新春講演会2025

回復まで何年かかったか検証! 米株ファンドで積立の場合

2022年7月27日配信

積立投資家の皆様、本日もお疲れ様です。楽天証券の山口です。

毎週水曜日の「元気が出るニュースレター【#積クラ通信】」をお届けいたします。
本ニュースレターでは、積立投資家のお客様に役立つ「資産形成がうまくいくヒント」をお伝えしてまいります。

さて、先週からは、避けては通れない「投資のリスク」の話について取り上げています。
「投資にはリスクがある」と言われても、実際にどのぐらい値下がりがあるものなのか、という数字の感覚をお持ちの方は多くはないのではないでしょうか?
いざ相場が大きく変動した時に「こんなに下がると思っていなかった!」とあたふたしてしまわないよう、あらかじめ過去の値動きを知っておき、このぐらいは下がるものだと想定しておくことが、資産形成を続けていく秘訣です!

というわけで、先週より実際に2002年5月末~2022年5月末までの20年間、毎月33,000円を米国株式ファンドで過去積立を行っていたとしたら、どのぐらいの値下がりがあったのか?についてご紹介しております。
先週は、2009年までの値動きをたどりました。改めて結果を見てみましょう。

【2002年5月末から毎月33,000円を米国株式ファンドで積み立てていると?】
■2007年10月末の資産額:約294万円
 (この時点での元本合計:約218万円)
■2008年10月末の資産額:約214万円
 (この時点での元本合計:約257万円)
■2009年2月末の資産額:約174万円
(この時点での元本合計:約270万円)

2007年頃までは順調に含み益が出ていましたが、2008年9月に発生したリーマンショック以降、2009年2月には含み益から一転して100万円近くの損失が出ており、資産はピーク時から120万円(約40%)も目減りしたことになります。
もし本当にこの金額を目の当たりにすると、もう何もかも投げ出したくなってしまうような気持ちになるでしょう。
しかし、ここでやめてしまうと、ここまでせっかく続けてきた7年間が水の泡になってしまいます。
実は、この相場が下がった時にも積立を続けていることが、この後の回復を速めることになり、さらにその先の大きな成果に繋がっていきます。本日は、この続きを見ていきましょう。

まずは、米国株式市場が、リーマンショックから回復するまで何年かかったかをお伝えします。
米国株式自体は、2007年10月末時点の株価を超えるのは2013年3月末となっており、株価の回復までに約5年半の月日を要しています。つまり、もし、リーマンショックの前に一括で投資をしていたとすると、5年以上も含み損を抱え続ける状況になっていたということです。
しかし、積立の場合はどうだったでしょうか?

【2002年5月末から毎月33,000円を米国株式ファンドで積み立てていると?】
■2009年2月末の資産額:約174万円
(この時点での元本合計:約270万円)
■2009年12月末の資産額:約301万円
 (この時点での元本合計:約304万円)
■2010年3月末の資産額:約326万円
 (この時点での元本合計:約314万円)

2009年2月末には底をつけていた資産額が、その年末には2007年のピーク時の資産額を回復し、さらにその3ヶ月後には、再び含み益が発生している状態になっています。
投資対象である株価自体は、2013年まで高値を回復していないのですが、積立を行っていた場合は、案外すぐに元本を回復していることが分かるかと思います。
これが、「値下がりした時にもコツコツ仕込んでおく」ことによる、積立投資の大きな効果の一つです。

しかし、こういった回復時にも注意が必要です。
大きな下落を経験しただけに、回復したところで「やれやれ、やっと戻った」と思って投資をやめてしまう、いわゆる「やれやれ売り」をしてしまう方が多いのです。
これをしてしまうと、この先のさらに大きなリターンを逃してしまうことになります。
前回までにお伝えした通り、この20年間、米国株式で33,000円の積立を続けていると、結果的に2022年5月末時点で「2,134万円」になっていたのです。

「20年間で2,000万円」を達成するまでに、どのような値動きをたどっていったのか?
次回は、さらにこの先の値動きを一緒に見ていきましょう!

投資信託の質問箱

ご質問

「今後インフレが当たり前の世界になった時、例えば銀行の定期預金の金利が9%でも、S&P500の利回りと手数料等コストと為替リスクを含めてもそれ以上のパフォーマンスが期待できるのでしょうか?」

ご回答

大変鋭いご質問、ありがとうございます!
やや難解な話になりますが、預金などの「無リスク資産」に対し、株式や債券は「リスク資産」であり、リスクをとったうえで、無リスクで得られるリターンよりも高いリターンを狙う、というのが投資の前提となります。

このため、資産運用業界では、株式や債券などの期待リターンを算出する場合などは、「無リスク金利」を差し引いた部分を「リスクプレミアム」とすることが一般的です。
無リスク金利に、リスクを取った分の「リスクプレミアム」が上乗せされる、という考え方になります。
この「リスクプレミアム」部分のリターンが、過去金利が高かった時代も現在のような低金利時代も含め、過去数十年のデータの計測により平均してプラスになっている(そして債券より株式の方が高い)、ということが歴史上示されており、それが現在皆さんが投資を行っている根拠となっています。
(リスクを取ってマイナスになることが分かっているなら、誰も投資をしていないでしょう…。)

なので、仰るように、無リスクで9%の金利が取れるのに、リスクを取った投資の方がリターンが低い、ということになれば、投資をする意味は全くありません。
しかし、基本的には投資を行う前提として、長期的にリスクを取った分のプレミアムが無リスク金利に上乗せされる、とお考えいただければよいかと思います。

お役に立てましたでしょうか?引き続き、皆様からのご質問をお待ちしております!

文字サイズ

総合口座をお持ちでない方

投資信託のリスクと費用について

投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、買付手数料等の費用が異なりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。

投資信託の取引にかかるリスク

主な投資対象が国内株式
組み入れた株式の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
主な投資対象が円建て公社債
金利の変動等による組み入れ債券の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
主な投資対象が株式・一般債にわたっており、かつ、円建て・外貨建ての両方にわたっているもの
組み入れた株式や債券の値動き、為替相場の変動等の影響により基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

投資信託の取引にかかる費用

各商品は、銘柄ごとに設定された買付又は換金手数料(最大税込4.40%)およびファンドの管理費用(含む信託報酬)等の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。

お買付時にお客様に直接ご負担いただく主な費用
「買付手数料」:ファンドによって異なります。
保有期間中に間接的にご負担いただく主な費用
「ファンドの管理費用(含む信託報酬)」:ファンドによって異なります。
ご換金時にお客様に直接ご負担いただく主な費用
「信託財産留保額」「換金手数料」:ファンドによって異なります。

買付・換金手数料、ファンドの管理費用(含む信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。

毎月分配型・通貨選択型ファンドに関するご注意について

投資信託は、預貯金とは異なり元本が保証されている金融商品ではありません。下記コンテンツでは、毎月分配型ファンドの分配金の支払われ方および通貨選択型の収益に関するご案内をしております。投資家の皆様につきましては、当該ファンドへの投資をご検討なさる前にぜひご確認くださいますようお願い申し上げます。

毎月分配型ファンド・通貨選択型ファンドに関するご注意

投資信託に関する情報提供について

(楽天証券分類およびファンドスコアについて)

  • 楽天証券ファンドスコアは、「運用実績」を一定の算出基準に基づき定量的に計算したもので今後の運用成果を予想または示唆するものではなく、将来の運用成果をお約束するものでもありません。最終的な投資判断は、運用コスト、残高の規模、資金流出入額、運用プロセス、運用体制等を考慮し、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
  • 情報提供:株式会社QUICK
    各投資信託関連ページに掲載している情報(以下「本情報」という)に関する知的財産権は、楽天証券株式会社、株式会社QUICKまたは同社の情報提供元(以下三社を合わせて「情報提供元」という)に帰属します。本情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではなく、これらの情報によって生じた損害について、情報提供元は原因の如何を問わず一切の責任を負いません。本情報の内容については、蓄積・編集加工・二次加工を禁じます。また、予告なしに変更を行うことがあります。

ご質問は
ありませんか?