新春講演会2025

●国に投資しているのではない。「企業に」だ

株式ファンドの選び方について、「米国は世界のリーダーだから、やっぱり米国株ですよね」とか「米国には進取の気性があるから」とか「移民で人口が増える米国は安泰でしょう」とか「いやいや米国以外の国を入れないとダメ。やはり全世界株インデックスでしょう」とか「そろそろ新興国もカバーした方がいいのでは?」とかとか――。どうも最近「国家ベース」の言い方がデフォルトになっていて違和感を覚える。

どんな株式ファンドであっても、投資している対象は「国家」ではなく、1社1社の企業なんだよね。それぞれの社員が毎日働いているその会社の株を、その投信を通じて買うかどうかっていうことであって、決して国家の魅力や成長力といった「国力」みたいなもので判断しているわけではない。

当たり前だけど、米国の中にも投資対象として有望な企業もあれば、そうでない企業もあるはずだよね。その当たり前を忘れないでほしい。国が魅力的かどうかと、その国に籍を置く企業が投資対象として魅力的かどうかは別の話だから。

ここ数年の米国株のインデックスがとてもいいリターンを生んできたのは、国が素晴らしかったからではなく、そのインデックスの中で大きなインパクトを占めていた企業の株価が、さらに上がっていった結果に過ぎない。

具体的にはGAFAMと呼ばれる企業。知ってるかな、GはGoogle、実際はその親会社であるアルファベットという企業で、Aはご存知Amazon、Fは「メタ」って名前に変わったFacebook、君らにはInstagramの会社と言った方がいいかな。もう一回のAはAppleで、最後のMはMicrosoft。

このGAFAMというニックネームまで付いた巨大IT企業たちは、株価が高くて流通している株式の数も多いので、その掛け算である「時価総額」という、いわば株式市場での存在感が元々めちゃくちゃ大きい企業だった。そしてそれらの株価がここ数年ずっと好調だったから、時価総額の大きさでウエイト付けして算出する指数であるS&P500指数とかナスダック指数は、その「GAFAM効果」を受けて、指数としても大きく上昇した。

つまり米国が国家として素晴らしかったのではなく、GAFAMが非常に素晴らしかったということなのよ。そこに、S&P500やナスダックという指数の算出方法が、時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすい方法だったことが重なっていたわけだね。

もしS&P500が500社の単純平均で算出する指数だったとしたら、S&P500はここ数年こんなに上がってないだろうな。GAFAMたちのせっかく株価上昇も、それぞれ500分の1のインパクトしか持たないんだから。

なんか米国インデックスやそのインデックスファンドの悪口を言ってるみたいに聞こえたかもしれないけど、そうじゃない。

米国はもちろん、海外の株式のインデックスファンドは、日本に住み、日本の企業からお給料をもらっている僕たちにとって、賢明にして有力な選択肢だ。前に見せた僕の企業型DCの中身が海外株式のインデックスファンド100%だったのを覚えてるかな。円グラフが円グラフになってない、一色だったやつ。僕も大事な企業年金を、海外株のインデックスファンド一択に任せてる。

今日僕が伝えたいのは、曖昧な国家ベースで緩くとらえないようにしようね、ってことなんだ。国家ベースで期待したり失望したりするのは、何だか世界経済で投資を語っているみたいでカッコいいんだけど、実はあまり意味はないってこと。

株式投資はいつでも、どんなかたちにおいても、国家でなく個々の企業への投資。もっと言うと、その企業の「ある株価」での投資が正解かどうかが問われるもの。ちょっと分かりづらいかな。詳しくは次回。

コラム一覧へ戻る
投信のはじめ方・オンラインセミナー

※日興アセットのHPに遷移します。

文字サイズ

総合口座をお持ちでない方

投資信託のリスクと費用について

投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、買付手数料等の費用が異なりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。

投資信託の取引にかかるリスク

主な投資対象が国内株式
組み入れた株式の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
主な投資対象が円建て公社債
金利の変動等による組み入れ債券の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
主な投資対象が株式・一般債にわたっており、かつ、円建て・外貨建ての両方にわたっているもの
組み入れた株式や債券の値動き、為替相場の変動等の影響により基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

投資信託の取引にかかる費用

各商品は、銘柄ごとに設定された買付又は換金手数料(最大税込4.40%)およびファンドの管理費用(含む信託報酬)等の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。

お買付時にお客様に直接ご負担いただく主な費用
「買付手数料」:ファンドによって異なります。
保有期間中に間接的にご負担いただく主な費用
「ファンドの管理費用(含む信託報酬)」:ファンドによって異なります。
ご換金時にお客様に直接ご負担いただく主な費用
「信託財産留保額」「換金手数料」:ファンドによって異なります。

買付・換金手数料、ファンドの管理費用(含む信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。

毎月分配型・通貨選択型ファンドに関するご注意について

投資信託は、預貯金とは異なり元本が保証されている金融商品ではありません。下記コンテンツでは、毎月分配型ファンドの分配金の支払われ方および通貨選択型の収益に関するご案内をしております。投資家の皆様につきましては、当該ファンドへの投資をご検討なさる前にぜひご確認くださいますようお願い申し上げます。

毎月分配型ファンド・通貨選択型ファンドに関するご注意

投資信託に関する情報提供について

(楽天証券分類およびファンドスコアについて)

  • 楽天証券ファンドスコアは、「運用実績」を一定の算出基準に基づき定量的に計算したもので今後の運用成果を予想または示唆するものではなく、将来の運用成果をお約束するものでもありません。最終的な投資判断は、運用コスト、残高の規模、資金流出入額、運用プロセス、運用体制等を考慮し、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
  • 情報提供:株式会社QUICK
    各投資信託関連ページに掲載している情報(以下「本情報」という)に関する知的財産権は、楽天証券株式会社、株式会社QUICKまたは同社の情報提供元(以下三社を合わせて「情報提供元」という)に帰属します。本情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではなく、これらの情報によって生じた損害について、情報提供元は原因の如何を問わず一切の責任を負いません。本情報の内容については、蓄積・編集加工・二次加工を禁じます。また、予告なしに変更を行うことがあります。

ご質問は
ありませんか?