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苦境の先に待っていた景色…これが長期資産形成の威力!

2022年8月3日配信

積立投資家の皆様、本日もお疲れ様です。楽天証券の山口です。

毎週水曜日の「元気が出るニュースレター【#積クラ通信】」をお届けいたします。
本ニュースレターでは、積立投資家のお客様に役立つ「資産形成がうまくいくヒント」をお伝えしてまいります。

さて、先々週より、2002年5月末から2022年5月末までの20年間、毎月33,000円を米国株式で積み立てていた場合、どのような値動きをたどってきたか?についてご紹介しています。
実際の過去の値動きを知ることが、資産形成をこれから継続していくうえでも非常に役立つかと思います。
それでは、先週までの動きを振り返ってみましょう。

【2002年5月末から毎月33,000円を米国株式ファンドで積み立てていると?】
■2007年10月末の資産額:約294万円
 (この時点での元本合計:約218万円)
■2008年9月にリーマンショック発生…!
■2009年2月末の資産額:約174万円
(この時点での元本合計:約270万円)
⇒積立開始から7年で約100万円の含み損!しかし、そこから積立を続けていると…
■2009年12月末の資産額:約301万円
 (この時点での元本合計:約304万円)
⇒2007年10月末の高値を約2年で回復!
■2010年3月末の資産額:約326万円
 (この時点での元本合計:約314万円)
⇒2009年2月末の底値から、約1年で再び含み益に!

先週は、ここまで見てきました。
先週お伝えした通り、実際の米国株式市場は、2007年10月末時点の高値を回復するのは2013年3月末となっており、回復に約5年半の月日を要しています。
一方で、上記を見ると、積立投資の場合はかなり回復が早いことがお分かりになるかと思います。
暴落した時にも、淡々とコツコツと投資を続けることで、最も安い時に仕込むことができ、その後の上昇による恩恵が非常に大きくなるのです。

さて、今日はこの続きを見ていきましょう。
株価の回復時には、「やれやれ、やっと戻った」と売ってしまう、いわゆる「やれやれ売り」が増えるのですが、これはその後のリターンを大きく取り逃してしまうことになります。一度売ってしまうと、もう買値は元に戻りません。
せっかく安い時に仕込んだのですから、まだまだ含み益を出していきましょう!
ここからはしばらく上昇が続きますので、早送りモードで見ていきたいと思います。

【2002年5月末から毎月33,000円を米国株式ファンドで積み立てていると?】
※(カッコ)内はその時点の元本合計
■2012年9月末:約516万円(413万円)
 ⇒含み益100万円達成!
■2013年10月末:約677万円(455万円)
 ⇒含み益200万円達成!
■2014年6月末:約783万円(482万円)
⇒含み益300万円達成!
■2016年11月末:981万円(578万円)
 ⇒含み益400万円達成!
■2017年7月末:1,105万円(601万円)
 ⇒含み益500万円達成!
■2018年1月末:1,313万円(624万円)
 ⇒含み益689万円!!

…ここで、一旦ストップしましょう。
リーマンショック後、世界的に景気回復・拡大期が続き、米国株式市場もこの間大幅に上昇したため、その波に乗り積立資産もどんどん膨れ上がっていきました。この結果を見ると、もし、暴落した時に投げ売りをしてしまっていたら…回復した時にやれやれ売りをしてしまっていたら…大きな後悔をしてしまっていたことでしょう。
ギャンブルをしなくても、タイミングを見て売買をしなくても、時間さえあれば、毎月数万円を淡々と積み立てているだけで、十分な利益を出せることがお分かりになるかと思います。
お金が必要になるまで時間がある間は、とにかくコツコツ積立を継続する。
やはりこれが資産形成の鉄則といえます!

ただ、皆様からのご質問も多く頂いておりますが、気になるのは「出口戦略」。
時間がある間はいいけれど、使う時期が近付いた場合はどうすればよいのか?
2018年以降、相場は少し変調を迎えていきますので、来週からはこのあたりの値動きを見ながら、出口戦略についても考えていきたいと思います!
来週も是非、お楽しみにお待ちください。

投資信託の質問箱

ご質問

「毎月定額積立をしていて、含み損がある場合は積極的に増額できますが、含み益がある場合、積立額を増やすと投資効率が落ちるような気がしてなかなか踏み切れません。この状況に対してどんな考え方で向き合えばいいのでしょうか。」

ご回答

含み益が出ている時に増額すると、高いところで買ってしまっているような気がしてしまいますよね。
ただ、増額をした後から上昇を続けることもあれば、増額をしたところから下落に転じてくることも当然あります。
前者の場合は、上昇する前にたくさん買っておいて良かった!ということになりますし、下落が始まったとしたら、安いところでより多くの金額を仕込んでおける!ということになります。
ただ、株式相場は、当然下落無しに上昇し続けたり、逆に下落したまま全く上昇しない、ということもほぼあり得ませんので、やはり長期で積立を継続することが重要です。(上昇を続けた後に暴落し、そこで積立をやめなければならない…となれば、やはりそれなりに損失が出てしまうこともあるためです。)
今後も積立する期間が5年以上などそれなりに長期にあるならば、基本的には元手は多ければ多いほどその後の伸びも大きくなることになりますので、早めに増額するに越したことはないと考えます!

また、「含み益」についてですが、ある程度積立期間が長くなり、含み益が相当な金額出ているような状況であれば、たとえ大きな下落があったとしても、含み益が含み損に転じるということはそうそう起こらなくなってきます。
例えば、今回のメール前半の例のように、積立をずっと継続していると大きな含み益が出てくる場合もあります。
この例の場合、2018年1月末時点で、資産額は1,313万円、元本は624万円、含み益が689万円となっていますが、もしリーマンショック級の暴落があり、資産が半分(656万円)になったとしても、まだ評価損益上は利益が出ていることになります。

なので、「いま含み益かどうか」を見ることは、積立の場合、あまり投資判断のタイミングとしては適切ではないといえます。含み損になるのを待っていても、結局そのタイミングは来ない可能性もあるからです。
相場や損益などを見てタイミングを計るよりも、今後いつまで積立を継続できるのか?といった観点でお考えになるのがよいかと思います!
そして、今後も長期的に継続するのであれば、元手は多いに越したことはない、といえるでしょう!

お役に立てましたでしょうか?引き続き、皆様からのご質問をお待ちしております!

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