2022年10月12日配信
積立投資家の皆様、本日もお疲れ様です。楽天証券の山口です。
毎週水曜日の「元気が出るニュースレター【#積クラ通信】」をお届けいたします。
本ニュースレターでは、積立投資家のお客様に役立つ「資産形成がうまくいくヒント」をお伝えしてまいります。
さて、先週は4つの出口戦略のうち、「(3)運用資金と使う資金を分け、使う資金の方から取り崩す。」の方法についてお伝えしました。
【4つの出口戦略】
本日は、最後の「(4)積極的な運用を続けながら取り崩す。」の選択肢について、ご説明していきたいと思います。
こちらは、4つの選択肢の中で最もリスクを取る出口戦略となります。
先週もお伝えしたように、積立などで資産形成を続けてきた場合、老後を迎えた時点では、運用資産が大きく膨らんでいるケースがあります。
例えば、株式ファンドが2,400万円、預金が600万円程度になっているとしましょう。
この場合、全体の資産3,000万円に対して、株式比率が80%、預金が20%という比率になっていることになります。
この出口戦略は、この運用資産をそのまま運用し続け、その中から取り崩していくという方法になります。
先ほどの例の場合、全体の資産に占める株式比率が高いため、大きな下落があった際には資産全体が大きなダメージを受けてしまうことになりますが、一方で、長期的には取り崩しながらも資産全体を増やしていくことが期待できます。
例えば、2,400万円を株式ファンドで運用し続け、この中から毎月10万円(2,400万円に対し年率5%)を取り崩していったとします。
株式ファンドの期待リターンを7%程度とすると、リターンが取り崩し分を上回っていることになりますから、理論上は取り崩しを続けても、資産は緩やかに増えていくことになります。
これだけ見ると、「長期的に上昇するのであれば、老後もなるべく多くの金額を運用に回して、取り崩し金額を上回るリターンを獲得していった方がよいのではないか?」と感じられるかもしれません。
もちろん、それも一つの方法ではありますが、当然ながら株式ファンドは一定に増えていくわけではありませんので、途中で大きな下落が発生します。
その時に、
「もうこれから収入が無いのに、もしこのまま戻らなかったら…?」
「資産が半分に減ってしまって、これからどう生活したらいい…?」
といった精神的なショックが大きくなり、途中で手放してしまう可能性も高まります。
結果的に、出口戦略が大きな失敗に終わってしまうことにも繋がりかねません。
このため、これまでお伝えしてきたように、老後の出口戦略としては、いざ大きな下落が合った時にも安心して運用を続けられるよう、運用のリスクを調整しておくことがお勧めです。
運用部分を安定運用に切り替え、リスク水準を調整する(出口戦略(2))、もしくはある程度生活に困らない分の預金を確保しておく(出口戦略(3))、といった方法が選択肢となるでしょう。
ただ、やはり「出来ることなら老後も資産を増やしていきたい」という方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方のために、実際に過去S&P500で運用しながら取り崩した場合、どのような値動きになっていたのか?について、次回ご説明していきたいと思います。
実際の取り崩し期間中の下落を体感いただくことで、この選択肢を取るべきかどうか、ご参考にしていただけるかと思います。
是非、来週もお楽しみにお待ちください!
今週は、お客様からのコメントをご紹介したいと思います。
「老後資金はあればあっただけ安心だとは思いますが、現実的に貯めるのが難しい場合や老後のために現在の生活が満足に送れなくても困るので、身の丈にあった運用で資産を増やしていくことができればと思います。」
コメントありがとうございます。私も全く同じ考えです!
将来困らない生活を送るためには、しっかりと資産形成を続けていただくのは非常に大事なことです。
一方で、「積立は途中で辞めたら絶対にダメ」「つみたてNISAは満額やらないといけない」と、資産形成を半ば強制的に捉えている方も中にはいらっしゃいます。
もちろん、積立はなるべく長く続けた方が良い、入金額が大きい方が将来の資産形成効果も大きい、というのがセオリーではありますが、資産形成はもっと柔軟に考えても大丈夫です。
というのも、皆さんが同じような生活を送っているわけではありませんし、これから長く続く人生の中で、同じ人でも必ずライフプランや環境の変化は発生します。
「みんなと同じようにやらなくては!」と、遠い将来のために今の生活を犠牲にし、苦しくなってしまっては、本当にその方にとって幸せな人生とはいえないと思います。
資産形成の難しいところは、その効果の実感が遠い将来にしか得られない点であると私は考えています。
遠い将来に得られるであろう幸せと同様に、今現在満足な生活を送ることも、幸せな人生にとっては必要なことです(とはいえ、将来の準備をせず、今の楽しみだけのために浪費をしてしまう…というのも少し困りものではありますが…)。
まさに、コメント主様が仰っていただたように、「身の丈にあった運用で資産を増やしていく」ということが、非常に重要であると思います。
素敵なコメントをありがとうございました!
投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、買付手数料等の費用が異なりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。
各商品は、銘柄ごとに設定された買付又は換金手数料(最大税込4.40%)およびファンドの管理費用(含む信託報酬)等の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。
買付・換金手数料、ファンドの管理費用(含む信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。
投資信託は、預貯金とは異なり元本が保証されている金融商品ではありません。下記コンテンツでは、毎月分配型ファンドの分配金の支払われ方および通貨選択型の収益に関するご案内をしております。投資家の皆様につきましては、当該ファンドへの投資をご検討なさる前にぜひご確認くださいますようお願い申し上げます。