インターネット・トレーディング専門の証券会社、ディーエルジェイディレクト・エスエフジー証券株式会社(代表取締役:國重惇史、本社:東京都千代田区;以下「DLJディレクト」)と株式会社東京ファイナンス・アンド・エンタテインメント(代表取締役:亀田卓、本社:東京都新宿区;以下「TFE」)は、インターネットを通じた個人投資家からのエンタテインメント資金調達ビジネスを開始します。その第一弾として、「日中国交正常化30周年記念事業−
ゴールデンライオン」公演資金を8月末にも公募開始予定です。
「日中国交正常化30周年記念事業−ゴールデンライオン」公演資金調達について
ゴールデンライオンとは中国雑技のオリンピックである「金獅子賞全国雑技大会」の最高賞である金賞受賞演技者をさらに選りすぐって結成された中国四千年史上初めての中国雑技ドリームチームです。今回の公演は、日中国交正常化30周年を記念して、そのオールスターキャストに構成・演出・音楽・照明などのチームが日本から参加し、日中合作による最高スケールの競演を実現します。
この
ゴールデンライオンへの資金調達は、商法上の匿名組合を利用して個人投資家から小口の出資金を公募形式で募るものです。チケット販売前に個人投資家から資金を募り公演費用を調達します。個人投資家の受け取る収益はチケットの売れ行きに応じて決定します。
TFEが特別目的会社(SPC)を設立、SPCは匿名組合の営業者として公演の実施、プロモーション活動、チケット販売、スポンサー収入の受領などの業務を各専門業者に委託し実施します。DLJディレクトは、個人投資家とSPCの間の匿名組合契約締結を媒介し、SPCはDLJディレクトを通じて個人投資家(匿名組合員)から出資金を募り、その資金により公演を実施し、公演後、匿名組合員に収益分配を行います(別紙図参照)。
出資募集の要項(予定)
【タイトル】 | 日中国交正常化30周年記念事業−ゴールデンライオン |
【公演期間】 | 2002年12月14日(土)〜2003年1月3日(金) |
【公演回数】 | 33回 動員目標 45,441人(定員1,377人×33回) |
【出資募集期間】 | 2002年8月下旬〜9月中旬(予定) ※利益の分配は、来年3月頃に実施予定です。 |
【募集予定金額】 | 2億円 |
【出資単位】 | 1口あたり10万円、1口以上1口単位 |
【媒介手数料】 | 出資金の1% |
また出資の募集に際しては、個人投資家への徹底したわかりやすい情報開示を行ってまいります。投資信託や新規公開株式の募集にあたり開示される「目論見書」に該当する資料を「匿名組合契約説明書」として、ホームページを通じて公開いたします。リスクの説明など目論見書に匹敵する内容の情報開示レベルを提供するのはもちろんのこと、その制約を超え、(1)チケット販売額に応じたリターンの一覧表を提示、(2)公演内容のプロモーション映像を動画で提供することで、個人投資家に一層わかりやすい内容を提示いたします。
資金の募集方法について
資金の募集は金銭出資型の匿名組合契約スキームを用いて実施します。このスキームはこれまで主に、大口での私募形式による投資で用いられてきたため、一般の個人投資家には馴染みはありませんが、今後はインターネットを活用し、広く個人投資家を対象として小口での投資を可能といたします。
従来個人投資家に対して小口で資金を募る方法として投資信託がありますが、投資信託はストラクチャリング費用がかかりすぎ、現実的に大規模の資金ニーズにしか対応ができません。その点、匿名組合出資のスキームは、ローコストのストラクチャリングが可能で、幅広い資金ニーズに対応して柔軟に投資商品を設計、提供することができます。
株式が個々の企業の事業や将来性に対する投資とすれば、このスキームではこれまでは投資対象になりにくかったコンサート、スポーツイベント、音楽CD制作・販売など、個々のプロジェクト毎の成否に対して投資商品を創り出すことが可能になります。
今後の展開について
今後、こうした方法を活用することで個人投資家に対し、株式を始めとする従来型の金融商品投資とは異なる全く新しいタイプの投資商品を提案していきたいと考えています。
その特徴としては、(1)投資対象をエンタテインメントを始めとする一般投資家にとって身近でわかりやすくシンプルなものにすること、(2)多様なリスクリターンに対応した商品設計ができること、(3)多様な投資期間に対応した商品設計ができること、(4)資金ニーズに応じて小型(数千万円程度)から大型の投資案件まで幅広く対応できること、などがあげられます。
先日公表された内閣府による「証券投資に関する世論調査」
(http://www8.cao.go.jp/survey/h14/h14-shouken/index.html)においても、個人の従来型の投資商品に対する姿勢は依然として「株式投資を行うつもりはない」が77.1%、「投資信託への投資を行うつもりはない」が81.3%と、極めて消極的であり、それに対して知識がないからという理由が株式投資の場合で33.3%、投資信託への投資の場合で31.3%。また損失のリスクが高いからという理由がそれぞれ、32.5%と21.2%となっています。この新しいタイプの投資商品は、個人が投資に対する興味や関心をもち、投資の知識獲得やリスクへの理解促進のきっかけを作ることで、日本の個人投資家を育て、間接金融から直接金融への流れを後押しできるものと期待しています。
DLJディレクトは、1999年3月に設立され、同年6月11日よりサービスを開始した日本初のインターネット・トレーディング専門の証券会社です。CSFBdirect Asia Holdings Inc.、三井住友銀行、インターネットイニシアティブ、住友商事、住友生命保険、三井住友海上火災保険、住友信託銀行が株主となっています。
TFEは、2001年5月に設立され、エンタテインメント・ビジネスに関するファイナンスの仕組み作り、投資情報の案内、財務アドバイスを実施しています。シンプレクス・ホールディング、電通他が株主となっています。これまでいくつかのエンタテインメントビジネスの私募形式での投資アレンジを行ってきました。2001年10月〜11月に実施されたベイビー・フェイスのコンサートツアー("babyface face2 face Japan tour")では、日本初となる「コンサートへの直接金融」を商法上の匿名組合を利用した仕組みを使ってアレンジ。以後、スポーツ・イベントや2002年9月に実施される野外インプロ・ミュージック・フェスティバル"True People's Celebration" への投資アレンジも手がけています。