先週の予測では、前週に19,000円水準から18,500円水準まで下げて、年初来安値を更新したところなので、いったんリバウンドするところだが、シリア情勢や北朝鮮をめぐる地政学的リスクの懸念が高まる可能性があるとしました。そのため18,500~19,000円のレンジの中の動きで次の展開を注視するところであり、悪材料を待つことになるとしました。結果的には、週始めのザラ場高値18,850円が目先のピークとなりました。その後はアメリカと北朝鮮の緊迫度が高まり、トランプ大統領が現状の世界的危機の中で「ドルは高すぎる」と発言し、また、アフガニスタンのイスラム国の地下施設を狙った大規模な空爆を行ったことで、日経平均は3日連続の年初来安値更新となり、週末の14日(金)は、一時▼141円の18,285円まで下げて▼91円の18,335円で引けました。想定よりも早い18,500円割れとなりました。
10日(月)は、アメリカの長期金利の上昇を背景に、1ドル=111円台への円安を好感し△135円の18,800円で寄り付いて、一時△186円の18,850円まで買われましたが、上値は重く△133円の18,797円で引けました。11日(火)は、アメリカと北朝鮮が先制攻撃をめぐってチキンゲームに入ったとの見方から、再び為替が円高となってきたことで、一時▼115円の18,661円まで下げ、終値は▼50円の18,747円と反落しました。12日(水)には、北朝鮮がアメリカに先制攻撃の徴候があれば、アメリカ本土へ核攻撃すると警告したとロイターが伝えると、1ドル=109円台の円高となり、日経平均は一時▼287円の18,460円まで下げて▼195円の18,552円(年初来安値を更新し、柴田罫線で「ろく売」という追加の売法則が出現しました)となりました。13日(木)には、前日のアメリカ市場で、トランプ大統領が中国の為替操作国の認定を見送り、(中国がアメリカ寄りとなったと、このような裏取引きがあったと思われます)、「ドルは高すぎる」とか「低金利が望ましい」と発言したことで、1ドル=108円台後半まで円高が進み、日経平均は18,304円まで下げて▼125円の18,426円で引けました。週末の14日(金)は、オプション4月限ギリのSQ値算出日でしたが、大量の買い注文から△105円の18,531円で寄り付きました。SQ値は18,613円をつけましたが、目先の需給面からの上昇であり、寄り付きの18,531円を高値にアフガニスタンのイスラム国軍事施設への空爆報道で一転して下落に転じました。週末のポジション調整で、一時▼141円の18,285円まで下げ、終値は▼91円の18,335円と3日連続の年初来安値更新で引けました。ここで注視すべき点は、SQ値である18,613円を大きく下回る18,335円で引け、幻のSQとなったことでこの18,613円を早く上回らなければ、当面の上値のフシとなる可能性があるということです。
14日(金)のアメリカ市場は、グッドフライデーで休場でした。前日の13日(木)のアメリカ市場では、アメリカのアフガニスタンのイスラム国の地下施設を狙った大規模な空爆で地政学的リスクが高まり、NYダウは▼138ドルの20,453ドルの大幅下落となりました。 シカゴの日経先物は▼45円の18,355円で引けていました。
今週は、北朝鮮問題からの地政学的リスク懸念が続き、下値模索が続きそうです。週足チャートでは、4週連続で陰線となっており、北朝鮮問題が落ち着けば多少の自律反発があってもおかしくないところですが、北朝鮮のミサイル発射が地政学的リスクを高めてきています。
日経平均は、再び為替に左右される展開になっていますが、当面円安への戻りは期待できそうにありません。先週はトランプ大統領がインタビューで「ドルは高すぎる」「低金利が好ましい」と発言しており、ドルの上値が重い展開が続きそうです。さらに18日(火)から日米経済対話で貿易の枠組みについての協議(アメリカでは中国に次ぐ2番目の貿易赤字)で是正がせまられる可能性があり、輸出企業にとっては厳しい状況となりそうです。そうなると、今後の業績の上方修正が期待できなくなり、株価には悪影響となってきます。これらを織り込む株価の動きが続くことになります。下支えになる可能性としては、アメリカで1-3月期の決算が本格化し、18日(火)に確定申告期限となっていますが、それにともなって退職金が確定し、市場に流入する時期となり、アメリカ株価が再上昇する場合です。しかし、一方でフランス大統領の選挙の行方も不透明要因となります。今週は基本、18,000~18,600円のレンジの動きの中で様子見となりそうです。
日経平均のチャート(柴田罫線)でみてみると、先週の12日(水)に18,552円で「ろく売」という追加の売法則がでて、1月18日(水)の直近の安値18,650円を下回りましたので、さらに下値を試す形となっています。また、先週末の14日(金)のSQ値にタッチしない幻のSQとなったことで、当面SQ値の18,613円が上値のフシになる可能性があります。どこまで下げるのかは、アメリカのトランプ政権のシリアや北朝鮮問題への対応が読めないので何ともいえませんが、チャート的には、1つ目の目安は昨年11月22日(木)にあけた上げの「マド」の下限である18,175円、2つ目は18,000円の大台の心理的フシ、3つ目は200日移動平均線(17,800円後半)となります。突発的な事件が起これば、早い段階で下値を試すことになりますが、そうでなければ、もみあいを続けながら下値を試すことになります。19,000円を目指すには、まず、SQ値の18,613円を早い段階で上回る必要があります。
4月17日(月)は、前場は地政学的リスクと円高進行から、▼95円で寄り付き一時▼110円の18,224円まで下げ、▼57円の18,278円と連日の安値更新となるものの、後場になると円高一服とETF買い期待から先物買い支えで上げに転じ、△19円の18,355円と5日ぶりの小反発で引けました。但し、売買代金は1兆6,337億円と今年最低水準であり、上値を追っていくような相場ではありません。
先週の予測では、前週に直近の安値1月18日(水)の18,650円を切って18,500円水準まで下げてきたことで、上値は重く18,500~19,000円水準の中でもみあいになるとしました。地政学的リスクが続き戻りは限定的に売り圧力が強い環境だとしました。
週始めの4月10日(月)は、アメリカの長期金利の上昇を背景にして円安を好感し、18,850円まで上昇して、△133円の18,797円でしたが、ここをピークに下落となりました。4月12日(水)は、地政学的リスクから1ドル=109円台の円高となり、一時▼287円の18,460円と18,500円を割り込み、さらに4月13日(木)は、トランプ大統領が「ドルは高すぎる」発言で、1ドル=108円台後半の円高となって18,304円まで下げました。特に週末の4月14日(金)は、アフガニスタンのイスラム国の地下施設を爆撃し、18,285円まで下げて▼91円の18,335円で終わりました。
今週も、先週に引き続き下値模索の展開となりそうです。北朝鮮が落ち着いていれば、週足で4週連続の陰線となっていることで、多少の自律反発は期待できるところですが、15日(土)の北朝鮮金日成生誕105年の行事のあとの16日(日)の早朝に、ミサイルを発射したことで地政学的リスクが高まっており、相場は不透明感を増しています。下値のメドをみてみますと18,000円の心理的フシがあり、その下は200日移動平均線(14日(金)時点、17,858円)、さらに17,500円水準というところです。そこまでくると、昨年の6月29日(水)の14,864円からの上昇トレンド(A)にサポートされることになりそうです。目先は18,000円を割ってくると少しずつ買い下がってもいいかと思われます。
17日(月)は、前場は地政学的リスクと円高から18,224円まで下げて、▼57円の18,278円と連日の年初来安値でしたが、後場になると円高一服から先物主導で下げ幅を縮小し、△19円の18,355円と5日ぶりの小反発でした。但し、売買代金は今年最低でした。
先週の予測では、アメリカの議会が休会に入り、トランプ政権の経済政策の遅れへの懸念や、シリア爆撃や北朝鮮問題の地政学的リスクから、相場は不安定な動きが続くことになりそうだとしました。
週前半は、20,600ドルをはさんでザラ場では、大きな上下動となるものの、終値では20,650ドル台の小幅の値動きでした。しかし、4月12日(水)は、トランプ大統領の「ドルは高すぎる」発言を受けて、10年債利回りが大幅低下し、金融株が売られて▼59ドルの20,591ドル、さらに4月13日(木)は、アメリカのアフガニスタンのイスラム国の地下施設をMOABという大規模爆風爆弾兵器で狙ったというニュースを受け、▼138ドルの20,453ドルと大幅下落となりました。4月14日(金)は、グッドフライデーで休日でした。
今週は、シリア情勢や北朝鮮問題で地政学的リスクは継続するものの、北朝鮮が目先何も行動を起こさなければ、1-3月期決算が本格化し、金融株は利益成長率が高い見通しもあり、また、18日が確定申告の期限で、それに伴って退職金が確定し、市場へ流入するという需給的には悪くない状況なので、再び上昇も想定されるところです。但し、上値は限定的と思われます。
先週の予測では、今後の日米貿易交渉で日銀の円安誘導にクレームをつけられる可能性や、地政学的リスクの増大でドル売り圧力強く、1ドル=109~112円のレンジを想定しました。
結果的には、トランプ大統領の「ドルは高すぎる」発言や、アメリカと北朝鮮の緊張の高まり、アメリカのアフガニスタンのイスラム国軍事施設へのMOAB(大規模爆撃弾)の空爆などの地政学的リスクの高まりで、ドル急落となりました。4月13日(木)は、1ドル=109円で追加の「ろく売」が出て、4月14日(金)は、1ドル=108.55円の安値をつけ、1ドル=108.63円で引けました。ドル・円は1ドル=111.6円から108.55円まで急落となりました。
今週も引き続き、ドル・円の弱含み(円の強み)が想定されます。その理由としては、トランプ大統領が先週メディアで「ドルは高すぎる」と発言したことで、ドルの上値は重いままであると思われます。さらにトランプ大統領は、利上げを歓迎していないという見方も浮上し、今後の利上げのスピードが遅れ、円の先高観が続くことになる可能性もあります。また、地政学的リスクからのリスク回避の円買いの流れもあり、目先ドルの上値は1ドル=110円がフシとなりそうなチャートになっています。基本レンジは、1ドル=108~110円(市場でのドルの下値のフシは107.5円)。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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