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米雇用統計の解説・データ

発表予定 8月4日 金曜日
発表時間 東京時間 21:30

予想値・前回値

時間 件名 予想(※) 前回
21:30  失業率 7月 4.3% 4.4%
21:30  非農業部門就業者数変化 7月 18.0万人 22.2万人
21:30  時間当たり平均賃金 7月 0.3% 0.2%
21:30  民間部門雇用者数変化 7月 18.0万人 18.7万人
21:30  製造業雇用者数変化 7月 0.4万人 0.1万人

※ 市場予想等を基に楽天証券が予想。

今回の注目点

今回7月の米雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数(NFP)は+18.0万人(前回+22.2万人)、失業率は4.3%(前回4.4%)となっています。また平均労働賃金は、前月比+0.3%(前回+0.2%)の予想です。

前回6月の雇用統計は米国の雇用の力強さが継続していることを証明しました。しかし、平均労働賃金は伸び悩み状態が続いています。なぜ賃金が上がらないかということ、それはモノの値段が上がらないからです。企業に価格決定力がないせいで商品の値段を上げられず、給料を高くする余裕が生まれないのです。

労働需給がこれだけタイトになっていても、賃金を押し上げることができないとすれば、賃金率の上昇自体がすでに限界に達している可能性が高いと考えるべきでしょう。低インフレの状況が今後しばらく続くと予想するならば、労働賃金が急速に上昇することも望み薄、ということになります。

7月の会合で、FOMCはインフレの現状判断を引き下げました。その一方で、労働市場は強く、今後「さらに強まる」と、一定以上の評価をしています。

FRBが再利上げに後ろ向きなのは、米国のインフレ率が伸び悩んでいるからです。ただし、そのことと失業率や雇用の伸びとの関係は薄いとFOMCは考えているように読み取れます。雇用統計がFOMCにとって「いい意味で」重要指標ではなくなったともいえます。とはいえ、8月のドルのセンチメントを色づけするということにおいて、今回の雇用統計が注目指標であることに間違いないでしょう。

雇用統計先行指標
------------------
■フィラデルフィア連銀景況指数(製造業雇用者数):10.9(前回 16.1)
■リッチモンド連銀製造業景況指数(製造業雇用者数):10(前回 5)
■NY連銀製造業指数(雇用者数):3.9(前回 7.7)

過去データ 失業率/非農業部門雇用者数

失業率

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2017年 4.8 4.7 4.5 4.4 4.3 4.4
2016年 4.9 4.9 5.0 5.0 4.7 4.9 4.9 4.9 5.0 4.9 4.6 4.7
2015年 5.7 5.5 5.5 5.4 5.5 5.3 5.3 5.1 5.1 5.0 5.0 5.0
2014年 6.6 6.7 6.7 6.3 6.3 6.1 6.2 6.1 5.9 5.8 5.8 5.6
2013年 7.9 7.7 7.6 7.5 7.6 7.6 7.4 7.3 7.2 7.3 7.0 6.7
2012年 8.3 8.3 8.2 8.1 8.2 8.2 8.3 8.1 7.8 7.9 7.7 7.8
2011年 9.0 8.9 8.8 9.0 9.1 9.2 9.1 9.1 9.1 9.0 8.6 8.5
2010年 9.7 9.7 9.7 9.9 9.7 9.5 9.5 9.6 9.6 9.6 9.8 9.4
2009年 7.7 8.2 8.6 8.9 9.4 9.5 9.4 9.7 9.8 10.1 10.0 10.0
2008年 5.0 4.8 5.1 5.0 5.4 5.5 5.8 6.1 6.2 6.6 6.9 7.4
2007年 4.6 4.5 4.4 4.5 4.4 4.6 4.6 4.6 4.7 4.7 4.7 5.0

非農業部門雇用者数

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2017年 23.8 21.9 7.9 17.4 15.2 22.2
2016年 17.2 24.5 20.8 12.3 1.1 29.2 27.5 16.7 19.1 14.2 20.4 15.7
2015年 23.9 26.4 8.5 22.1 25.4 23.1 24.5 13.6 13.7 29.8 25.2 26.2
2014年 12.9 19.7 20.3 28.2 22.4 29.8 21.2 18.0 25.6 24.3 35.3 32.9
2013年

11.9

26.8

13.8

16.5

19.5

18.8

10.4

19.3 14.8 20.0 24.1 7.5
2012年 28.4 24.0 15.4 7.7 7.7 6.4 14.1 14.2 14.8 13.8 16.1 19.6
2011年 6.3 19.4 22.1 23.2 2.5 4.6 8.5 5.7 15.8 10.0 10.0 20.3
2010年 1.4 3.9 20.8 31.3 43.2 -17.5 -5.4 -5.7 -4.1 17.2 7.1 12.1
2009年 -77.9 -72.6 -75.3 -52.8 -38.7 -51.5 -34.6 -21.2 -22.5 -22.4 6.4 -10.9
2008年 -7.2 -14.4 -12.2 -16.0 -13.7 -16.1 -12.8 -17.5 -32.1 -38.0 -59.7 -68.1
2007年 14.6 11.3 17.7 8.0 19.0 6.9 5.7 7.4 8.1 14.0 6.0 4.1

前回7月7日 雇用統計発表後の値動き

7月7日に発表された6月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が+22.2万人と、前月比、予想(17.8万人)を共に上回る強い結果になりました。また前月分も13.8万人から15.2万人に上方修正。その一方で、平均労働賃金は前月比+0.2%と伸び悩み(予想+0.3%)、前月分も下方修正されました。また失業率は0.1ポイント悪化して4.3%に上昇。

労働賃金が上がっていないことで今後のインフレ率上昇に心配を残したものの、全体としては、今回の雇用統計がFRBの利上げ見通しを後退させることはないとの前向きの評価で、米株価と米10年債利回りは上昇しました。

雇用統計発表後のドル円は、マーケットは、いったん113.50円まで売られましたが、すぐに買戻しが優勢となって、5月11日以来の高値となる114.17円まで上昇。米長期金利の上昇と、日銀の国債買い入れによる円長期金利の抑制が日米金利差の拡大の見方を強め、ドル高・円安が進みました。ただ、買い一巡後は再び113円台に戻され、113.90円でこの日の取引を終えました。

過去データ 7月7日の値動き 2時間足チャート

過去の値動き 日足チャート

注意事項

当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定は、ご自身の判断でお願いいたします。

当資料における情報の内容については、楽天証券が正確性、確実性を保証するものではありません。また、当資料は予告なしに変更することがありますのでご注意ください。


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