債券投資のメリットを知るためには、まず債券の特徴を知る必要があります。
株式への投資と比べると、異次元ともいえる債券投資の長所や短所を、多様な債券の選択肢のなかでも最も一般的な形式といえる固定利付債券を例に、債券投資のメリットを紹介します。
固定利付債券は、その名の通り最初から最後まで一定の金利が支払われる債券で、身近には、固定3年や固定5年の個人向け国債があります。外国債券の例では、米国ドル建て、ブラジルレアル建てやインドルピー建ての固定利付債券などがあります。また、海外の流通市場でも、固定利付債は最も一般的な債券の形式として知られています。
では、どうして固定利付債が一般的な債券の形式となり、また投資家から求められているのでしょうか。その理由は、債券投資のユニークな特徴にあります。
固定利付債は、固定利率のクーポン(利息)が定期的に支払われ、債券満期時には利息に加え、債券の額面金額と同額が払い戻され債券が償還する仕組みとなっています。そのため、購入数量が決まれば、将来どのくらいの利息金や償還金の収入があるか見通しが立ちます。その金額が途中で増える事も減ることもありません。
この特徴から、債券投資は経済的な予定を立てるのに便利な投資といえます。例えば、毎年必要となる子供の学費や教育費の運用手法としても、債券投資なら理に適う選択肢といえるでしょう。
個人投資家のみならず、銀行が債券投資する例では、顧客から預かった預金を元手に固定利付債を買い、債券から受取る利金と預金者へ支払う利息の差(「利ザヤ」)を収益源とすることもあります。
株式投資で狙う収益には、価格上昇の他に配当金があります。公共セクター銘柄などでは安定的な配当実績がある銘柄もありますが、配当金も配当率も固定されている訳ではありません。また、株式には償還日もなく、株価は日々変わり続けます。
一方、固定利付債の利金(利率)も償還金も固定されているという特徴の裏を返せば、償還日までに受取る金額が固定されているため、一般的に株式と比べると債券時価の価格変動幅(率)は小幅といえます。特に償還までの期間が短くなるほど固定されている償還金の支払いが近くなり、価格変動幅が小さくなる特徴もあります。
このことから、債券投資の場合、株式投資のように価格上昇(キャピタル・ゲイン)狙いの銘柄選定ではなく、満期保有を前提として、ご希望に見合う利金や償還金と債券発行体の支払い能力を考慮に入れた銘柄選定が肝要となります。
また、証券投資全般にいえることですが、分散投資の重要性もお忘れなくご考慮ください。
ここで、上記の特徴は円建て債券に限るという重要な点を紹介します。弊社でも取り扱いのある外貨建て債券への投資では、為替レート変動の影響(リスク)が追加されるからです。
米ドル建ての固定利付債の例では、米ドル・円為替レートの変動により円換算した債券価値が変動します。具体的には、為替レートの変動で受取る利金と償還金に加えて、債券時価(円価)が変動します。これは無視できない重要な考慮点です。なぜなら、多くの場合、外国債券の価格(外貨建ての債券価格)の変動幅よりも外貨価値(為替レート)の変動幅の方が大きいからです。
このことから、外貨建て債券への投資は、債券のみならず外貨にも投資していることをお忘れなく、外貨価値の変動リスクも必ずご考慮ください。見方を変えると、外貨への投資をお考えであれば、外貨現金ではなく、外貨建て債券を保有する投資戦略も選択肢としてご考慮ください。
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。
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債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。外国債券(外貨建て債券)は為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じたり、債券を発行する組織(発行体)が所属する国や地域、取引がおこなわれる通貨を発行している国や地域の政治・経済・社会情勢に大きな影響を受けたりするおそれがあります。
外国債券を購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(委託手数料はかかりません)。また、売買における売付け適用為替レートと買付け適用為替レートの差(スプレッド)は債券の起債通貨によって異なります。
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