2014年06月03日
先週の26日(月)時点での予測では、前週に終値で14,000円を守って反発となったことで、直角三角形の保ち合いの継続となり、目先は4月21日の高値14,649円を終値で上回れるかどうかとしました。14,649円を上回ってくると三角保ち合いの上放れの形となり、これまでの14,000~15,000円の大きなボックスの上限である15,000円を目指す可能性があります。又、26日時点では、長期の上昇トレンドへの回復の目安となる200日移動平均線も14,647円となっており、この水準は注目するところでした。
結果的に、アメリカ株式の高値圏での堅調な動きや為替が102円に近い円安となったことで、27日(火)には14,744円まで上昇しましたが、週末の30日(金)の大引けは▼49円の14,632円と7日ぶりの反落となって、4月21日の高値14,649円を上回ることはできませんでした。しかし、先週の予測の時点では、売買代金が2兆円を超えない状況では為替の一段の円安進行がない限り14,600円水準を上回る上昇はないと思っていましたが、円安は101円台後半のままであるにもかかわらず、主力の内需株中心に中小型株が買われ、14,700円台を何度か試しました。その背景の1つには、日経平均が昨年末から年初にかけての株高局面で信用買いが膨らみ、その整理が進み、上値が軽くなってきているということが考えられます。 27日(火)に東証が発表した信用買い残(23日申し込み時点)は、2兆8,362億円と昨年11月29日以来ほぼ半年ぶりの低水準となっており、先高感を感じさせる状況となっています。
28日(水)には、「14,500~15,000円のボックス入りとなるかどうか」ということが考えられると予測し、そうなると、14,500~15,000円のボックス圏でもみあった後上放れるという第3のシナリオを想定しました。14,000円水準を目処にここを守って直角三角形の動きが継続して、6月上旬から中旬にかけて上放れするという第1のシナリオと、14,000円を大きく切って当面の底打ちとなって反発を開始するという第2のシナリオを想定していましたが、2週間前に14,000円を終値で守って戻りを試す形となり、27日(火)には14,744円まで上昇しました。そのため、4月21日の高値14,649円や200日移動平均線(26日時点14,647円)を終値で上回れば、直角三角形の保ち合いを上放れる形となるため、14,000~15,000円の大きなボックスの上限を試す形になると想定しました。その後、14,500~15,000円の小ボックスのもみあいとなったあと、15,000円を超える上放れとなる第3のシナリオを想定しました。
私は、出来高・売買代金の市場ボリュームからみると、一気に直角三角形の保ち合いを上放れるのは難しいのではないかと考えていましたが、上述したような信用買い残の減少、外国人投資家の売り一巡(ヨーロッパ勢は4月は買い越し)、国内の信託銀行の買い越しに転じた状況などをみてみると、需給関係が好転していることが考えられます。昨年末に日経平均が高値をつけて4カ月半近い調整を考えると(6月末が高値期日だが、ふつうは1~2カ月前に整理される)調整がほとんど完了したこと、6月発表の成長戦略への期待を考えると戻りを試してもおかしくないといえます。
本日2日(月)は、買い材料がない中、寄付きから△145円の14,777円と先週27日(火)の直近高値14,744円を上回ったことで、短期のもみあいの上放れの形となって一気に14,800円台を回復し、更に為替が102円台の円安進行となったことが下支えとなり、もう一段高となって14,963円と15,000円に接近する動きとなり、終値は△303円の14,935円となりました。今日の大幅上昇の要因は、5月31日(土)の日経新聞で、政府がNISA非課税枠を200万円以上に拡大することを検討という報道が6月の成長戦略への期待と共に相場を押し上げたといえます。但し、相場の当面の目安だった15,000円に接近し、今週は週後半に海外でイベントを控えていることで、ここからは様子見となりそうです。もみあえば、出遅れ株の修正が続くことになると思われます。
先週の予測として、14,500円を挟んだもみあいを想定し、もし75日移動平均線(23日14,523円)を上に抜けると4月21日の高値14,649円を試す動きになるとしました。
結果的に、アメリカ株高と101円台後半の円安を好感し、26日(月)に△140の14,602円となった後は27日(火)△34の14,636円、28日(水)△34円の14,670円、29日(木)△10円の14,681円と小幅ながらも6日続伸となりました。しかし、週末の30日(金)は▼49円の14,632円と7日ぶりの反落となりました。27日(火)にはザラ場で14,744円まで上昇するもののこの水準は上値重く、終値では4月21日の高値14,649円と200日移動平均線(30日14,660円)を上回ることができませんでした。但し、上向きとなりつつある75日移動平均線(30日14,547円)を上回っていますので、調整する場合はここが目先の下値ポイントとなります。
今週は、海外で週半ば以降に欧州中央銀行(ECB)理事会による追加の金融緩和の行方や5月のアメリカの雇用統計を控え、又先週末まで2週間で500円強の上昇もあり、上値では利益確定圧力が強まります。チャートでは、27日(火)のザラ場高値14,744円を終値で上に抜けると、直角三角形の保ち合い上放れとなって1,500円を試す動きとなる可能性があります。又、下値も6日発表予定の成長戦略への期待があり、75日移動平均線(30日14,547円)が目先の下値ポイントとなるところです。
週明け2日(月)は、△145円の14,777円と先週27日(火)の高値14,744円を上回って寄り付いたことで短期のもみあいの上放れの形となり、為替も102円台の円安となったことで、買いが買いを呼ぶ展開となり、一時14,963円と15,000円に近づき、終値は△303円の14,935円でした。15,000円水準は大きなフシとなりますので、ここを試しても一旦押し目の形となってもみあい、その後上放れとなる可能性が高いと考えられます。
先週の予測として、住宅や消費関連の経済指標の発表があり、それによっては高値圏での一喜一憂の動きとなりそうだとしました。
結果的に、景気回復への期待からS&Pが連日の史上最高値を更新し、週末の30日(金)はNYダウも終値ベースで史上最高値更新となりました。連休明けの27日(火)は、独DAXが史上最高値を更新したことでNYダウも4日続伸の△69ドルの16,675ドルとなりました。28日(水)は一服するも29日(木)は雇用情勢の改善で△65ドルの16,698ドルと反発し、週末の30日(金)は、経済指標はまちまちだったものの景気回復に対する期待が相場を支え、△18ドルの16,717ドルとなって終値ベースで史上最高値更新となりました。しかし、ザラ場での5月13日の16,735ドルの史上最高値はまだ超えておらず、終値で大きく超えられずに5月20日の16,341ドルを下回ると、一旦調整する可能性があります。
NYダウは、週末の30日(金)に史上最高値を更新しましたが、ザラ場での5月13日の16,735ドルの史上最高値を一気に上回る程の勢いは現時点ではありません。5月は、月間でみても4カ月連続の上昇となっており、買いが続くには景況感の改善が必要との見方が多く、週末の5月雇用統計を睨み、今週は高値圏での神経質な展開となりそうです。
先週の予測として、チャートの形が、三角保ち合いから一旦円高の方向に振れて5月21日の100.8円まで円高が進行し、ここから101.95円までの円安となり、101~103円のボックス相場の形になったとしました。当面は、ボックス相場の中で、2月4日の100.8円と5月21日の100.8円のドルのダブル底の形となっており、ここを切ると100円を試すことになりそうですが、今のところ下値は堅く、ボックス圏の動きが続きそうです。
今週は、アメリカの週末の5月の雇用統計が注目となり、改善が確認されればドル買いの流れとなります。又、欧州理事会で金融緩和観測が高まっていますが、追加の緩和策がなければユーロの買い戻しで円安となり、円安・ユーロ高となれば対ドルでも円安が進行する可能性があります。101~103円のボックスの中で、上限を目指す可能性があると思われます。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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