=112.89円でした。
今週は、イエレン議長が先週の議会証言で3月の利上げの可能性を排除しなかったことで2月22日(水)公表のFOMC議事録(1月31日(火)~2月1日(水))の内容で3月の利上げ期待が高まれば、ドル買いが強まる可能性もあります。また、トランプ政権による大型減税の期待から株高が継続すればドルは堅調となりますが、大統領補佐官のフリン氏の辞任など政権の人事がもたついており、政策運営に対する不安感からドルの上昇を抑えることも考えられます。それを考えるともみあいが想定されます。1ドル=112~115円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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