2022年9月28日配信
積立投資家の皆様、本日もお疲れ様です。楽天証券の山口です。
毎週水曜日の「元気が出るニュースレター【#積クラ通信】」をお届けいたします。
本ニュースレターでは、積立投資家のお客様に役立つ「資産形成がうまくいくヒント」をお伝えしてまいります。
さて、先週は特別版ということで、相場変動時の特集をお届けいたしましたが、今週からは再び4つの出口戦略の解説に戻りたいと思います。
【4つの出口戦略】
先々週は、「(2)安定的な運用に切り替えて取り崩す。」について、メリット・デメリット、どんな方に向いているか、をお伝えいたしました。
この方法のメリットとしては、株式のみの投資に比べてリスクを大幅に抑えることができる、という点でした。
老後は、現役時代とは異なり、定期的な収入や新たな収入で運用の損失を補うことは難しくなりますから、下落の際の心理的なショックも大きくなってきます。
もちろん、長期で保有を続ければ戻る可能性も高いのですが、仮に2,000万円で運用を開始した資産が1,000万円になってしまった場合、そこから取り崩しを続けていくことは、心理的にもかなり難しいでしょう。
結果的に、下落に耐えられなくなり途中で運用をやめてしまい、大きな損失を確定させてしまう、ということにも繋がりかねません。
安定運用に切り替えることで、穏やかに老後を過ごしていくことができるでしょう。
一方で、デメリットもあります。
それは、当然ながら株式ファンドなどに比べて、リターンが低いということです。
このため、この方法が適しているかどうかは、3%のリターンで本当にこの先十分か、を考える必要があります。
本日は、取り崩し期に必要なリターンについて、以下の3点と照らし合わせて考えていきましょう。
まずは現在の資産額を確認しましょう。
もし、老後のために2,000万円が準備できているとして、それが運用資産や預金など全ての金融資産を含めて2,000万円なのか、もしくは運用などで資産形成をしてきた資産が2,000万円あり、他に預金などでの貯蓄や退職金の入金予定があるのか、によって大きく状況は異なってきます。
これは、老後は若い時とは違い、定期的な収入が大きく減り、さらに突然の大きな出費なども増えてきますから、十分な生活防衛資金を確保しておくことが必要なためです。
後者の場合は、2,000万円の他に預金などでの貯蓄が相応にあるため、これまで運用してきた2,000万円分をそのまま運用継続しても問題無さそうですが、前者の場合は2,000万円全てを運用に回すことは難しいでしょう。
では、前者のパターンで、運用に回す金額・今後取り崩していきたい金額を考えてみましょう。
資産額はもう変えることはできませんが、この2点については自分で決めることができます。
例えば、運用に回す金額を、2,000万円の半分の1,000万円、取り崩す金額を毎月10万円とした場合、これを3%のリターンで運用していくとどうなるでしょうか?
1,000万円を3%で運用しながら、その中から10万円を取り崩していった場合、この運用資産がゼロとなるのは約10年後になります。
60歳から運用を始めていたとすると、70歳には運用資産がゼロとなってしまいます。
1,000万円から毎月10万円(年間120万円)を取り崩すということは、年間で資産の12%を取り崩すことになりますから、3%のリターンではその取り崩しをカバーすることができないのです。
もちろん、まだ生活防衛資金の1,000万円がありますが、10年の間に大きな出費が全く無く、70歳時点で残りの人生を1,000万円で過ごせるかどうか、は賭けといえます。
1,000万円の運用資産、10万円の取り崩し、3%のリターンでの資産設計は少し心もとないといえるでしょう。
今回の場合、資産が減っていくスピードを改善するためには、取れる選択肢は3つあります。
ただし、上記の2点はリスクを高めることになりますので、リスクはこれ以上取りたくない、という場合は以下が選択肢となります。
「自分は十分な資産を貯められていないのではないか?」と不安になる方もいらっしゃると思いますが、上記のように今後の資産設計を工夫することで、今ある資産でも十分老後の生活を送っていくことができます。
ご自身の資産額や生活と照らし合わせ、運用のリスクや生活水準の調整などを見直ししてみましょう!
ご質問
「金融機関でAという商品を勧められました。担当者は、他では取り扱っていないと言っていましたが、楽天証券を見ると同じような商品名のものがあるようです。これは違うファンドなのでしょうか?」
ご回答
ご質問ありがとうございます!
まず、商品名が全く同じ投資信託であれば、それは同一の投資信託です。
投資信託は、メーカーである運用会社と、販売会社である証券会社や銀行との間で契約を結べば、基本的にどこの金融機関でも取扱いが可能ですので、同じ商品を複数の証券会社や銀行で販売していることが通常です(ただし、中にはある販売会社のために専用で商品を組成し、その販売会社限定で取り扱っているような商品もあります)。
運用会社のホームページ等に、その商品の取扱販売会社が記載されているケースが多いため、そちらで確認されてみるとよいかと思います。
また、商品名が微妙に異なる場合でも、実際に中で投資しているファンドは全く同じ、という場合もあります。
商品の目論見書を見ていただきますと、「ファンドの仕組み」という欄に「マザーファンド」の名称が記載されていますが、こちらのマザーファンドが全く同じである場合、投資の実態も全く同じということになります。
実際の投資内容が全く同じでも、異なるコストが設定されている場合がありますので、是非注意してチェックしてみてくださいね。
お役に立てましたでしょうか?
引き続き、皆様からのご質問をお待ちしております!
投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、買付手数料等の費用が異なりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。
各商品は、銘柄ごとに設定された買付又は換金手数料(最大税込4.40%)およびファンドの管理費用(含む信託報酬)等の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。
買付・換金手数料、ファンドの管理費用(含む信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。
投資信託は、預貯金とは異なり元本が保証されている金融商品ではありません。下記コンテンツでは、毎月分配型ファンドの分配金の支払われ方および通貨選択型の収益に関するご案内をしております。投資家の皆様につきましては、当該ファンドへの投資をご検討なさる前にぜひご確認くださいますようお願い申し上げます。