前回から結構難しいことを話してるよね。でももう少しだけ、さらに難しい話になってしまうんだけど付き合ってほしい。今日話してる信託報酬の多寡、高いか低いかについては、シンプルに言えば「仮に投資対象がまったく同じなら、信託報酬は低い方がその分だけお得」っていうのが結論になる。
でも「投資対象がまったく同じなら」ってことはあまりなくて、あるとすればインデックスファンドの間でくらい。あ、インデックスファンドって説明したことあったっけ。詳しくはまたにするけど、日経平均や米国のS&P500など、世の中にある株価指数などと日々同じ動きをするように設計・運用されたタイプの投信のカテゴリー名です。
例えば日経平均のインデックスファンドなら、日興アセットのも他の運用会社のも目的は一緒、つまり今日の日経平均と同じ率だけ動くように運用することなので、さっき言った「投資対象が同じなら」に該当するわけだ。ということは「引き算」される信託報酬率が低いインデックスファンドを選ぶのが賢いよね。
ところが、インデックスファンドの世界では既に信託報酬の低下がかなり進んでいて、信託報酬が低いほどリターンが高いといった単純な話にならないほど。信託報酬の差よりも、対象指数に連動させる技術の差でついてしまう方が可能性としては大きいくらいだ。
つまりインデックスファンド、とりわけつみたてNISAで選べるようなインデックスファンドのコストは皆合格点なので、神経質にならないでいいと思う。しつこいけどそれより何倍も大事なのが、自分は何にどんなリターンを期待して投資しようとしているのか――。リターンのことを考えるエネルギーの方だ。
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