では少し照れるが今日も始めますか。投資信託の仕事で32年目の僕が、父親の最後のアドバイスとして結婚した娘とその夫2人にこんな話ができるのは、まぁありがたいことだよね。
ここ数年でインデックスファンドが投信積立の定番になったという話をこれまでちょくちょくしてきたよね。具体的には米国株式の指数である「S&P500」か、全世界株式というカテゴリーの指数である「MSCIオールカントリー」という指数のインデックスファンドが二強だな。
今日からしばらく、その辺の具体的な話をしていこうと思う。
改めて「インデックスファンド」について説明しとこうかね。インデックスとは「指数」のことで、その指数通りに動くことを目的に作られたのがインデックスファンドという、業界共通のカテゴリーの名称だってとこまではOKだよね。
つまり「S&P500のインデックスファンド」は色んな運用会社から出ていて、大ざっぱに言えばどれを買っても同じだ。だってそれらのファンドの目的は皆同じで、日々のS&P500と同じ動きをしていくことだからね。
お?「いやいやお父さん、コストが大事なんでしょ?コストが低い方が儲かるって聞きましたよ?」って顔しとるな。さすが息子。25回もこんな話をしてると、自然にアンテナも高くなってきたと見た。
でもちょっと違うな。というか、まずひとつ言っていい?「儲かる」って言葉は違うわ。
僕も君らも、考えているのは「儲ける」ための投資じゃなかったよね。そうではなく、将来自分で人生のハンドルを握った「イケてる自分たち」になるための、たっぷり時間をかけた覚悟ある作戦のはずだったよね。
綺麗なことばかり言いたいわけじゃないんだけど、ウチの会社、日興アセットの社内でも「儲かる」って言葉を使わないようにしてるの。単なる語感の問題なんだけどさ、「儲かる」って言った途端、遊び金で「相場張ってます」みたいな感じがしちゃうからさ。
あ、謝らないで。こちらこそ説教臭い話をしてスマン。じゃあ、気を取り直してハイ、これ見て。
これは色んな運用会社から出てる主な「日経平均インデックスファンド」の過去の基準価額を使って作ったグラフをイメージ化したものなの。一番下の太いグレーが日経平均の推移ね。ちなみに「配当込み指数」っていう、組み入れた企業が出した配当も考慮した指数です。
で、オレンジがA社の日経平均インデックスファンド、オレンジの裏で見えにくいけどもう1つ、B社の日経平均インデックスファンドの赤い線がある。同じ動きをしてきたからちゃんと見えないわけ。
さて、後半の方にくると青とか黄色の線が見えるでしょ。これはこの頃に新しく出てきた、いわゆる「超低コストの日経平均インデックスファンド」たち3本。
このグラフ、どう思う?
さっき「大ざっぱに言えばどれも同じ」って言ったのはこういうことなのよ。使うなって言った言葉を使っちゃうけどさ、「どのインデックスファンドも日経平均より儲からない」のよ。どんなにコストが低くても、その低さのおかげでそのインデックスファンドだけが「儲かる」なんてことはない。
というか儲かっちゃいけないの。インデックスファンドは対象とする指数を逸脱しちゃいけないんだから。このグレーの線をはみ出たら、もうインデックスファンドとしてはダメな、下手なファンドということになっちゃうんだよね。
次ページへ> インデックスファンドの運用は簡単じゃない投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、買付手数料等の費用が異なりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。
各商品は、銘柄ごとに設定された買付又は換金手数料(最大税込4.40%)およびファンドの管理費用(含む信託報酬)等の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。
買付・換金手数料、ファンドの管理費用(含む信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。
投資信託は、預貯金とは異なり元本が保証されている金融商品ではありません。下記コンテンツでは、毎月分配型ファンドの分配金の支払われ方および通貨選択型の収益に関するご案内をしております。投資家の皆様につきましては、当該ファンドへの投資をご検討なさる前にぜひご確認くださいますようお願い申し上げます。