先週の予測では、前週末の21日(金)に終値18,620円となって4月SQ値18,613円を上にぬけたことで、フランス大統領選や北朝鮮人民軍創設記念日に何も起こらなければ、18,500~19,000円のレンジの中で、25日移動平均線をぬければ19,000円を試す動きを想定しました。
結果的には、23日(日)のフランス大統領選の第1回投票で中道系のマクロン前経済相がトップ当選し、EU離脱懸念が後退、さらに北朝鮮問題も何も起こらなかったことで地政学的リスクが後退し、大幅な円安進行となったことで日経平均は19,000円台を突破する動きとなりました。
24日(月)は、前日のフランス大統領選でマクロン前経済相がトップとなり、決戦投票に残れなかった2候補がマクロン氏を押すことを表明したことで、フランスのEU離脱懸念は大きく後退し、ユーロ買い・円売りからドル買い・円売りとなったことにより、日経平均は△255円の18,875円となって柴田罫線で買転換出現となりました。さらに25日(火)は、前日のアメリカ株式の大幅高に加え、北朝鮮での動きが無かったことで地政学的リスクが後退し、為替も1ドル=110円台の円安進行となったことで、△203円の19,079円と一気に19,000円台を回復してきました。引き続き26日(水)は、NYダウがヨーロッパの政治リスクや地政学的リスクの後退で2日連続の200ドルを超す上昇となり、為替も1ドル=111円台へと急伸してきたことで、△210円の19,289円と3日続伸の200円超えの上昇となりました。しかし27日(木)は、トランプ政権の大幅減税案の内容によっては、トランプラリーの再燃も期待されましたが、財源の裏付けのないものであったことで、法案の成立には不透明感が意識されアメリカ株式は反落しました。日本株式も売り優勢となって▼37円の19,251円となり、週末の28日(金)もゴールデンウィークを控え、利益確定売り優勢となって▼55円の19,196円で引けました。
28日(金)のアメリカ市場は、1-3月期GDP(速報値)が予想の+1.2%を下回る前期比+0.7%となったことでNYダウは▼40ドルの20,940ドルと反落しました。好調な企業決算が下値をサポートしています。シカゴの日経先物は△15円の19,215円となっていました。
今週の株式市場は、ゴールデンウィークの谷間で2日間の取引となり、市場参加者は少ないため、為替の動きや日米の業績を踏まえたもみあいの動きとなりそうです。外部環境的には先週フランス大統領選への懸念が後退し、北朝鮮問題もアメリカの北朝鮮への攻撃はないとの見方で市場は動いています。トランプ政権は、北朝鮮問題が一定の方向がでるまでは経済問題は後回しにしており、日本との「貿易交渉」と「為替政策」も後回しになっていることによって、目先は円安が進み、日本にとってはプラスに作用しています。しかし、少し先をみると、初めに公約していた大幅な減税政策が財源の裏付けがないものであったため議会を通過する可能性はなく、失望した形となっているため、いずれ日本との「貿易交渉」「為替政策」が浮上してくることになり、その場合は日本市場は下落に転じることになります。上昇が継続したとしても、それまでの時間ということを念頭において置く必要があります。
今週の注目点は、5月2日(火)~3日(水)に開催されるFOMCで、6月の利上げの可能性について何らかの示唆があるのかどうかを見極めることになります。トランプ大統領は、利上げに対しては「金利は低い方がよい」と後向きなので、年3回の利上げ(すでに3月に1回)が年2回になるという思惑もでています。その背景には、アメリカの経済成長が底打ちになってきているという見方もあります。4月28日(金)の1-3月期GDPの速報値では、予想を下回る結果となっています。5日(金)のアメリカの雇用統計発表後のイエレン議長の講演があります。7日(日)のフランス大統領の決戦投票は、ほぼマクロン氏の見方が大勢で、相場はかなり織り込んでいると思われます。以上のようにゴールデンウィークに大きなイベントがありますので、2日の営業日の動きは19,000~19,600円の長くもみあったレンジの中で、3月24日(金)の19,296円を上回ると19,400円水準が次の上値のフシとなります。
5月1日(月)は、ゴールデンウィークの谷間ながら、日米ともに3月期決算は好調で北朝鮮リスクも後退していることや、円が弱含んでいることで積極的には動けないもののジリ高の動きとなり、△113円の19,310円と3日ぶりの反発となって、3月24日(金)の戻り高値19,296円を上回って引けました。ここからも戻り売り圧力は強まってきそうです。
先週の予測では、週前半は25日(火)に朝鮮人民軍創設85周年にあたるため、地政学的リスクが懸念されるが、何もなければ日経平均は戻りを試すことが想定されるとしました。チャートではSQ値を上回ったことで、25線(18,800円水準)を上回ると19,000円を試すことになるとしました。
結果的には、4月24日(月)に前日のフランス大統領選で中道のマクロン氏がトップだったことでEU離脱懸念が後退し、円安進行となって△255円の18,875円で柴田罫線に買転換が出現しました。翌日の4月25日(火)は北朝鮮で何も起こらず、地政学的リスクが後退して△203円の19,079円とアッサリ19,000円台を回復しました。その後は19,289円の高値をつけて押し戻されて、週末の4月28日(金)は▼55円の19,196円で引けました。
今週は、2営業日のみの取引のうえに、ゴールデンウィークで市場参加者は少なく、為替の動きや日米の企業業績を踏まえた19,600円までの間はもみあいの動きが続きそうです。
日経平均の現水準から19,600円までの間は過去の売買代金が膨れているところですので、戻り売り圧力が強くなります。3月24日(金)の19,296円を上回ると次は19,400円水準が上値のフシとなります。
5月1日(月)は、連休の谷間にもかかわらず、3月期の好決算や北朝鮮リスクも後退していることで△113円の19,310円と大きく上昇して引けました。
先週の予測では、大きなイベントが複数あり、リスク要因になるため注意が必要としました。結果的には、リスク要因が次々とクリアーされて戻りを試す動きとなりました。
23日(日)のフランス大統領選第1回の投票で中道のマクロン氏がトップとなったことでEU離脱懸念が後退し、4月24日(月)は△216ドルの20,763ドル、4月25日(火)は北朝鮮が何もしなかったことで地政学的リスクが後退し、△232ドルの20,996ドルと2日連続で200ドルを超える上昇となりました。その後は大幅な減税政策が期待されましたが、財源の裏付けがないことで期待ハズレとなりましたが、好調な決算に支えられもみあいとなって週末の4月28日(金)は▼40ドルの20,940ドルで引けました。
ヨーロッパの政治リスクや北朝鮮の地政学的リスクはやや不透明感が後退し、決算も好調な内容が続いていることで、上値を試す動きとなっているものの、トランプ政権の政策には不透明感があり、どんどん上昇していく状況ではありません。5月2日(火)~3日(水)のFOMCで6月の利上げの可能性がでてくるのかどうかに注目となります。
先週予測では、フランス大統領選や北朝鮮の地政学的リスクがあり、上値は重たいもののトランプ政権の減税政策の内容にインパクトがあれば、ドルが買われる展開になるとしました。基本は1ドル=108~110円のレンジですが、110円をこすと111円が目先の上値のフシになるとしました。
結果的には、フランス大統領選は、中道のマクロン氏がトップとなってEU離脱懸念が後退し、北朝鮮問題も何も起こらなかったことで地政学的リスクが後退し、リスク回避の円買いの巻き戻しとなって、ドル買い・円売りの展開となり、1ドル=111円台まで円安進行となりました。期待された減税政策は財源が不透明なため失望となりました。週末は1ドル=111.44円で引けました。上値のフシとした1ドル=111円を上回ったので、1ドル=111円台半ばまでドルが買われました。
今週は、ドル・円はもみあいとなりそうです。フランス大統領選は、マクロン氏の決戦投票での勝利をかなり織り込んでおり、5月7日(日)のマクロン大統領が誕生してもさらに大きく円安になる可能性は少ないと思われます。逆にトランプ政権の政策が不透明なことはドル売り要因であり、FOMCでの6月の利上げが無いようであれば、ドル売り要因となります。ドルの強弱感が対立するところです。1ドル=110~112円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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