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2016年6月23日

第342回 二極化相場で有効な「ロング・ショート戦略」~(その1)ロング・ショート戦略とは?

皆さんは、「ロング・ショート」という戦略をご存知でしょうか?最近、筆者は株価調整局面での損失を軽減させるために、このロング・ショート戦略を採用しています。今回は、ロング・ショート戦略とは何か、そして二極化相場でロング・ショート戦略が有効な理由についてお話しします。

2015年8月の高値を境に調整局面が続く日本株

日経平均株価が20,946円93銭の高値をつけた2015年8月、思えばそこを境に日本株の値動きは大きく変わってしまいました。2012年11月以降続いたアベノミクス相場による中長期的上昇相場が一旦終わり、調整局面が続いています。今年に入ってからはその傾向がさらに強まっています。

ただし、それはあくまでも日経平均株価やTOPIXなどの株価指数に関しての話で、個別銘柄をみるとその様相は全く異なってきます。2015年8月の高値を大きく超えて上昇している銘柄も数多くある一方、2015年8月よりかなり前に天井を付けていち早く中長期的な下降トレンドに入ってしまっている銘柄も少なくありません。

このように、個別銘柄によって値動きが異なる「二極化相場」は今も続いているのですが、この二極化相場に有効と思われるのが「ロング・ショート戦略」です。

そもそも「ロング・ショート戦略」とはなにか?

では、「ロング・ショート戦略」とはいったいどんなものでしょうか。証券用語で「ロング」とは「買い」の意味で、「ショート」は売りの意味です。

つまり、買い建て銘柄と売り建て銘柄の両方のポジションを持ち、そこから利益をあげようとする手法です。

一般的なロング・ショート戦略は、例えば同じ業種間で割安な銘柄を買い、同時に割高な銘柄を売ります。各銘柄の割安・割高はいずれ是正されると考えれば、マーケット全体が上昇しようとも下落しようとも、割高な銘柄と割安な銘柄との価格差は縮小し、利益を得ることができるという考え方です。

A社とB社の株価はいずれも300円が妥当なはずだが、A社は350円、B社は250円の株価をつけているとします。本来A社とB社との価格差はゼロであるところ、100円の差があります。そこで、A社株を売り建て、B社株を買い建てます。その後マーケット全体が上昇基調となり、A社は450円まで上昇し、B社は380円まで上昇したとすると、A社株の売り建てでマイナス100円、B社株の買い建てでプラス130円、差し引き30円の利益となります。逆に、マーケット全体が下落基調で、A社は250円、B社は170円まで下落したとすると、A社株の売り建てでプラス100円、B社株の買い建てでマイナス80円、差し引き20円の利益となります。

筆者が採用している「ロング・ショート戦略」は?

このように、割高と思われる銘柄を売り、割安と思われる銘柄を買うことで、マーケット全体がどのような動きになろうとも利益を得ようとするのがロング・ショート戦略です。日経平均株価の現物と日経平均先物との間で行われる「裁定取引」は、先物を売って現物を買うことでサヤ取りを行うものです。これもマーケット全体の値動きにかかわらず利益を得ることが目的ですからロング・ショート戦略の1つといってもよいでしょう。

ただ、筆者が実践している「ロング・ショート戦略」は一般的なものとは少し異なります。筆者は株価のトレンドをとても重要視していますが、このトレンドが下降トレンドの銘柄を空売りし、上昇トレンドの銘柄を買うという組み合わせでロング・ショート戦略を行っています。つまり、強い銘柄を買い、弱い銘柄を売るという形で利益を狙っているのです。

なぜ筆者は「ロング・ショート戦略」を使おうと思ったのか?

2015年8月にいわゆる「チャイナ・ショック」により株価が大きく下落する直前、筆者は買いのみを行っており、ヘッジ目的のツナギ売りを除けば純粋な空売りは行っていませんでした。

そして、多くの銘柄の株価がピークをつけた後も、株価が下降トレンドになる、つまり25日移動平均線を割り込むまで買い銘柄は保有を続けていました。でも、株価が想定より大きな下落となったため、最終的には大部分の銘柄を売却するに至り、その過程で株価ピーク時から利益を大きく減らすことになってしまいました。もちろん、株価ピーク時というのはまさに上昇トレンド真っ只中であり、天井で保有株を売却できることはあり得ませんから、ピークからある程度利益を減らしたところで売却すること自体は仕方ありません。しかし、ピーク時からかなり利益が減ってしまったことを、何とかできないかとは思っていました。

その後株価は回復して年末を迎えましたが、ご承知のように今年に入って再び株価は大きく下落、特に年初から2月中旬までの急落はきついものでした。この過程でも、保有株が下降トレンドに転じて売却するまでの間に、利益が減ってしまいました。

このように、大きめの調整局面が到来した際に、利益が大きく減ってしまうのを少しでも軽減することはできないか、と考えた結果「ロング・ショート戦略」にたどりつきました。強い銘柄を買い、弱い銘柄を売るようにすれば、相場全体が堅調であっても軟調であっても利益を得ることができるのではないかと考えたのです。

これまでロング・ショート戦略を行わなかった理由とは

もちろん、「ロング・ショート戦略」自体は以前から知っていました。でも、なかなか実行に踏み切れなかった理由があります。それは、日経平均株価やTOPIXなどからみた日本株マーケット全体が、中長期的な上昇トレンドを続けていたからです。

基本的に、マーケット全体が中長期的な上昇トレンドであれば、個別銘柄の多くも同じような動きをします。中長期的な上昇トレンドにある銘柄に空売りを仕掛けても、一時的な調整局面を経れば再び株価が上昇してしまうので、失敗してしまう可能性が高いのです。

ですから、2015年8月~9月の急落時も、2016年1~2月の急落時も、基本は買い一本のみでやってきたわけです。

しかし、2016年1~2月の急落により、中長期的にみて下降トレンドに転換している個別銘柄が数多く出現していることに気がつきました。

中長期的にみた上昇トレンドの銘柄というのは、例え日足チャートで下降トレンドであっても、月足チャートや週足チャートが上昇トレンドを維持している銘柄をいいます。

一方、中長期的にみた下降トレンドの銘柄は、日足チャートだけでなく、週足チャートや月足チャートまでも下降トレンドになっている銘柄をいいます。

なぜこのような状況になったかといえば、日経平均株価やTOPIX自体が、2016年1~2月の急落によって週足チャート、月足チャートともに下降トレンドに転じたためです。株価指数自体が中長期的に下降トレンドになれば、個別銘柄の多くも同様な動きとなるのです。

次回は、筆者が実践するロング・ショート戦略の具体的な説明と、下落相場におけるロング・ショート戦略以外の防衛手法をお話ししたいと思います。

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国内株式のリスクと費用について

■国内株式 国内ETF/ETN 上場新株予約権証券(ライツ)

【株式等のお取引にかかるリスク】

株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

【信用取引にかかるリスク】

信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

【株式等のお取引にかかる費用】

国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。

〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。

〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)

〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。

〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

【かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)にかかるリスクおよび費用】 

リスクについて
かぶミニ®の取扱い銘柄については市場環境等により、取扱いを停止する場合があります。
費用について
売買手数料は無料です。

かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。

  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、上記いずれのコースかに関わらず、1回のお取引ごとにオペレーター取次ぎによる手数料(最大で4,950円(税込))を頂戴いたします。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の保証金率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。
    レバレッジ型ETF等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合がありますので、ご注意ください。

【貸株サービス・信用貸株にかかるリスクおよび費用】

(貸株サービスのみ)

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(貸株サービス・信用貸株共通)

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楽天証券、または楽天証券と共同保有者(金融商品取引法第27条の23第5項)の関係にある楽天証券グループ会社等が、貸株対象銘柄について変更報告書(同法第27条の25第2項)を提出する場合において、当社がお客様からお借りした同銘柄の株券等を同変更報告書提出義務発生日の直近60日間に、お客様に返還させていただいているときは、お客様の氏名、取引株数、契約の種類(株券消費貸借契約である旨)等、同銘柄についての楽天証券の譲渡の相手方、および対価に関する事項を同変更報告書に記載させていただく場合がございますので、予めご了承ください。
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