前回は、債券の利回りが決まる材料として、「基準金利」と「債券スプレッド」の2つがあることをお話しました。
今回のトピックは、「国ごとの基準金利の違い」です。
新興国の基準金利が高くなる傾向について考えてみましょう。
右図は各国の基準金利です。
新興国で最高の南アフリカは8%超、先進国で最低の日本はほぼゼロ金利と、2極化しています。
この違いは、国ごとの経済状況や投資のリスクが違うから。
では、違いの「もと」を順に見てみましょう。
インフレ率は景気のモノサシとしてもよく使われます。
インフレ率が高いほど、物価は早く上がります。物価が上がる好景気のサイクルは以下のようになります。
商品が売れる → 会社が儲かる → 給料が上がる → 消費が増える → 物価が上がる
今の日本は「低成長・低インフレ」で苦しんでいます。一方、新興国のインフレ率は高く、それは経済の成長余地が大きいことが理由に上げられます。
たとえば、新興国は製品の割安感に加え、質や評価が上がることで輸出量や価格もアップ。 すると、企業収益と賃金が伸び、物価も上昇・・・という好景気のサイクルができます。
では、インフレ率の高い新興国に投資した方がいいのか?というと、そうとも言えません。
お金を貸す側の「リスク」と「リターン(金利)」に関しても考えてみましょう。
①の先進国は経済が安定しているので、貸す側のリスクが低いと言えるのです。
逆に、②の新興国はお金が返ってこないリスクが気になりますね。もし②に貸すなら、リターン(金利)が高ければ貸す気になるかも知れません。借りる側も、「高めの金利でも良いのでお金を貸してください」となります。
お金を借りる側にとっては、基準金利からインフレ率を差し引いた率が「本当のコスト」。
借りる側のコストは、貸す側にとってのリターン(金利)です。
このことを「実質金利」と呼び、リスクの大きさを示す※ひとつの目安になります。
(※ただし実質金利はその国のお金の需給状況などに影響を受けるので、リスクの大きさだけを示すものではありません)
まとめると、国ごとの基準金利は、大きくは景気とリスクで決まり、次の式が成り立ちます。
基準金利=インフレ率+実質金利
リスクとリターンのバランスをどうみるか。外国為替レート変動のリスクとともに、材料としてぜひ覚えておきましょう。
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。
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債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。外国債券(外貨建て債券)は為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じたり、債券を発行する組織(発行体)が所属する国や地域、取引がおこなわれる通貨を発行している国や地域の政治・経済・社会情勢に大きな影響を受けたりするおそれがあります。
外国債券を購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(委託手数料はかかりません)。また、売買における売付け適用為替レートと買付け適用為替レートの差(スプレッド)は債券の起債通貨によって異なります。
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