先週の予測では、2月28日(火)のトランプ大統領の演説を控え、前週に引き続き19,100~19,500円の中でのもみあいで、19,100円水準を守れるかどうかとしました。注目すべきは22日(水)のFOMC議事録の内容によっては、イエレン議長が2月14日(火)~15日(水)の講演で示唆したような3月利上げの可能性が高まり、円安推移となれば株価も期待できるところですが、そうでなければ19,000円を試す動きも想定されるとしました。
結果的には、想定通り週を通じてこう着状態が続き、安値は20日(月)の19,115円、高値は22日(水)の19,419円で週の終値は19,283円となりました。
20日(月)は、売り先行で一時19,115円をつけるものの、その後は円高一服で下げ幅を縮小し、後場にはプラス圏の動きとなるものの上値重く△16円の19,251円で引けました。売買代金は1兆7,127億円と今年最低水準、出来高も14.9億株と今年2番目の低水準であり、薄商いの中を先物主導で指数が動いているという状況です。21日(火)は、為替が1ドル=113円台の円安基調となっていたことで円買い、株価先物売りポジションの巻き戻しで△130円の19,381円と続伸して引けました。あくまでも買い戻しが主体で新規の買いは乏しいといえます。22日(水)は、前日のアメリカ株式の全面高を受けて買い先行で始まり寄り付き△37円の19,419円をつけるものの、ここがピークとなってマイナスに転じましたが、下値は限定的で▼1円の19,379円の小反落でした。23日(木)は、前日のアメリカ市場で注目されていたFOMCは「かなり早期」の利上げの可能性は表明されているものの、それほど積極的なものでないと受け止められ、債券利回りは低下し、ドルがやや売られたことで日経平均は続落となり、▼8円の19,371円でした。24日(金)は、前日のアメリカ市場でNYダウが30年ぶりの10連騰となったにもかかわらず早期利上げがやや後退し、長期債券利回りも引き続いて低下し、為替も1ドル=112円台となったことで円高警戒感や週末要因もあり、▼87円の19,283円と3日続落で引けました。
24日(金)のアメリカ市場は、引き続き早期利上げ後退を受けて、10年債券利回りが2.31%と今年最低水準(米債は急伸)となって、為替は一時1ドル=111.94円まで下げて1ドル=112.14円で引けました。これを受けてシカゴの日経先物は19,075円まで下げて▼110円の19,160円で引けています。
今週は、28日(火)のトランプ大統領の議会演説が相場の変動要因となります。すでにNYダウが23日(木)に30年ぶりの10連騰を記録し、さらに翌日の24日(金)も△11ドルの20,821ドルと記録を更新する11連騰となりました。高値警戒感から急落するリスクもでてくることになります。早期利上げ観測も後退して米10年債利回りは2.31%と今年最低水準となり、為替は一時1ドル=112円を切りシカゴ日経先物は19,075円まで下げて▼110円の19,160円となっていますので、19,100~19,500円としていたレンジの下限である19,100円を守れるかどうかとなります。
これまでの日経平均の動きは19,100~19,500円の中のもみあいが続いており、上か下かへの煮詰まりが近づいていますが、値動きをみるとこのレンジの中で上値を切り下げ、19,100円を試すような動きになっていますので、トランプ大統領の演説が目先失望売りか材料出尽しとなれば日経平均もNYダウに連動することになります。唯一のサポートは、為替ですが3月利上げが後退するようだと1ドル=110円水準までの円高の可能性があり、日経平均は下値を探る展開となります。3月1日(水)のアメリカのベージュブック、2日(木)のイエレン議長の講演で3月利上げが高まるかどうか注目するところです。
来週は、メジャーSQを控えており、トランプ大統領の講演の内容によっては売り仕掛けが出る可能性があり、メジャーSQを通過すると期末要因から機関投資家は動けませんので、しばらくは業績のよい中小型株や材料株の物色が続くことになりそうです。状況によっては年2~3回という大きな調整となって、久しぶりにリスクの少ない買い場が到来することになるかもしれません。
2月27日(月)は、朝方に1ドル=111円台まで円高が進行し、一時18,995円と19,000円を割り込みました。これには28日(火)のトランプ大統領の議会演説で発表される予定だった税制改革案が時間的に間に合わないとみられ、リスク回避の円買いが進み、演説前のポジション調整もあっての下げとの見方となっています。後場になると円高一服と日銀のETF買い観測から19,178円まで戻すものの、上値重く▼176円の19,107円で引けました。終値ではかろうじて19,100~19,500円の下限を守りました。市場の見方は、トランプ大統領の演説で材料出尽しの見方もでていますが、逆に強い財政政策案がでると金利が上昇して円安となり大きく戻る状況も否定はできません。まずは、どちらかにかけて投資するのはバクチですので、まずは演説の結果に注目することになります。
先週の予測では、前週に引き続きこう着感の強い展開となって基本のレンジは19,100~19,500円の中での動きとしました。
結局、28日(火)のトランプ大統領の議会講演を控えNYダウは最高値更新を続けるものの、為替が1ドル=112円台後半から113円台後半までの狭い値動きの中で、手がかり材料に欠け2月20日(月)の19,115円を安値に2月22日(水)の19,419円を高値とするもみあいとなり週末の2月24日(金)は19,283円で引けました。売買代金も2月20日(月)、21日(火)と2連続で今年最低水準でした。
今週は、28日(火)のトランプ大統領の議会講演が相場の変動要因となりそうです。すでにNYダウは30年ぶりの11連騰の最高値更新となっており、大型減税の期待をかなり織り込んでいる可能性があります。そうなると内容によっては失望売り、材料出尽しとなり、NYダウが下げれば日経平均も連動することになります。19,100~19,500円のレンジを想定してきましたが、先週末のアメリカ市場で為替が一時1ドル=112円を切る動きとなっており、日経平均が19,100円を守れるかどうかとなります。柴田罫線では引線の終値で19,021円を下に切ると次の下値ポイントは1月18日(水)の18,650円となります。
27日(月)は、朝方に1ドル=111円台の円高を嫌気して18,995円と一時19,000円を割れました。しかし後場になると為替の一服と日銀のETF買い観測で19,178円まで戻り、▼176円の19,107円で引けました。
先週の予測では、小売の決算に警戒感がでていることや、イエレン議長の3月利上げ可能性の示唆で株価の上値は重たくなるものの、トランプ大統領の大型減税期待が継続することで株価は底堅い動きを想定しました。
結果的には、小売決算は好調で早期利上げも後退したことにより、株価の押し上げ要因となってNYダウは11連騰となりました。連休明けの2月21日(火)は原油価格の上昇を受けてNYダウは△118ドルの20,743ドルとなりました。2月22日(水)は、注目のFOMC議事録の内容からは早期利上げがやや後退したもののNYダウは△32ドルの20,775ドル、2月23日(木)も△34ドル20,810ドルとなり、30年ぶりの10連騰となりました。週末も早期利上げ後退で10年債利回りが今年最低水準となるものの、NYダウは△11ドルの20,821ドルと30年ぶりの連騰記録を更新しました。
今週は、28日(火)のトランプ大統領の演説の内容に注目となります。法人税減税やインフラ投資、金融関連の規制緩和など各政策の内容の程度によって材料出尽しの可能性があります。すでにNYダウは30年ぶり史上最高値更新11連騰となっており、政策期待をかなり織り込んでいる可能性があります。上昇する場合でも柴田罫線のチャートからみると2013年10月9日(水)の14,719ドルからの上昇トレンド(A)の下値斜線が21,000ドル近辺にあり、ここでいったん止まる可能性が高いと思われます。
先週は、2月22日(水)のFOMC議事録の公開で内容によっては3月利上げ期待が高まれば、ドル買い・円売り、一方でトランプ政権の不透明さが重荷になればドル売り・円買いが想定され、112~115円のレンジの中でのもみあいになるとしました。
結果的には、NYダウは最高値更新を続けるものの債券利回りは上昇せず、ドルの上値重く、1ドル=113.7円を上限に下限は1ドル=112.6円台という1円ほどの値幅のせまい値動きとなりました。
先週はムニューチン財務長官が「おそらく長期にわたり低金利続く」と発言したことで、早期利上げ観測が後退しており、3月3日(金)のイエレン議長の発言によっては3月の利上げ観測がさらに後退し、ドル売り・円買いとなる可能性があります。また、28日(火)のトランプ大統領の議会演説も材料出尽しの可能性もあり、ドルは弱含みとなりそうです。1ドル=111~115円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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