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2014年5月29日

第236回 平成26年3月期決算発表を振り返る(2)好業績発表後の急騰銘柄にどう対処するか

好決算発表後の株価の動きはその時々の相場環境により異なる

今回は、前回の続きとして、好決算の発表により株価が急騰した銘柄の買いタイミングについて対処法を考えてみたいと思います。

好決算の発表をきっかけにして、新たに買ってみたい銘柄が出てくるのが決算シーズンの楽しみの1つです。筆者も日本経済新聞に掲載された各企業の業績に一通り目を通しながら、将来のお宝株候補を探したりします。

ただ、好決算が発表された銘柄のその後の株価の推移がどのようになるかは、その時の相場全体の環境によるところも少なくありません。

例えば、相場全体の環境がよく、個別銘柄でみても上昇トレンドの銘柄が多いときは、好決算が発表された銘柄は、それが好感されて株価の上昇が続いていきます。

一方、相場環境が悪く、下降トレンドの個別銘柄が多いときは、好決算が発表されるとそれを好感して一時的に株価が上昇するものの、それが長続きせず、すぐに反落してしまう銘柄が増えてしまいます。

今回の決算発表シーズンは「息切れ」銘柄が目立ったが…

今回の決算発表シーズンで目立ったのは、好決算が好感されて決算発表の翌日はストップ高になるなど大きく上昇するが、翌々日になると早くも失速して息切れし、その後は株価が下がってしまうという動きです。

したがって、好決算を好感して高く寄り付いたところで飛びつき買いをすると、高値掴みになってしまう可能性があります。

とはいえ、投資候補としていた銘柄に好決算が発表されたなら、それは新規買いのタイミングの1つとなります。ですから、高値掴みのリスクは当然あるものの、ひとまず買って出る局面と筆者は思います。

ひとまず翌日に成り行き買いで飛び乗ってみる

そこで、好決算の発表があった場合、翌日に成り行きで買い注文を出すかどうかの検討をします(引け後に決算発表があったケースを想定しています)。その際、以下の点に注意します。

ストップ高の株価水準と25日移動平均線(25日移動平均線割れを損切りとするため)を比較して、損切り時に見込まれる実現損の最大額を計算します。それを許容できるならば成り行き買いの注文を出します。

仮に、ストップ高水準が650円、25日移動平均線が550円とすると、ストップ高で1,000株買って25日移動平均線割れで損切りを想定した場合、実現損はおよそ10万円となります。これを許容できるなら成り行き買い注文を出すのです。

もし、ストップ高で買って損切りになった場合の実現損が大きすぎると感じるなら、許容できる実現損の最大額から導き出される株価を計算し、それを指値にした買い注文を出すことも一案です。25日移動平均線が550円の場合、1,000株買って実現損が50,000円までなら許容できるならば、600円の指値注文を出すという具合です。ただし、この場合は指値に引っかからずに買えない可能性があります。

例えば、ミクシィ(2121)は、好決算発表後株価が急上昇していますが、決算発表の翌日の寄り付きで成り行き買いをすれば、6,550円で買うことができました。100株購入した場合、ストップ高水準の6,850円と25日移動平均線からみた、損切り時の実現損は10万円弱と想定されました。これを許容できたならば寄り付き成り行き買いにより、上昇の初期段階で安く買うことができたのです。

ミクシィ(2121)日足チャート

ミクシィ(2121)日足チャート

ストップ高比例配分で買えなかった翌日の成り行き買いは高値掴みリスクが高まる

なお、翌日に成り行き買い注文を出したものの、買い注文が多すぎてストップ高比例配分になり、買うことができないケースがあります。こんなときは飛び乗りをひとまず中止して、後述の「押し目買い」に方針転換した方がよいかもしれません。ストップ高翌日の寄り付き近辺で高値をつけ、一旦の高値をつける可能性があるからです。

例えば日本風力開発(2766)は、決算発表の翌日こそストップ高比例配分でしたが、翌々日は寄り付き後に高値を付けた後は反落し、大陰線をつけ前日の株価をも割り込んでしまいました。

日本風力開発(2766)日足チャート

日本風力開発(2766)日足チャート

なお、ストップ高連発で、その後も株価がどんどん上昇してしまうようなケースもたまにはありますが、そんな場合はその銘柄に縁がなかったとあきらめましょう。

例えばエスケーエレクトロニクス(6677)は決算発表翌日にはストップ高比例配分、翌々日のストップ高でようやく寄り付きました。その時の株価は25日移動平均線から40%近く上方かい離しており、仮にそこから株価が反落して損切りとなった場合、かなりの実現損が生じてしまう水準でした。ストップ高で寄り付いた後も株価は上昇していますから、飛び乗り買いして良かったわけですが、それは結果論に過ぎません。特に現在の相場のように、相場全体が明確な上昇トレンドにないようなときは、高値掴みを避けることの方が重要です。

エスケーエレクトロニクス(6677)日足チャート

エスケーエレクトロニクス(6677)日足チャート

飛び乗りした後の対処法が重要

そして、重要なのが飛び乗り買いした後の対処法です。ミクシィのように、株価が順調に上昇した場合は問題ありません。しかし、飛び乗り買いしてみたものの、その後数日の株価の動きから一旦の高値をつけた可能性があると感じた場合は、25日移動平均線割れを待たず、一度買いを外して様子をみることも検討すべきです。その上で、株価の動きに応じて以下のように対応します。

  • 直近高値を超えたら買い直す(直近高値超えは上昇トレンド継続の明確なサインの1つであるため)
  • 直近高値をつけた後に押し目をつけた後の反発局面で買う(この場合押し目割れもしくは25日移動平均線割れで損切り)
  • 株価の調整が進み、25日移動平均線に株価が近づいてきたら買う(この場合25日移動平均線割れで損切り)

例えば地盤ネット(6072)は、決算発表を受けて株価が上昇したものの、980円がいったんの高値となりそうなことが5月15日の長い上ヒゲおよび翌16日の陰線から感じ取れます。そこで、翌営業日の19日の寄り付きで一旦買いを外すのです。決算発表翌日の14日の寄り付き795円で買っていれば、19日の寄り付きが841円ですから、利食いの状態で一時撤退することが可能でした。

その後、株価は反落しましたがやや持ち直し、25日移動平均線をやや上回る水準です。押し目698円は25日移動平均線を割り込む水準ですので、現時点で新規買いするなら、押し目割れまで粘ってもよいですが、25日移動平均線割れを損切りとするのが無難でしょう。

もし、直近高値980円を超えてくれば、新規買いや買い乗せのタイミングとなります。

地盤ネット(6072)日足チャート

地盤ネット(6072)日足チャート

飛び乗りに抵抗があるなら「押し目買い」狙いを

また、飛び乗り買いをすると、当然高値掴みのリスクが少なくありませんから、抵抗がある方もいると思います。そんな方は、押し目買いを狙うのがよいでしょう。

よほど強い銘柄でなければ、好決算を好感した買いによる株価上昇は長くは続かず、当面の高値を付けた後は調整局面に入ります。そこで新規買いとするのです。

新規買いのタイミングは色々考えられますが、基本は上記の「飛び乗り買い後の対処法」と同じようにすればよいと思います。

例えば、長大(9624)は、決算発表後ストップ高を連発し、744円で当面の高値を付けた後、調整局面に入っています。これにより、25日移動平均線とのかい離も小さくなっています。

5月13日に606円の押し目を付けた後、膠着状態にありますから、5月14日以降に新規買いし、606円割れもしくは25日移動平均線割れで損切りとするのです。

そして、もし今後744円の高値を超えてきたなら、そこは新規買い・追加買いのタイミングとなります。

長大(9624)日足チャート

長大(9624)日足チャート

  • 注:本コラム中で例示した銘柄は、説明の便宜上取り上げたものであり、これらの株価の今後の見通しを予測したり、銘柄の売買を推奨したりするものではありません。投資判断は自己責任にて行ってください。

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

足立武志

知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識

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国内株式のリスクと費用について

■国内株式 国内ETF/ETN 上場新株予約権証券(ライツ)

【株式等のお取引にかかるリスク】

株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

【信用取引にかかるリスク】

信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

【株式等のお取引にかかる費用】

国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。

〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。

〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)

〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。

〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

【かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)にかかるリスクおよび費用】 

リスクについて
かぶミニ®の取扱い銘柄については市場環境等により、取扱いを停止する場合があります。
費用について
売買手数料は無料です。

かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。

  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、上記いずれのコースかに関わらず、1回のお取引ごとにオペレーター取次ぎによる手数料(最大で4,950円(税込))を頂戴いたします。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の保証金率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。
    レバレッジ型ETF等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合がありますので、ご注意ください。

【貸株サービス・信用貸株にかかるリスクおよび費用】

(貸株サービスのみ)

リスクについて
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