[為替週間見通し]
*15:08JST ドル・円はもみあいか、日米の金融政策を見極める展開
来週のドル・円はもみあいか。20-21日開催の日本銀行金融政策決定会合と米連邦
公開市場委員会(FOMC)が焦点となる。日銀は追加金融緩和の実施、連邦準備制度理
事会(FRB)は現行の金融政策の維持が市場コンセンサスとなっている。
日銀は20-21日開催の金融政策決定会合で、総括的な検証を踏まえ、追加金融緩和
を決定する見通し。当座預金における政策金利残高に適用される金利を現行の-0.1%
から-0.2%に引き下げることや、国債利回り曲線の修正などが政策メニューとして取
りざたされている。
日銀による追加緩和への期待感は根強く、金融政策に変更がなければ失望による円
買いが強まりそうだ。ただ、マイナス金利の拡大は金融機関の業績悪化や利用者負担
を考慮するとネガティブな影響が想定されていることから、政府・日銀の思惑に反し
て株安・円高に振れる相場展開もあり得る。
一方、FRBは金融引き締めを見送る公算。8月米雇用統計やISM製造業業況指数など
の経済指標は予想を下回っていることや、ブレイナードFRB理事のハト派寄りの発言
などで、12月利上げへの期待が高まりつつある。このため、日銀の政策決定やFRBの9
月利上げ見送りで短期的にはドル安・円高に振れても、年内利上げ観測を背景とする
ドル買い・円売りの興味は低下せず、ドルは下げ渋る可能性がある。
【日銀金融政策決定会合】(20-21日開催)
日銀は20-21日開催の金融政策決定会合で、総括的な検証を踏まえ、追加金融緩和
を決定する見通し。日銀当座預金における政策金利残高への適用金利を-0.1%から-
0.2%への拡大や国債利回り曲線の修正などが検討されるようだ。マイナス金利の金
融機関の業績への影響などを考慮すると、必ずしも株高・円安に振れるとは限らな
い。
【連邦公開市場委員会(FOMC)】(20-21日開催)
連邦準備制度理事会(FRB)は、20-21日開催のFOMCで金融政策の現状維持を決定す
る公算。日本時間22日午前3時に政策発表と声明を発表し、その後にイエレン議長が
記者会見する。利上げ見送りはすでに市場に織り込まれており、12月の引き締め実施
に関心が向かいつつある。
・9月19日-23日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。
○(米)8月住宅着工件数 20日(火)午後9時30分発表予定
・市場予想は、119.2万戸
参考となる7月実績は年率換算で前月比+2.1%、121.1万戸で市場予想の118万戸程
度を上回った。8月については、集合住宅の着工件数が7月に増加した反動でやや減少
すると予想されており、7月実績を多少下回る見込み。ただし、住宅建設投資は当面
順調と予想されており、9月以降も大きな落ち込みは考えにくい。
○(日)日本銀行金融政策決定会合 21日(水)決定会合の終了予定時刻は未定
・予想は政策金利残高への適用金利引き下げ
マイナス金利付き量的・質的金融緩和策は強化される見込み。日銀の当座預金残高
は現行の階層構造方式を維持するが、政策金利残高に適用する金利を-0.1%から-
0.2%に引き下げる見込み。基礎残高の適用金利は0.1%で現状維持の見込み。なお、
マネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加する金融市場調節は維持
される見込み。
○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合 21日(水)日本時間22日午前3時結果判明
・予想は政策金利の据え置き
早期利上げを巡ってFOMCメンバーで意見が割れているが、今回の会合でも政策金利
は据え置きとなる見込み。一部には利上げに前向きな意見もあるが、2%の物価目標
を下回っていることや、雇用にさらなる改善の余地があることが金利据え置きの理由
になりそうだ。なお、FOMCの金利・経済予測で2016年末以降の政策金利の見通しが下
方修正された場合、ドル売り材料になるとみられる。
○(米)8月中古住宅販売件数 22日(木)午後11時発表予定
・予想は545万戸
参考となる7月実績は前月比-3.2%、年率換算で539万戸だった。市場予想をやや下
回る結果となったが、販売価格(中央値)は上昇している。物件不足が販売件数減少
の要因とみられており、8月は多少持ち直す見込み。市場予想は妥当な水準か。
○日米の主な経済指標の発表予定は、20日(火):(米)8月建設許可件数、21日
(水):(日)8月貿易収支
[予想レンジ]
・100円00銭−104円00銭
《MK》
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