皆さんは、「かい離率」という言葉をご存知でしょうか。そして、この「かい離率」を意識して日々株式投資をされているでしょうか。今回は、「高値掴み」や「安値売り」を避けるために大いに役立つ「かい離率」について、まずは基本的な知識を身に付けていただこうと思います。
「かい離率」について、普段あまり馴染みのない方もいらっしゃると思いますので、初めに基本的な知識について簡単に触れておきます。
通常、「かい離率」といえば、それは「株価が移動平均線からどれだけ離れているか」という意味で用いられます。「乖離率」と表現することもあります。
「かい離率」は、株価が移動平均線より上にあるか下にあるかで表現が異なります。移動平均線より株価が上の場合は「プラスかい離」、株価が下の場合は「マイナスかい離」と表現します。
また、一般に、かい離率を計算する際の株価は「終値」を使います。そして、株価と比較する移動平均線は、株価チャートでローソク足1本が表す期間(日足・週足・月足)により異なります。
日足チャートであれば比較する移動平均線は5日、25日、75日など、週足チャートであれば13週、26週、52週など、月足チャートであれば12カ月、24カ月などです。
これらの知識を踏まえて、1つ例を挙げてみましょう。本日時点での株価が1,100円、25日移動平均線が1,000円だとすると、この場合のかい離率はプラス10%となります。これを「25日移動平均線に対して10%のプラスかい離」と表現します。
かい離率を求める計算式は、「(株価-移動平均線)÷移動平均線」です。上の例では、「(1,100円-1,000円)÷1,000円=10%」となります。
もし、株価が1,100円ではなく900円だったとすると、「(900円-1,000円)÷1,000円=マイナス10%」となります。
このように、移動平均線の位置と株価が分かれば、かい離率を計算することができます。証券会社の会員向け画面では、各個別銘柄や、日経平均株価・TOPIXといった株価指数につき主要な移動平均線からのかい離率が表記されていることが多いので、その数値自体を使えば計算は不要です。
「かい離率」の最も一般的な使い道は、株価指数や個別銘柄について「買われすぎ」「売られすぎ」の判断基準とすることです。
株価と移動平均線の一般的な関係から言えば、移動平均線は株価に対して遅行性があります。つまり、移動平均線は株価より遅れて動くのです。株価が1日で20%上昇しても、25日移動平均線は過去25日の株価の平均値ですから、せいぜい数%しか動きません。
そのため、株価が移動平均線から大きくかい離するということは、株価が短期間に大きく変動していることを示しています。これをもって、株価が「買われすぎ」もしくは「売られすぎ」の状態にあるかどうかを判断するのです。
例えば、日経平均株価であれば、25日移動平均線とのプラスかい離が5%を超えてきたらやや注意、8%を超えてくると要警戒、10%を超えた場合は近々反落する可能性が非常に高くなります。マイナスかい離の場合はこの逆で、マイナスかい離5%で安値圏、8%超で底打ち間近、10%超は売られすぎで間もなく反発の可能性が非常に高い、ということになります。
ですから、日経平均株価がプラスかい離10%に達しているにもかかわらず、そこから新規買いをどんどん実行することは、その後の株価反落により高値掴みになってしまう可能性が高いため非常にリスクの高い投資行動となるのです。
個別銘柄は、日経平均株価などの株価指数より値動きが大きくなります。東証1部上場の中・大型株であれば上記の日経平均株価の3~5倍を目途に考えておけばよいと思います。つまり、上記の日経平均株価のケースでの「5%、8%、10%」を「15%、24%、30%」(3倍の場合)や「25%、40%、50%」(5倍の場合)と置き換えて考えるのです。
値動きの激しい新興市場株や小型株の中には日経平均株価の10倍~20倍でかい離率をとらえるべき銘柄もありますが、これらは各個別銘柄の過去の値動きを見ながら個々に判断するしかありません。
筆者ももちろん「かい離率」を株価の「買われすぎ」「売られすぎ」のサインとして活用していますが、実はそれ以外に、もっと重要な使い道があるのです。それが「売買のタイミングを見計らう」ということです。
筆者が日々実践している「株価トレンド分析」では、株価が上昇トレンドにある場合は新規買い可、となります。でも、上昇トレンドと一口に言っても状況は様々です。25日移動平均線を少し超えただけ、という状態もありますし、25日移動平均線を超えてから株価が大きく上昇してかい離率が大きくなっている、という状態もあります。
そこで筆者は、株価が上昇トレンドにあるものの全てを新規買いの対象とするのではなく、上昇トレンドにある株価が移動平均線とどれくらいかい離しているかによって、新規買いをするかどうかを判断しています。
そしてそこには筆者が株式投資で成功するために最も重要な要素の1つと考える「損切り」が適切に実行できるかどうか、という観点も大きく関わってきています。
次回は「売買のタイミング」という観点から、筆者が実際にどのように「かい離率」を活用しているか、具体例を織り交ぜながらご説明していきたいと思います。
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足立武志
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株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
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但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
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