[為替週間見通し]
*14:59JST ドル・円はやや底堅い展開か、日本銀行による追加緩和期待は持続
来週のドル・円は、やや底堅い展開か。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利
上げ期待は低下しているが、日本銀行による早期追加緩和への期待は後退していな
い。日銀黒田総裁は7月29日の金融政策決定会合後の記者会見で言及した金融緩和政
策の「検証」について、市場では緩和縮小観測が一時広がったが、黒田総裁を含めて
金融当局者は金融緩和策の縮小を明確に否定している。
また、原油高や株高はドルを押し上げる要因となりうる。米原油先物ウェスト・テ
キサス・インターミディエート(WTI)は節目の40ドルを割り込むなど原油価格の地
合いの弱さが目立っているが、世界経済の成長鈍化は織り込み済みであり、40ドル近
辺では押し目買いが入りやすい。また、世界的な低金利で資金は株式市場に流入しや
すく、欧米やアジアの株価の上昇が見込まれる。主要国の株高はリスク選好のドル買
い・円売りを促す一因となりうる。
米国を除く主要国の中央銀行は金融緩和の姿勢を強めていることも無視できない。
ニュージーランド準備銀(中央銀行)は11日に0.25ポイントの利下げに踏み切る見通
し。オーストラリア(2日)、英国(4日)と中央銀行は金融緩和の方向性を強めてい
る。米利上げ観測は後退しているものの、利上げに向かっていることに変わりはな
く、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の優位性が意識された場合、投資家の
資金がドルに流れる可能性があることを留意しておきたい。
【米・7月小売売上高】(12日発表予定)
12日発表の米7月小売売上高は前月比+0.4%と予想されている。6月は同比+0.6%の
高い伸びを記録した。7月の小売売上高が予想を大幅に下回った場合、国内総生産
(GDP)の7割を占める個人消費にやや陰りが見られるため、米国経済の失速に対する
警戒感が広がり、ドル売りにつながりやすい。
・8月8日-12日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。
○(日)6月経常収支 8日(月)午前8時50分発表予定
・予想は+1兆1000億円
参考となる5月実績は+1兆8091億円。黒字額は前年同月比-2.4%となったが、23カ
月連続で黒字を計上した。経常黒字の大部分を占める第一次所得収支は+1兆8982億円
だった。6月については円高進行によって第一次所得収支の黒字額は減少すると予想
されており、経常黒字額は5月実績を大幅に下回る可能性が高い。
○(米)7月労働市場情勢指数 8日(月)午後11時発表予定
・6月実績は-1.9
参考となる6月実績は-1.9で5月の-3.6との比較で改善した。非農業部門雇用者数が
大幅に増加したことが要因。7月については、失業率の低下が予想されているが、平
均時間給、労働参加率、不完全雇用の割合は6月と同水準になるとみられており、情
勢指数はマイナスになるとみられる。
○(米)7月小売売上高 12日(金)午後9時30分発表予定
・予想は前月比+0.4%
参考となる6月実績は前月比+0.6%で市場予想を大幅に上回った。自動車販売など
の増加が寄与した。自動車、ガソリン、建材、食品サービスを除くコア売上高は前月
比+0.5%だった。7月については全体の数字は6月に増加した反動でやや低い伸びにと
どまる見込み。自動車を除く売上高も6月実績をやや下回る見込みだが、雇用情勢の
穏やかな改善が続いており、+0.4%程度の増加が予想されている。
○(米)8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報 12日(金)午後11時発表予定
・予想は、91.5
参考となる7月確定値は90.0で速報値89.5をやや上回った。8月速報値については労
働市場の改善が続いていることを考慮して、7月確定値をやや上回る数字になるとみ
られる。市場予想は妥当な水準か。
○日米の主な経済指標の発表予定は、9日(火):(米)4-6月期非農業部門労働生産
性、10日(水):(日)6月機械受注、(日)7月国内企業物価指数、(米)6月JOLT
求人件数、(米)7月財政収支、11日(木):(米)7月輸入物価指数、12日(金):
(米)7月生産者物価指数、(米)6月企業在庫
[予想レンジ]
・100円00銭−104円00銭
《MK》
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